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あのたび -乗り継ぎと安いビール-

 朝7時に宿代を払い、持っていたガイドブック(ロンリープラネット・インドネシア版)をロビーの本棚に置いて出発。この本はバンコクの古本屋で買った1000ページ超の分厚い辞書のような本だ。凄く役に立ったのだがさすがに荷物として重すぎる。誰かの読み物として暇つぶしになるもよし、これからインドネシアに向かおうとする人が持っていってもよし。誰かのためになったらいいな。

 アジアの安宿にはこういった誰かが置いていった本なんかが雑多に置いてあったりする。日本語の文庫なんかは旅の隙間を埋めるのにちょうどよい。自分の読み終わった本を置いて違う本を持っていく。当時はそんな文化があった。

 ボラカイ島(Boracay)から北のタブラス島(Tablas)へ行こうとしたが、直行便は無かったのでいちど南のカティクラン(CATICLAN)へボートで戻る。18₱。

 タブラス島ルーク(Looc)への船が10時発3時間130₱。肉じゃが+ごはん30₱。オディオンガン(Odiongan)へジプニーで1時間20₱。ここで一泊しようと思ったが、ちょうどよい船が出るというのでミンドロ島(Mindoro)ロクサス(Roxas)へ3時間120₱。

 ミニバン2時間半120₱でカラパン(Calapan)へ。乗り継ぎばかりで疲れた。夜たのんだ肉は骨ばかり多くハズレ25₱。宿は200₱のEast Logdeに。蚊が多くシャワーでない。21時で門が締め切られ外出できない。困って寝る。

 朝10時チェックアウトして10₱バーガー+パン2個2₱。プエルトガレラ(Puerto Galera)へジプニー3時間45₱。ソフトクリーム5₱。さらに港のサバン(SABANG)へジプニー立ち乗りで10₱。昼豚角煮+米35₱。

 サバンは日本の湘南のような港町。ロンプラで一番安いと書かれていたTina’s Lodgeも350₱。観光地価格なのかもしれない。ロビーでCATVが流れている。日本の番組で京都の風景が写っていた。日本を出ておよそ10ヶ月。やはり京都はいいよなとしんみりする。ずっと日記をつけていた黒ボールペンが壊れてしまった。夜ビーフカレー+米で42₱というのもちと高い。

 翌朝パン5個11₱。9時発のフェリーでバタンガス(Batangas)へ100₱。ようやくフィリピンの経済中心地ルソン島だ。エアコンバス95₱でマニラのパセイ(Pasay)地区へ。これがまた強烈な冷房が効きすぎていて窓は開けられない形式。お腹を壊して下痢をになる。どうしてアジアのエアコンバスはどこの国も冷えすぎなのか。

 バス降りてマニラ中心地に着く。でかすぎて右も左もわからない状態。お昼は茶色っぽい野菜と米。50₱で味も見た目もイマイチ。マニラ中心部はLRTMRTという電車が縦横に走っている。一律12₱で乗りやすく快適ではある。

 ロンプラに載っていた一番安いという個人経営でアットホームな宿、June’s Placeに泊まる。蚊の多い狭い部屋に2段ベッドが3個置いてあるドミトリーで180₱(≒400円)。オーナーの子どもで5歳位のジェイソンとミニカーやバスケで遊んだりもした。

 久しぶりにスーパーでビールを買う1缶15.5₱(≒34円)。つまみに豆菓子5₱。スーパーで蚊取り線香10.75₱、壊れたボールペンの代わりに青ボールペン2本12₱。

 都会というものは危険な空気が漂う。バンコクもジャカルタも夜歩くのにそれほどの恐さは感じなかったけれど、プノンペン以上にマニラの夜は寒気がした。横から賊が突然現れてホールドアップされてもおかしくないような薄暗い道路と雰囲気。多少お金があるような華やかな格好などしていたら強盗や誘拐のターゲットにされてしまいそうな、そんな不穏な感じがした。

 マニラでは美味しいものが見つけられない。夜、かぼちゃ煮+米45₱。なんか危険な空気なのでサンミゲルというフィリピン産瓶ビールを買ってすぐ帰る。17.5₱。豆をつまみに飲む。この国で酒は安い。好きな人には天国だろう。あと美味いものが見つかれば。

フィリピンルート

(つづく)


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