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【NYY】2024 International FAの展望

来る日本時間1月16日に、今年の国際FAが解禁となる予定です。近年のヤンキースにおける代表的なサイニングといえば、2019年に5.1Mの巨額契約で入団したJasson Dominguez、2022年に4.0Mで加入したRoderick Ariasが挙げられます。Dominguezに至ってはすでにMLBデビューを果たすなど、終わってみれば2019年クラス最高のプロスペクトの座につき続けており、Ariasも1年目のDSLでは不発も、昨季FCLにてセンセーショナルな活躍を見せたばかり。

ビッグネーム以外でもKeiner Delgado、Carlos Lagrangeといった掘り出し物が数年でTop30入りしているのを見ても、ヤンキースの中南米におけるスカウティングには期待したいところ。

IFA解禁前であるものの、すでにNYYとのリンクが取り沙汰されている数名についてはPodcast等を精力的に行っている@Yankees Farmにて特集されています。契約解禁日以降にはそれら以外の選手についても備忘録的にメモしていく予定。ちなみにヤンキースのボーナスプールは4,652,200ドルであり30球団最小額タイ。

★ちなみに…
2021年末のCBA交渉においては国際ドラフトの導入が条件付きで暫定合意に至ったものの、結局2022年途中に正式決定までいかず、恐らくですが2026年末までは現行のタンパリング規制のない国際FA制度が継続になりそう。一部アカデミーでは相当暴利なマージンを得たり、禁止薬物の投与を勧めたりと、歯止めが利かない状況らしいので抜本改革は必要だと思います。この辺の整合性を取るためなのか、今年からPipelineの寸評でも「この選手は○○とリンクしている」みたいなことは書かなくなりましたよね。

■参考サイト


■2024年国際FAのリンク済み選手

・Stiven Romans SS 180cm DOM

遅くとも2年半前からNYYと口頭合意に至っていたであろうショートストップ。一昨年には同じくドミニカ出身で、現在CHC傘下Top20プロスペクトに位置するCristian Hernandezとトレーニングを行っていたはず。(現在は削除されているよう。)身長は小柄ながら、肉体は17歳のそれではなく早熟な印象。バッティングフォームはレッグキックが控えめですが、強烈なスイングスピードを誇っているように見えます。それこそ大先輩Robinson Canoのような雰囲気。

・Francisco Vilorio OF 193cm DOM

MLB Pipelineの国際FA有望株ランキングにて15位につける外野手。今年のサイニングにおいて、前評判で言えばRomansを凌ぐプロスペクトとなります。高身長に加えて、かつてのKevin Alcantaraなどとは異なり筋肉が発達している印象。ボディーフレームの良さ故にRaw Powerは同ランキングの最上位有望株と同等の評価を受けています。同じく彼を16位に評価するFangraphsによれば、契約金は1.7M程度になる見込み。ヤンキースとの口頭合意後は雲隠れし、サイニング直前に上記のゴリゴリ体型でベールを脱いだそう。
追記)中南米最強のインサイダーHector Gomez曰く、すでに114mphの打球初速、107mphの返球を計測しているとのこと。

・Angel Marte OF 185cm DOM

こちらも高身長の右打外野手であるものの、Vilorioと比較すれば遥かに発展途上のフレーム。Instagramは鍵アカウントとなったものの、プロフ欄には「Future baseball player of the New York Yankees.」とご丁寧に記してあります。こちらもVilorio同様に雲隠れしているだけで、契約後にはハイライトリールをちゃんと見ることができそう。150Kで契約合意。

https://www.instagram.com/p/CyHZtBjud8cFu1U7AEbme-WuCXvnyX92JSdWsM0/?img_index=1

追記)どうやらミドルネーム?のVenturaを登録名にし、「Angel Ventura」が正式になるようです。一部の記者が間違えてるのかと思っていましたが、DSL施設のネームプレートもVentura表記となっていました。

・Richard Matic 3B 188cm DOM

Fangraphsにて26位の評価をうける大型三塁手。こちらも体格に富んでいるものの、BaseballAmericaによれば三塁手として十分なFieldingとArmを有しているとのこと。Fangraphsからも俊敏な動きを評価されているようです。800Kにて口頭合意→実際は850Kでの契約が確認できました。

・Estivenson Montero OF 188cm DOM

今回のサイニングにて当方最大の推しである大型外野手のMontero。まだ未完成のフレームにも関わらず、理想的なランチアングルにリフトできるスイングを有しており、非常に楽しみな存在。60ヤードダッシュで6.72秒を計測する走力もあり、5ツーラーとして期待。

・Christofer Reyes SS 180cm DOM

右打ちの遊撃手で、やや小柄ながらも強烈な打球を飛ばす映像が確認できました。

・Queni Pineda C 178cm DOM

豆タンク系の捕手プロスペクト。上はAustin Wells、下はEngelth Urenaと、捕手層においては屈指の厚さを誇るNYYでありますが、頑張って欲しいですね😤350Kにて契約したとのこと。

・Carlos Villarroel C 188cm VEN

Pinedaとは異なり、体格に優れた捕手。映像でのポップタイムやスローイング強度はなかなかですが、それ以上にRaw Powerから裏打ちされる打撃力が魅力。今年のサイニングの中ではかなり完成された打撃フォームを有している印象です。Instagramは鍵アカウント。

・Edgar Jimenez C DOM

情報入り次第

・Carlos Rondon C VEN

入団時点でヤンカスに嫌われることが確定している名前。奴が2028年までチームにいることを考えると、奇跡のバッテリー爆誕も。詳細は情報入り次第。

・Dylan Medina OF DOM

情報入り次第

・Dexter Peralta SS DOM

注目度がそこそこ高いスイッチヒッター。打力が買われているとのこと。

・Alexander Almonte RHP DOM

NYYの今サイニングにて初めて投手が出てきましたね。

・雑感(1/16時点)

遂に解禁されました2024国際FA。上記で事前に取り上げたプロスペクトたちは軒並み初日にNYYとの契約を行った様子。
今年の特徴としては、ドミニカ勢が例年に比べ非常に多くお得意のベネズエラ勢が少ないこと、6フィート2インチ程度の選手が大半を占めること、そして投手が非常に少ないことでしょうか。

■2025年~26年国際FAの噂

国際FAといえば、まだ中学生程度のプロスペクトにも注目があつまり、数年後の動向を論ずるのも楽しみの一つでしょうか。
ことヤンキースほどファンベースが大きくなると、こういった分野においても恐ろしいほどのリサーチ力を有する現地ファンがいるのですが、数日前にあるツイートが目に留まりました。

2019年のJ-DOMに次ぐ国際FA候補生であったRobert Puasonや、昨季Salasに次ぐ候補生Felnin Celestenを指導したJD Ozunaのスクールに加入しているWandy Asigen(現在15歳?)がすでにヤンキースと口頭合意に至っており、一部の間では2026年IFAクラスにおける№1プロスペクトなのではと取り沙汰されているようです。 確かに紹介されている12-13歳時代の動画は目を見張るものがありますし、これからも注目したいですね。

また、来年2025年におけるIFAクラスにおいても、既にヤンキースとリンクしている外野手Ruben Castillo、遊撃手Manny Cedeñoがクラストップクラスの実力を有しているとのこと。ただ、佐々木朗希のポスティングが実現した場合にはこれら選手のボーナスプールが割を食う形になるのは明白で、あくまでも現状の見通しとして捉える他なさそうっすよね。

★その他、近年のNYYにおけるIFAの成果については下記記事のとおり


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