いつもの俺たち
「やった!90点!」
タクローが飛び上がって喜んだ。
「タクローはスゴいな。俺は82点だ」
カズはタクローに答案用紙を見せた。
「ねぇ、ミキオは何点?」
タクローがミキオに聞く。
「…点」
ミキオはボソッと呟いた。
「え?何点?」
タクローが聞き返す。
「38点だよ!」
ミキオが半ギレで点数を発表した。
「え?カズに勉強教えてもらったんじゃないの?」
タクローが目を丸くする。
「…解答欄が…ズレてたんだよ…」
ミキオの声がまた小さくなる。
「なんだよー。それじゃ意味ないじゃん」
「うるせぇ!運動0点男が!」
「誰が0点なんだよ!もうちょっとあるよ!」
ミキオとタクローの言い争いを横目で見ながら、カズはミキオの答案用紙の名前を見る。
そこには「台東幹生」と書かれていた。
なるほど、これじゃ勉強なんてできない訳だ。
カズは次の授業の準備を始めた。
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