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#今日読んだマンガ2024

毎年恒例、5年目の企画です。昨年はこちら↓

 2024年も1日3冊、1年間で1000冊マンガを読もうという目標を掲げていました。がゲームに時間を費やして300冊で断念。昨年より大幅に少ないのですが個人的に紹介することにします。

 ツイッター上で、 #今日読んだマンガ というハッシュタグをつけ☆5段階評価で記録しました。ほぼ全てamazonのKindleFireで読んでいます。アプリはBOOK☆WALKER(ブックウォーカー)を利用。だいたい週替わりで常時1000冊以上の無料マンガが揃っています。

※過去の自分のツイートを検索・解析するにはtwilogが適しています。ツイッターがXに替わってもサービスを続けてくれていることに感謝。


ボクの好みは、

■既存の価値観をぶちこわし、見たこともないような世界観を作っている作品(初期の無限の住人・ファイアパンチ)
■藤子F不二雄・星野之宣などわかりやすい正統派SF(ナチュン・ぼくらの・ライドバック・ソマリと森の神様)
■スリリングな心理戦(カイジ・ジョジョ・デスノート・嘘喰い)
■青春時代のモラトリアムと葛藤(アオイホノオ・編集王)
うんちくまじりのスポーツ漫画(ラストイニング・オールラウンダー廻・おおきく振りかぶって)
■アフタヌーン・モーニング系
□ギャグ・エロは全般的に評価が低いです(好みではない)

※参考までに2023年のベストは以下でした

■グッド・ナイト・ワールド
■チ。-地球の運動について-
■アカネノネ

☆5段階評価の基準は以下のとおり

☆5:他の人にはオススメできないが個人的に刺さった傑作
☆4:万人にオススメできる良作
☆3:可もなく不可もなし
☆2:読むだけ時間の無駄
☆1:生理的嫌悪感で最後まで読めない

2024年☆5のマンガ

(今年発売というわけではなく過去のものも多く含まれます)

■日本三國(1)
■響〜小説家になる方法〜(3)
■デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション(1-4)
■米蔵夫婦のレシピ帳(1)
■かけあうつきひ(1-2)
■アサギロ(3-4)
■これ描いて死ね(2)
■藤子F不二雄SF短編コンプリートワークス(7-8)
■パイナップルARMY(1)
■望郷太郎(3)
■かくかくしかじか(1)

※寸評

 2024年は、『推しの子』『呪術廻戦』『僕のヒーローアカデミア』と立て続けに集英社の看板長期マンガが連載終了しました。次の覇権マンガは何になるのかと出版各社の模索が続いているようです。
 アニメでは『ダンジョン飯』と映画になった『ルックバック』がベスト2でした。

 若いころに読んだ『藤子F不二雄SF短編』と浦沢直樹『パイナップルARMY』が懐かしくも電子書籍化され、良いマンガは何十年たっても色褪せないと実感しました。
 SF好きなら、映画化もされた『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』と『望郷太郎』『日本三國』はどれも腰をすえてじっくり読みたい。
 新選組をその成り立ちから丁寧に描く『アサギロ』、妻を失う悲しみに共感できる『米蔵夫婦のレシピ帳』、ものづくりに関わるクリエイターものとして『響〜小説家になる方法〜』『これ描いて死ね』『かくかくしかじか』もよかったがそれを大きく超えて、2人の貧乏暮らしの女の子が漫才でやりとりする関係が心に響く『かけあうつきひ』が今年のベスト。

かけあうつきひより (c)福井セイ

漫才で一番になりたいわけではない。みんなに笑ってもらいたいわけでもない。ただ隣に相方がいればそれで幸せ。そんな女の子二人の関係を丁寧に描く。ギスギスした現代社会で、親友とは?幸せとは?を、静かに投げかけてくる傑作。


響〜小説家になる方法〜より (c)柳本光晴

性格と価値観が破綻した高校生・響が送った原稿が芥川賞候補に。それを妬んだ輩が次々に目の前に現れて攻撃をしかけてくるが暴力で逆に制裁を加える。その危なっかしい言動に読者は冷や冷やするが、スカッともする。現実世界で言えない言葉をズバズバ言ってくれるので。


