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【NYY】でっけえXファクターの話【Short】

日本時間10/21に行われたNLCSにおいて、ドジャースがメッツを4勝2敗で下しリーグ優勝。一足先にWS進出を決めたヤンキースの対戦相手が決定した瞬間でもありました。

日米問わず、1981年以来43年ぶりとなる東西対決はある種の緊張感が見受けられ、背景には「ビッグマーケット同士の対決」「スターパワーの激突」、さらには「NY-LA都市間の雌雄を決めるマッチアップ」という地政学的側面からも取り上げられるほどの盛り上がり。
お察しのとおり、28球団ファンからは忌み嫌われる2チームだけあって”両チームとも負けて欲しい”なんてフレーズも飛び出るほど。日本的にいえば巨人やソフトバンクに対する10球団の嫌悪感、みたいなのが近しいでしょうか。

実は今年の6月7日~9日、すでに両チームによる”伝統の一戦”がヤンキースタジアムにて行われており、結果は1勝2敗でドジャースの後塵を拝する形に終始。特にGame2でTeoscar Hernandezに打たれたグランドスラムは未だに悪夢。この際にもMLB公式を中心に、日本メディアをも巻き込んだ「ワールドシリーズの前哨戦」といった扱いが成されていたほどでしたよね。

そこから約4ヶ月、実際にワールドシリーズにて相まみえることとなった2チームですが、TDLを跨いだこともありチーム状況も一変。特に今回のnoteでは、6月の対戦時には無かったヤンキース側のXファクターを書いていきます。

①Juan Sotoがおんねんぞ👊💣

覚えている方もいらっしゃると思いますが、実は前回ドジャースと対戦した際、Juan Sotoは3戦ともスタメンから外れていました。
これはSotoがLAD戦以前より感じていた右前腕部の痛みによるもの。それでも直前まで打率.318 17HR OPS1.027というJudgeとのMVP論争が湧き出るほどの活躍を見せていました。しかし6月6日のツインズ戦にて雨天中断が発生した際、気温の低下によってSotoが前腕の痛みを訴えたことで、翌日から始まったドジャース戦を欠場するに至ったわけですな。

ただ、Sotoは直後のロイヤルズ戦から戦線復帰を果たし、157試合でBA.288 41HR OPS.988というキャリアイヤーを過ごすこととなりました。プレーオフにおいても打棒は健在で、ALCS Game5での勝ち越しスリーランは今後も語り継がれるat batになるでしょうか。

6月の対戦時、ヤンキースはドジャースの山本、Stone、Glasnowという先発投手陣を前に苦戦。常時96-98mphの出力を誇る速球にアジャストすることができなかったと記憶しています。負け惜しみを言わせたら№1のファンベースとしては、「Sotoがいてくれたら…」としきりにつぶやいていましたよね。当時はまだ成績が平均以上であったVerdugoが2番打者として座っていましたし、代わりに出場していたGrishamがスイープを阻止する逆転3ランを放つなど悪いことばかりではなかったですが。

また、プレーオフにおけるSoto vs. Dodgersという歴史も振り返ってみます。
まずは2019年のNLDS Game5、ドジャースは4対2とリードを保ったまま8回表を迎えていましたが、リリーフ起用されたKershawがRendonとSotoに痛恨の二者連続本塁打を献上。延長ではHowie Kendrickのグランドスラムが飛び出て敗退、一方ナショナルズはSotoの活躍などもあってWS制覇を成し遂げました。

そしてパドレス移籍となった2022年のNLDSにおいては、2勝1敗で迎えたGame4・7回裏に同点タイムリーを放ってチームの勝利にも貢献。往年のドジャースファンにとって、Juan Sotoは忘れたくなるような敗戦をお膳立てしてきた過去があります。

このワールドシリーズという最高の舞台においても、Sotoの悪夢のような一打が生まれることを確信しています😌LADファンのみなさま、震えて眠ってください。

②大谷🦄を打ち取れ!Tim Hillおじ👴

Aaron Judgeと大谷翔平による現役最強選手の激突はワールドシリーズの裏テーマになりえるトピック。大谷はNYY戦で幾度と印象深い一発を放ってきたわけですが、改めてデータを見るとチーム別打率.209と30球団中最低の数字に抑えており、印象ほど分の悪い対戦にはならなそう。

また、大谷は今季だけ見ても対RHPのOPS1.128である一方で、対LHPのOPS.867と比較的穏やかなスタッツ。パドレスがNLDSにおいて左腕のScottを何度もぶつけたように、NYYが左腕投手を大谷専用機として起用することは容易に想像できます。

