東京計画1960_東京人

『東京150年』江戸東京博物館企画展レビュー

今から150年前の1868年、明治天皇が江戸を東京府とする詔勅を発せられ、東京が日本の事実上の首都となりました。
この節目に、東京都内では様々な催し物が開かれています。江戸東京博物館のこの企画展もその一つで、これまでの東京都市計画史を振り返ることができる良い機会となっています。

感想

都市計画好きな私としては大興奮だったわけですが、あまりその気持ちを語っても引かれるだけなのでやめておきます。
会場の雰囲気は落ち着いていて、昔を懐かしむように目を細めるおじいさんや、大学生くらいの若い女性、小学校の総合的な学習の時間?で見学に来る子たちまで様々。意外と若い女性が多かった感じでした。
私はどちらかというと、過去に掲載したnoteで間違ったことを言っていないか、重要なことを書き漏らしていないかというテストの自己採点的なハラハラ感もありつつの見学でした。

自己採点結果

とりあえず、芳川顕正、後藤新平、石川栄耀の三人を紹介しつつ、壮大な大風呂敷を広げては畳んでの繰り返しとなってしまったところをざっくりと紹介できたのは良かったかなと。あとは明治維新、関東大震災、第二次大戦と重要なイベントを漏らさず紹介できたこと。自己評価が高くて申し訳ありません。

見どころ

戦後の東京を占領軍がカラーで撮影していたビデオフィルムは感動しました。空の青や煤けた瓦礫の黒、鉄くずの錆色、その中で駐留している軍人相手に日本土産を売るたくましい市井の人々の肌色。戦争を経験していない私にはモノクロ写真の陰鬱な風景が頭から離れませんでしたが、皆したたかに必死に生きていたんだなと涙ぐんでしまいました。
また、関東大震災で各県、各国から義援金を受けた内訳をグラフにした資料もあり、国と国の支えあいの必要性などにも思いを馳せることができました。

博物館入り口に置かれた震災復興橋梁「言問橋」の旧欄干。伏線。

観に行けない方へ

戦後復興のために奔走した石川栄耀の東京都市計画への想いを映画にしたフィルムがありました。東京都都市計画課が製作した『二十年後の東京』という30分程度の映画です。アニメーションを挿入した意欲的な作品となっています。
石川が提唱した「盛り場」論や広場の必要性、用途混在を排除する純粋な用途地域計画、公園計画、電柱埋設。広く都民に向けて訴えかけようとした彼の気持ちがちりばめられています。最後に土地区画整理の困難の愚痴と土地所有者への恨み言も入っているのが切実かつちょっとおかしさも誘います。
探したらYouTubeにあったのでリンクを貼っておきます。

その他のイベント

こちらでその他のイベントも紹介しています。

気になっているのは、
江戸東京たてもの園の『東京―都市とたてもの、ひと展』と、
都立中央図書館の公開講座『東京における景観の変遷』のふたつ。

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