【HOF】2024年殿堂入りが発表!3名が選出(&答え合わせ)
日本時間の午前8時30分、BBWAA(全米野球記者協会)選出による2024年のアメリカ野球殿堂が発表。今年有資格1年目となったAdrián Beltré(エイドリアン・ベルトレ)とJoe Mauer(ジョー・マウアー)、6年目の挑戦となったTodd Helton(トッド・ヘルトン)の計3名がクーパーズタウン行きの切符を手にしました。
過去に殿堂入りを果たした英傑のチェックシートを全てクリアしていたAdrián Beltréの殿堂入りは、5年前の現役引退時点から確約されていたようなものでしたし、Todd Heltonについても昨年72.2%まで票数を伸ばしていたことである程度予期はできましたよね。
やはり今回のサプライズといえば、Joe Mauerの有資格1年目での殿堂入りですよね。
Mauerはミネソタ・ツインズ一筋のフランチャイズプレイヤーとして15年間のキャリアを全うしたわけですが、生まれ故郷もミネアポリスとツインシティーを成すセントポール。この地元っ子を2001年に全体1位で指名したのが、当時財政難に陥り、オーナー・Carl Pohlad自身が球団消滅を画策していたツインズであったわけです。(下記記事も是非!)
そんな危機にあっても、Torii Hunterらの若手選手に、Mauerというラストピースがハマったことでアリーグ屈指の強豪チームへと変貌。遂には公費によって現在のターゲット・フィールド建設が実現し、今なおミネソタ州全体から愛されるチームを救う重要な役割を担ったことは言うまでもありません。
また、セントポール出身の野球選手による殿堂入り(BBWAA選出)はJack Morris、Dave Winfield、Paul Molitorに続き4人目のはず(全員初年度で殿堂入り)。なにが凄いかって、Mauer以外の3人も全員キャリア終盤でツインズ入団を決めている点です。Jack Morrisに関して言えば、本来1986年に意中のツインズと大型契約を結ぶつもりであったものの、世は「共同謀議時代」真っ盛り。FA交渉の場で地元球団からそっぽを向かれたにも関わらず、最終的には故郷に帰ってきた愛の深さ!!
Ken Griffey Jr.が2016年に殿堂入りしたことで「史上初の全体1位指名選手による殿堂入り」がようやく実現したわけですが、その後のChipper Jonesを含めてもMauerは史上3人目の快挙となったわけですね。(ベテランズ委員会による選考でHarold Bainesも2017年にHoF)
話題を戻すと、Beltréは盤石であったとはいえ、ドミニカ共和国出身選手が殿堂入りを果たした前例は僅か4名。今や中南米のスター選手無しではリーグの存続は難しい状況であることと比較すれば、Vladimir GuerreroやBeltreのプレーに憧れた子どもたちがどれほど多かったのか痛感します。
史上屈指の三塁手であるBeltréですが、三塁手としての2,759試合出場(キャリア全体の94%にあたる)はBrooks Robinsonに次ぐ歴代2位。39歳で迎えた最終シーズンであっても119試合中70試合は三塁手で先発を務めたほど。キャリア終盤の大半をDHで過ごしていたらケチの付けようもあるんでしょうが、何度も言うように問答無用のHOF。投票率については一括して後ほど触れますが、低すぎるくらいに感じました。
そしてTodd Heltonが遂に栄光を手にしました!ご存知のとおり、マイルハイによって気圧の影響を受けにくいクアーズ・フィールドでキャリアを全うしたHeltonの評価はあまりにも難しいものにしていました。加えて、これは影響していたか不明であるものの、2013年と2019年に飲酒運転が発覚したことでアルコールとの闘いにも身を投じていましたよね。
私個人の話をすると、MLBに触れ始めた当初にコロラド・ロッキーズという球団の特異性に興味を持ち、そこからLarry WalkerとHeltonがどれほど過小評価されているかに憤慨するのはあっという間でした。Walkerがこじ開けた殿堂入りという厚い壁を、Heltonが更に通り道を作ったわけです。次にここを通るNolan Arenadoにスポットが当たる際、彼ら2人の比類無き功績が再び壇上に上ることを今から楽しみにしています。
今回殿堂入りされた3選手に拍手を!Congratulation!
そして来年、ついに日本人初の殿堂入りが確実視されているイチローが登場します。今から楽しみです😎
おまけ(HOFアナライズの答え合せ)
2ヶ月前に合同note企画にて殿堂入り模擬投票を行った際、当方にて上記noteを記したのですが、そこに「投票率の展望」なるものを考察していました。今年も答え合せをやっていきましょうや。一つずつ見ていきます。
(↑答え)
Beltreに票を投じなかった記者が19名もいたせいで予想から▼2.1%という悲しい結末に。±1.0%とかいう中々に姑息な保険も下回り、もはやBBWAAの品格を疑わざるを得ないゆゆしき事態😤
(↑答え)
「高くても80%」というアナライズに100点解答の79.7%という完璧な得票率。(別に理論に裏打ちされたわけではなく、「HeltonをHoFに押し上げてやるか~」みたいな記者がそのくらいおるやろな~みたいな勘でした。)
(↑答え)
Wagnerの「70%前半」は73.8%だったので大正解。(以外と高くてビビったけどね。)
Jonesは「願望込みで65%」って言っていたので、現実61.6%なら正解でしょう。
(↑答え)
公開済みのバロットにおいて75%ギリギリを彷徨っていたSheffieldは落選したものの、63.9%という予想外の数字に。まー、ここはお布施を甘く見ていたのもあります。焦らせやがって。
A-RODとRamirezは「2年連続の30%台」という意味合いだったのでこれは正解。ただ、Sheffieldに入れた記者がA-RODに入れていないのは謎オブ謎。
(↑答え)
爆死案件。上述のMauerまとめに関して一切触れずにいましたが、まさか初年度での殿堂入りを果たすとは…。一方のUtleyは28.8%とどん詰まりに終始しており、10%の幅を外した時点で正解とは言えんね。
NYY戦士Hollidayに関しては10%どころか1%(4票)で初年度から失格。散々な予想でしたね。
(↑答え)
意地でも外したくなかったのか、やたら予想に幅を持たせてる醜さを披露したものの、結果はなんと僅か1.3%で初年度失格。皮肉にもColonの殿堂入りを断固反対していた男が一番Colonを過大評価していたということです。
前回46%であった男に対し、「55-60%」に収まるのではと予想し、結果はほぼ中央の「57.1%」という大正解におわりました。
検証:正答率.500(12-6)
※Ty Cobbの通算打率より高い
※2023年ヤンキースの勝率より低い
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