フランス王国アンシァン・レジーム期についての小察。―《山川, フランス史2, 第一章, 服部春彦氏》を読む。その一…。―
この記事では、わたしのもっている、《山川出版社, 世界歴史体系 フランス史2, 1996 / 7 / 25 第1刷, 柴田三千雄・樺山紘一・福井憲彦 編, 第一章 アンシァン・レジームの経済と社会, 服部春彦氏》 を読みながら、いわゆるフランスにおける、旧体制(ancient regime , ancien régime )について、考えてみたいとおもいます。すでにこの書籍を精読なされているかたには、あまり意味がない記事ではあります…。Ancien régime - Wikipedia という、重厚な英語ページがあります。日本語版では、訳すというより、絶対王政 - Wikipedia などのほうが、詳しいかとおもわれ、ます…。
服部春彦氏については、服部春彦 - Wikipedia にのっております。おもにアンシァンレジームとナポレオン期までの研究をされた方のようです。京都大名誉教授でいらっしゃいますね。「フランス産業革命論」というもので、京都大の博士号までとおってらっしゃいます。KAKEN — 研究者をさがす | 服部 春彦 (20022345) でも、あっさりと紹介がされている方ではあります。
この記事の要約・引用元となる、服部氏の記述は、おもにフランス革命以前までの、フランス社会動態に重点が向けられ、65 p ほどの文量のなかで、比較的時系列進行的にわかりやすい記述となっていますね。経済面についても要点をおさえられたものとなっています。
以下、みていきましょう…。
フランスにおけるアンシァン・レジーム期
についての考察…。(その一)
アンシァン・レジーム期とは、フランス史における 16 世紀から 18 世紀までの3世紀間をさします。のちの革命期において、革命勢力が攻撃目標とした君主専制的な統治形態や、貴族制にたいする呼び名で、19 世紀半ば、トクヴィルの著作において、はじめて学問的な考察の対象とされたようです。この記事では、17 世紀における農業・手工業的な危機の時代までのアンシァン・レジーム期について考察しようかと思います。アンシァン・レジーム期の前半、大体 1640 年代までのフランスにおける社会の流れのありようと、農業・手工業の実在把握をもとに、絶対王政期のフランスの社会の考察が出来ればと、考えています…。(引用:世界歴史体系フランス史2 山川出版社 1996, 第一章 アンシァン・レジームの経済と社会…服部晴彦氏)
この時代は、絶対王政の時代とされていますが、フランスは 17 , 18 世紀に農・工業生産や海外貿易を発展させ、植民地建設を進めることによって、形成期の資本主義的世界体制の内部にあってイギリス・オランダ両国とともに中核国家の地位を占め続けたとされます。絶対王政は単純に封建国家と規定したりはできないようです。
この時期のフランスの社会構造をしめすうえで重要な概念に、「社団」があります。
社団とは、人びとの自然発生的な結合関係からうまれた社会集団や共同の利益のために組織された団体にたいして、国王がさまざまな特権を与えて法人格を保証したものであり、本来は都市の商人や手工業者のギルド、貿易会社、金融会社、さまざまなレベルの官僚団体、弁護士・医師・薬剤師の組合、大学、アカデミーなどの職能的団体を意味しましたが、現在では村落共同体、教区、都市、領主所領、さらには固有の慣習、伝統、特権をもつ州(プロヴァンス)のような地域的団体をも社団とみなすようになっているようです…。アンシァン・レジーム期においては、王権は国民ひとりひとりを直接的に把握していたのではなく、みずからと国民とのあいだに介在する中間団体としての社団を媒介とすることによってはじめて、その統治を実現することができたようです…。
息抜きにイメージをみましょう…。
こちらは フィリップ・ド・シャンパーニュ - Wikipedia という、フランスバロック期の画家の作品。
こちらは、ピエール・ミニャール - Wikipedia という作者の作品。
まあ、国王政務をささえる枢機卿は、重要職ですな…。
はなしをもどしましょう。アンシァン・レジーム下においてフランス国家の財政支出は、官僚機構の肥大化や宮廷生活における奢侈の増大、そしてとりわけたびかさなる対外戦争のために膨張をつづけました。
このあたりから、服部氏の叙述がつづくので、有料エリアとさせていただきます…。
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