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空と俺たち
ミキオは空を眺めていた。
「ミキオ、どうしたんだよ?空ばかり見て」
タクローが声をかける。
「いや、飛行機っていいなって思って」
ミキオは空を見つめながら言った。
「え、なんでだよ」
カズが聞く。
「飛行機ってさ、『一番安全な乗り物』って言われてるんだよ」
「へぇ、そうなんだ」
「確かに車は交通事故があるし、船はいつ波が高くなって海が荒れるか分からないだろ?その点、飛行機はそういったことはほぼないし、誰かに襲われる心配もないし、安全が約束されているんだよ。だから、飛行機っていいなって」
ミキオは空を見上げながら言った。
「ま、まぁ確かにな」
タクローも同調する。
「…そうとも限らないんじゃないかな」
カズが口を開く。
「え、なんでだよ」
ミキオが尋ねる。
「だって、飛行機だってハイジャックとかあるじゃん」
「まぁ、そりゃそうだけど…」
「ほらな。安全な乗り物なんてないんだよ。乗り物には必ず危険が伴うんだよ」
ミキオがうつむく。
「そ、そうだな…」
「だから、俺たちに安全なところなんてないんだ」
「ま、まぁな…」
ミキオはすっかり黙ってしまった。
ーーすっかり口車に乗せられてるな。
タクローはそう思った。
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