これ描いて死ねより (c)とよ田みのる

マンガ大賞2023作品。
上のコマ割りが衝撃的だった。4人のクラスメートがそれぞれ別々の場所で行動している様子をコマを横に割って、4人分を同時進行させて見せている大胆な構図。
これは手塚治虫『火の鳥 宇宙編』を思い出させてくれる。


かくかくしかじかより (c)東村アキコ

漫画家の自伝的マンガは裏側を知ることができてどれも面白い。これは著者が1巻は宮崎で絵画教室に通いながら美大を目指すところまで。まだマンガは描いていない。絵画教室の先生が、暴力暴言常套の破天荒な性格で謎多き天才画家。最初は苦手だったが徐々に打ち解けていく関係性もよき。
上のコマは受験をともした仲間が、一時で落ちて去る場面。会話はなく察する心情にしみじみとする。

以前に書いた漫画家マンガの記事はこちら↓



藤子F不二雄SF短編「緑の守り神」より (c)藤子F不二雄

飛行機が墜落。目覚めると周りは植物だらけ。記憶を頼りに自宅に帰ろうとするが都会もジャングルと化していた。という上のページが印象的。これが1976年に描かれたものだとは!
ちなみに今年は藤子F不二雄生誕90周年。でいろいろイベントやっています。


藤子F不二雄SF短編「老年期の終わり」より (c)藤子F不二雄

人類という種全体が老年期に至る。そんな未来があるのだろうか。
今日本という国は先進国という冠を失いゆるやかに衰退に向かっているのだと思う。人口の4分の1はすでに65歳以上。国としての老年期なのかもしれない。周りのベトナムやインドなどの若く元気な国を見ると、どこで道を誤ったのかと考える。
そんな中でもわずかに希望があるという短編のラストが抒情的。


パイナップルARMYより (c)浦沢直樹

2年位前より、浦沢直樹のマンガがようやく電子書籍化され始めた。そのラストを飾るのが初期の傑作『パイナップルARMY』だ。
戦闘インストラクター・豪士が世界各地で活躍する。『マスターキートン』にも設定が近い。面白いのは、本人が基本戦わず一般人にレクチャーするだけ。その戦闘素人の一般人が軍人相手にどう対処するのかが見所。

上のページは、ビル1個まるごと買い取って、戦闘部隊が突入してきたところで一気に爆破。壁の一部だけ残して自分たちだけ生き残るという作戦。基本こんな短編が続くのだが、1巻の最初と最終巻の最後は見事に伏線回収してくれる。ミリタリーものが好きな人にはたまらない。


デッドデッドデーモンズデデデデデストラクションより (c)浅野いにお

2024年、前後編で映画化。すでに動画サービスでも配信されている。
とにかく背景の描き込みが半端ない。背景が主役かと間違うほど。これを週刊で描いていたのか、と。実際は写真を撮りこんでそれをマンガに違和感なく融合させているのだがその苦労は計り知れない。

物語は宇宙船が東京に飛来し上空を漂っているのだが侵略してこない。やがて宇宙人らしきものたちが現れるが弱すぎて人類に狩られる。その中でクラスメートの親友一人が巻き込まれ死ぬ。重い話の中でも軽快なセリフの応酬で明るく生きていく主人公たち。
他にもマンガ内マンガのいそべやんがブラックジョークのどらえもんだったり、各話の扉絵が毎回毎回めちゃ凝っていたり、いろんな部分がサブカル好きには刺さる必修科目だ。


望郷太郎より (c)山田芳裕

太郎が目覚めるとそこは2525年の地球。大幅に寒冷化し食物は育たず人類は激減し文明は退化していた。商社で働いていた当時の知識だけを頼りにサバイバル生活をしながら中東辺りから日本を目指すというハードSF的内容。
こんなに人口が減少してもそれでも少ない資源を奪い合うために人は殺し合うのか、という絶望。3巻は金の概念が現れ、それが争いを止める力があるということがわかる。太郎は現代で働いていた時のことを思い出す。


