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都市計画とかのことをつらつら書いていけたらと思っています。

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  • 都市計画

    都市計画にまつわることを発信していきます。

最近の記事

思い出す都市計画(下)

田園都市の作り方都市の構想を考えることは楽しいものです。どこに道路を敷こうか、住民の需要にいかに応えようか、住みやすい街とはどんな形だろうか。シムシティのような都市シミュレーションゲームをやったことがある人なら、その箱庭を愛でることの幸福感や、自分の手が加わったことで自律的に動き出す都市の群体のようなものに対する愛着形成に気付いたことがあるかもしれません。 そういうゲームにおいて、プレイヤーはスタート時にいくらかの資産や力を持っているものです。そして、草原に一本道を引き、電気

    • 思い出す都市計画(中)

      3つの磁石さて、前回の終わりに呈示したダイアグラムに関する解説です。 まずは最も有名な「3つの磁石」について。 ハワードが生きていた当時のイギリスは、前回もお話した通り、それはそれはひどい生活環境がそこかしこに見られました。 都市であれば、工場が密集し、労働力をあてがうための最低限度未満の住宅があり、疫病と隣り合わせの暮らし。 かたや農村であれば、労働人口が漏れ出し、鄙びたとも形容しがたい過疎の光景。 彼は、都市に漏れ出してしまった人々をどうやって「土地」に回帰させるかを考

      • 思い出す都市計画(上)

        レッチワース計画都市と言われて真っ先に想起される都市の一つに、レッチワース(Letchworth)があります。世界最初の「田園都市」であり、創建から100余年を経過した今でも、世界中の都市が割拠する中で独自の存在感を放つ場所となっています。 1903年に建設が始まったレッチワース。そう、もともとある街ではない、自然発生的に、段階的に、宗教的に、歴史的に生まれた街ではない、ニュータウンの嚆矢でした。 パーカーとアンウィンが著したレッチワースの都市計画図 1940年頃のレッチ

        • 旅する都市計画

          行ったことないのにはじめに断っておきます。私はフライブルクに行ったことがありません。申し訳ございません。バーチャルです。 堅苦しい制度の説明ばかり続いていたのでもういい加減疲れてきました。好きなものであることは確かなのですが、そればかりというのもつまらないものです。読むほうはキットモットつまらないことでしょう。 なので、旅行した気持ちになって、都市計画という観点からブログ旅をしてみるのならちょっとは楽しいかな、と思いました。 最初は「恋する統計学」とかパクッて「恋する都市計

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        • 都市計画
          11本

        記事

          都市計画制度の概要(5)

          はじめに前回までは都市計画法における各種計画・事業の内容を見てきました。今回はその計画を策定する主体のお話です。初回のスライドで示したところで言うと、組織・住民参加の部分になります。眠い話も多分今回が最後です。何を書いても眠い可能性もありますが。 計画高権日本の都市計画の歴史(と言いつつ殆ど東京の都市計画史になってしまった)でも見てきたとおり、都市計画というものは元来国家の権限によって定めるものという意識が根強くありました。 しかし、地域における多様性の萌芽やかつて経験した

          都市計画制度の概要(5)

          『東京150年』江戸東京博物館企画展レビュー

          今から150年前の1868年、明治天皇が江戸を東京府とする詔勅を発せられ、東京が日本の事実上の首都となりました。 この節目に、東京都内では様々な催し物が開かれています。江戸東京博物館のこの企画展もその一つで、これまでの東京都市計画史を振り返ることができる良い機会となっています。 感想都市計画好きな私としては大興奮だったわけですが、あまりその気持ちを語っても引かれるだけなのでやめておきます。 会場の雰囲気は落ち着いていて、昔を懐かしむように目を細めるおじいさんや、大学生くらい

          『東京150年』江戸東京博物館企画展レビュー

          都市計画制度の概要(4)

          前回のおさらい前回までは都市空間の規律として都市をどうデザインするかという、全体のプランニングについてみてきました。今回は開発許可という、個別の行為に関する制度の説明です。 都市空間を住みやすく、まとまりのあるものにするためには、都市全体としての在り方を決め、道路や病院等公共施設の立地を考え、地域別に建築できる建物の用途を決め……、と、色々な計画を立てて実行していくわけです。そして、その計画に実効性を付与するため、個々の土地に対する形質の変更についてチェックする制度が、この開

          都市計画制度の概要(4)

          都市計画制度の概要(3)

          前回のおさらい前回は用途地域を中心とした地域地区制度について見てきました。 今回は地区計画について見てみたいと思います。だんだん、計画の範囲が狭く、規制の内容が詳細になってきましたね。当初の予定からだいぶズレていますが、まぁ、毎度のことです。 地区計画制度導入の経緯地区計画が導入されたのは1980年の法改正のことです。それまで広域的な規制は用途地域を中心とした地域地区制度が担っていたのですが、メニューが不十分で良好な環境を誘導する役割を果たせていませんでした。そこで新たに街

          都市計画制度の概要(3)

          都市計画制度の概要(2)

          前回のおさらい前回までは、都市計画制度における基本のトリセツとなる二つのマスタープランとその策定者、都道府県が策定する都市計画区域とその線引きからなる「区域区分制度」について見てきました。 今回は、都市計画区域内に指定される用途地域を用いた「地域地区制度(ゾーニング)」と、詳細な土地利用規制である「地区計画」について見ていきたいと思います。 わかりにくい!区域区分制度とか地域地区制度とか、似たような言葉がごちゃ混ぜで、多くの方が挫折しそうになっているかもしれません。 こうな

          都市計画制度の概要(2)

          都市計画制度の概要(1)

          はじめに前回まで、戦前戦後の東京の都市計画にスポットをあててざっくりと都市計画とは何ぞや、ということを見てきました。 今回は、1968年の都市計画法制定から続く、現在の日本の都市計画制度をざっくりと見てみたいと思います。具体的な街の名前もなく、制度のお話なので退屈かと思います。ので、実例を交えながら。長い熟語がたくさん出てきますし、長くて退屈なので、流し読みしたほうが理解が早いかと思います。 都市計画法の構成法律というのは、まずはじめに法の趣旨や目的を宣言し、次に専門的な言

          都市計画制度の概要(1)

          日本の都市計画の歴史(2)

          戦災復興第二次世界大戦により日本中が焦土と化しました。 戦後日本の復興は各都市で実現されていくのですが、中でも研究が活発な東京の復興についてみていきたいと思います。 東京においては85万の家屋が全焼し、区部はその3割近い、1万5千haを焼失し、灰塵の中からの復興を余儀なくされました。 しかし、終戦直後の1945年8月27日、東京都都市計画課は早くも「帝都再建方策」を発表し、復興への一歩を踏み出しました。この計画の中心人物が石川栄耀その人です。彼への言及無くして戦後東京の都市計

          日本の都市計画の歴史(2)

          日本の都市計画の歴史(1)

          はじめに都市計画、というとどのようなイメージを持たれるでしょうか。 まちづくり、再開発、道路や鉄道の敷設、家を建てる時の建築制限……。 普段住まうまちは、歴史や決め事、文化、配慮、主張など、色々なものが複雑に絡み合い、出来上がっています。 人はひとりで生活しているわけではなくて、何らかの社会やコミュニティと繋がりながら暮らしています。その中では諍いは避けられないものです。諍いが起きないようにするため、諍いが起きたときに対処するために、人はルールを作ります。 人が住まうま

          日本の都市計画の歴史(1)