ジャズ雑記 〜私的ジャズヴォーカル名盤5選〈おまけ〉〜
前回↓で5枚紹介し終えたが、他にも割とよく聴くアルバムを紹介しようと思う。
ジャズを聴き始めた頃、ジャズリスナーの方のブログなどを嬉々として読んでいたので、これも誰かの参考になればと。
まずはビリー・ホリデイ、ヴァーヴレーベルの録音のベスト盤。
この晩年と言える時期は悲痛なほどの録音も多いが、ここでは調子の良いテイクが選ばれている。
凄みさえ、感じる。
お次はエラを2枚ほど。
「ソングス・イン・ア・メロウ・ムード」
最近はあまり聴いていなかったが、やはりそこそこ良い。
特段名唱というほどでもないし、毒にも薬にもならない、いかにも歌伴ですって感じのピアノだが、丁寧に歌っているし、日常にさらっと聴くには重宝する。
時代が進み、1973年録音の「テイク・ラヴ・イージー」
ギターの名手、ジョー・パスと、そろそろ円熟の域に入ったエラ。
それだけで成功は保証されているようなもの。
多少イヤらしさは感じるが、濃密な会話を愉しめる。
続いて、サラのライブ盤を2つほど。
「アット・ミスター・ケリーズ」
割と名盤として有名なアルバム。
たしかに、良い。
また、当時のジャズクラブの雰囲気まで存分に愉しめるアルバムでもある。
マイクが倒れるハプニングと、それをネタにして続行するサラに大ウケする客など、ライブ盤ならではの光景が。
LPレコードに収まらなかった完全版もあるが、オリジナルフォーマットの方が作品として優れている。
もう1枚は「アフター・アワーズ・アット・ザ・ロンドン・ハウス」
アフターアワーズというのは、ミュージシャン達が自分たちの演奏仕事を終えた後に集まって、ジャムセッション的に演奏するもの。
このアルバムも、スタートしたのは午前2時半を過ぎていたようだ。
近くで演奏があったのだろうか、カウント・ベイシー楽団のメンバーが何名か飛び入りしている。
アフターアワーズのジャムセッションだけあり、ややぬるいがリラックスしたライブ盤としてなかなか愉しめる。
最後にカーメン・マクレエを1枚。
「アフター・グロウ」
カーメンは正直あんまり好きじゃないが、たまに聴くと、ああ良いなとなるアルバム。
でもやっぱりカーメンは、聴いてると途中で飽きたりする。
何だか、わかりやすい味の、味濃いめの飲食店のような感じ。紹介しておいて何だが。
数曲カーメンがピアノ弾き語りもしている。器用だね。
当たり前だけど、レイ・ブライアントのピアノの方が断然音が良くてびっくりするが。
さて、おまけとして何枚か紹介したが、ジャズヴォーカルのアルバムはまだまだ、無数にある。
私は往年のジャズはブラック・ミュージックとしてのジャズが好きなので紹介しなかったが、白人ヴォーカルにも良いものはある。
アニタ・オデイとか。
(ちなみにアニタは「真夏の夜のジャズ」という1958年のニューポート・ジャズ・フェスティバルを捉えたドキュメンタリー映画で死ぬほど格好良いパフォーマンスをしているので観てね。)
本当に良いものになかなか出逢いにくい(と私は思う)ジャズヴォーカルだが、是非、自分のお気に入りのアルバムを探してみてほしい。