日本三國より (c)松木いっか

戦争により、日本は三國に分割された。それぞれの三國が他国を併合しようとする弱肉強食の世界。その国の一つに生まれた主人公は、理不尽な理由で妻を殺害される。しかし力はないのでではなくで偉くなりのし上がろうとする。
裏切り、策謀。同じ国なのに誰が味方かもわからない。心理戦も熱い


アサギロより (c)ヒラマツミノル

新選組を誕生前から丁寧に描く大作。やる気のない土方歳三が鬼となる瞬間の描写が良い。既刊30巻


米蔵夫婦のレシピ帳より (c)片山ユキヲ


米蔵夫婦のレシピ帳より (c)片山ユキヲ

死んだ妻が残してくれたレシピを頼りに、不器用ながら自分で食事を作りはじめる小説家。あの頃の味を思い出して号泣する。グルメマンガは数あれどこんなに心を締め付けられる物語はあるだろうか。
決してうまそうではないが、かきこまれたその料理の出来上がりが武骨でまたいい。『かけあうつきひ』と並ぶ今年のベスト作品。


ヒトナーより (c)屋宜知宏

番外編として短編を紹介。
人類が外宇宙に向けコールドスリープで惑星探索というよくある設定を、逆転の発想でここまでアレンジするとは!藤子F不二雄の『ミノタウロスの皿』をベースとした正統派SF物語。作者の今後に期待大。


2024年☆4のマンガ(太字は限りなく☆5に近い)

災悪のアヴァロン(1-2)
■雑貨店とある(1)
■株式会社マジルミエ(1)
■しょせん他人事ですから(1-2)
■新ナニワ金融道外伝(1)
■ガス灯野良犬探偵団(1-5)
■異世界転星(1)
■頭がxxxでいっぱいです!!(1)
■ある日、ぶりっ子悪役令嬢になりまして。
■廻天のアルバス(1)
■セーブ&ロードのできる宿屋さん(1-2)
■アパレルドッグ(1)
■究極のコミュ障オタク女子の私がソシャゲの世界にきたけど、推しが尊すぎてつらい(1)
■讐演のアルアビュール(1)
■異世界ひろゆき(1)
■マージナル・オペレーション(3)
■エルフ湯つからば(1)
■異世界町工場無双(1)
■カモのネギには毒がある(1)
■あくたの死に際(1)
■藤子F不二雄SF短編コンプリートワークス(2-6)
■日本三國(2)
■ヨシダ檸檬ドロップス(1)
■優等生と秘密のお仕事(1-2)
■呪文よ世界を覆せ(1)
■ギルドに追放された雑用係の下剋上(1)
■NARUTO(5-10)
■朱のチーリン(1)
■龍と苺(3)
■教え子がAV女優、監督はボク。(1-2)
■スーパースターを唄って。(1)
■オールラウンダー廻(14-19)
■ナツカツ(1)
■バトルグラウンドワーカーズ(3)
■無限コンティニューで目指す最強勇者(1)
■殺し屋Sのゆらぎ(1)
■俺は全てを【バリィ】する(1)
■尾守つみきと奇日常。(1)
■国境のエミーリャ(1)
■ぼくらの(1-3)
■無田のある生活(1)
■レ・セルバン(1)
■VANILLA FICTION(1)
■カナカナ(1)
■タタリ(1)
■漆黒のジギィ(1)
■AZUMI(1)
■君と悪いことがしたい(1)
■たーたん(1)
■チラチラ(1)
■猫暮らしのゲーマーさん(1)
■RENAISSANCE OVERKILL(1)
■警視庁犯罪被害者支援室の女(1)
■呪剣の姫のオーバーキル(1)
■響〜小説家になる方法〜(4-5)
■異世界ありがとう(1)
■魔王の右腕になったので原作改悪します(1)
■主人恋日記(1)
■幻狼潜戦(1)
■血の轍(1-3)
■銀の匙(1)

2024年も豊作でした
2025年は1000冊読みたい


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