そして前回のLAD戦直後にヤンキースへ加入したベテラン左腕が一人。パドレスなどで活躍したTim Hillです。
マイナス20°という極端なアームアングルから繰り出されるシンカーやスライダーを武器にしており、今季は2002年の統計開始以後に限れば歴代28位となるGB%=68.1を記録した指折りのゴロピッチャー。ドジャスタとヤンスタは屈指の本塁打天国であることからも、大谷ら強打者にフライボールをそもそも打たせないことができるHillの投球が楽しみ。ちなみにHillが左打者に本塁打を献上したのは昨年5月(ドジャース戦・Freeman)まで遡るとのこと。

③地元ラブ💕のスター🌟

6月の3連戦はヤンキースタジアムにて実施となったわけですが、今回はGame1-2&Game6-7がドジャースタジアムにて行われる予定。ドジャースタジアムはカルフォルニア・ロサンゼルスにそびえる球場なわけですが、ヤンキースの主軸にはカルフォルニア州を地元にもつAaron JudgeとGiancalro Stantonがいます。

「だから何やねん!」と思われるかもしれませんが、彼ら2人はドジャースタジアムだとテンアゲ↑↑になるのか知りませんが、これまで気持ち悪いほどの成績を残しています。

Stanton 25試合 BA.309 (94-24) 10HR OPS1.086
Judge 5試合 BA.300(20-6) 4HR OPS1.233

Stantonでいえばドジャスタ開催となった2年前のオールスターにおいてホームランを放ち、MVPを獲得したのが記憶に新しいですよね。Judgeは昨年プレーした際に、ライトフェンス際のゲージ施錠が上手くされておらず、その拍子で足下のコンクリートに指を強打。これに起因した故障で長期離脱、ヤンキースが終戦となった嫌な思い出もありますが…。

真面目な話、彼ら2人に限らずとも、寒いニューヨークに比べてロサンゼルスのほうがパフォーマンスを上げやすいシリーズになりそう。投手もですが。

④表ローテをぶつけたる😁

これも6月の話に立ち返りますが、当時ヤンキースはSchmidt-Cortes-Gilという3-5番手をぶつけようとしていたものの、Schmidtが5月末に負傷離脱となったためにCody Poteetが第1戦にスライド。結果として現ローテーションのうち、Cole・Rodon・Schmidtの3人がドジャース打線と相対していないことになります。

すでに先発投手陣の豊富さでドジャースにアドバンテージを持っているヤンキースですが、表3枚が今季ドジャース戦でベールを脱いでいないことも優位に働いてくれるはず。たぶん働いてくれるかも。働いてくれないと困る。

※実は対するドジャースもStoneとGlasnowが今季絶望となっているため、今回も対戦するのは山本のみ。Jack Flahertyともタイガース時代含めて対戦なし。「完全にヤンカスの希望的観測やん…。」という突っ込みはご容赦ください🙇

また、Hillの話にも関連しますが、シーズン終盤に負傷したCortesがワールドシリーズのロスターに入る可能性が高いとのこと。Cortes対大谷といえば伝説の変則投法が未だに語られるほどであり、こちらもブルペンに回って大谷にぶつけるのではないでしょうか。

⑤ゴースト/ニューヨークの幻👻

During the 2003 American League Championship Series, New York Yankee captain Derek Jeter told Aaron Boone to wait until the ghosts came out in the Stadium.
Shortly after that, Boone hit a Tim Wakefield knuckleball into the night and the Yankees returned to the World Series.
Jeter believed that the ghosts of great players and great teams kept watch over the Old Yankee Stadium and funny things happened that had no normal explanation.
Paranormal forces must have been at work.(原文)

2003年、レッドソックスとのALCS第7戦にて、ヤンキースのキャプテンDerek Jeterは、Aaron Booneに対して「スタジアムにゴーストが出てくるまで待て」と言った。

その直後の打席、BooneはTim Wakefieldのナックルボールを左翼席に運び、ヤンキースはワールドシリーズ進出を決めた。
Jeterは、偉大な選手や偉大なチームの亡霊がヤンキー・スタジアムを見守り続け、通常では説明のつかないおかしなことが起こると信じていた。(筆者意訳)

Do Yankee Ghosts Haunt The New Yankee Stadium?|The Athleticより引用

これは2003年、ヤンキースとレッドソックスによるALCS 第7戦において語り継がれている一幕。ヤンキースが松井秀喜らの活躍もあって8回裏に3点を奪ってゲームを振りだしした後、11回裏に現在監督でもあるBooneがサヨナラ優勝決定ホームランを放ったわけです。

旧ヤンキースタジアム時代には信じられないような出来事がプレーオフで起こっており、かつてヤンキースでプレーした英傑達がチームを見守ってくれていると信じている人は多く、キャプテンであるJudgeもそのうちの1人。

RuthやGehrig、DiMaggioにMantleといった英霊の加護によって「It's Destiny」なモーメントが絶えず引き起こされると心から信じています。

(Judgeって2021年カナダ渡航の一件を踏まえると、ちょっとスピってんのかな?と思ったりするのは内緒)

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