あのたび -The end of the world-
まるでこの世の終わりの光景。と表現されるのはインドネシアジャワ島東部にあるブロモ山。ほんの4日前にムラピ山に登ってまだ筋肉痛が残っているというのに、そんな言葉を聞くとまた登ってみたくなった。
ソロの町から6番ミニバスでターミナルへ1500Rp。そこから30000Rp(≒420円)でスラバヤ経由してプロポリンゴへバスで8時間。とにかくインドネシアは広くて移動が長い。そこからブロモ山の山麓の町チェモロラワンへ10000Rpで1時間。標高は2000メートルとそこそこ高い。
CEMARA INDAHという拠点となる宿は1泊25000Rp。赤道直下であるのにかなり寒い。夕食+ミルクティで11000Rpは高いが高地で交通が発達していないことを考えると妥当な値段であろう。宿はこのほか数軒しかなく、ここが一番安い。ブロモ山に登るにはどこかに泊まらなければならない。
さらにライト代15000Rpとは何だ? それはあとでわかるのだが深夜に山頂まで登るので真っ暗で足元すら見えないのだ。そのための懐中電灯レンタル代というわけだ。ついでにジャケットも借りないかと言われたが断る。しかし確かに寒い。
朝3時に起こされる。みなジープに乗っていくというがまた高い料金を払わされるのが悔しくて歩く。外国人はジープだが地元のインドネシア人は歩いている。歩いていける距離なのだろう。大学生6人組が居たので一緒に連れて行ってもらう。2時間歩いて朝5時10分にブロモ山頂に到着。日の出が徐々に昇るのを眺める。
次第に明るくなってくると地形が鮮明になってくる。まさにこの世のものとは思えない光景であった。例えると月のクレーターを眺めているよう。行ったこと無いけどね。映画の世界だ。ため息が出る。生物は一切存在せずただ砂地と大きな盆地のクレーターが広がっている。核戦争が起きたあとの世界はこんな風景なのだろうという未来の地球を見ているみたいだ。明るい昼よりも暗い時間に見るのが壮観だ。アクティブに湧いている硫黄が目に痛い。
明るくなると宿は割と近いことがわかる。ジープ組はもう少し高い山の頂まで行っているようだ。そちらで日の出を見るのだろう。
宿に戻り近くのCAFE LAVAでナシチャンプル+ジンジャーティ14500Rp。高いのは仕方ないがTAX+1450Rpとは何だ!
もう一泊し翌朝に山の周りを散歩してブロモ山を拝みチェックアウト。朝食で食べたバクソは寒さで震えた体に染みた。バクソはマレーシアでも有名らしい料理。牛肉のすり身をつくねにしたようなものが入ったスープ麺。
スマトラ島、ジャワ島を東進しようやく次はバリ島だ。インドネシアで最も有名な観光地。日本から飛行機を使わずバスと電車と船だけ乗り継いて来たのがボクの誇りだ。
(つづく)
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