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ジャズ雑記 〜私的ジャズヴォーカル名盤5選〈その④〉

前回↓の続き。

4枚目はナット・キング・コール。
(1つ前の記事↓は今回紹介するアルバムを聴いて、興が乗ってナット・キング・コールをいろいろ聴いていたことから。それで発見があったりするので、音楽を掘るのは愉しい。)

ナット・キング・コールはどちらかと言うとポップスの部類かもしれない。(キャピトルレコードというのもある。レーベルのカラーというのは思ったより色濃く出るので、意識して聴くとまたおもしろい。)

今回の「アフター・ミッドナイト」もかなりジャズに寄ってはいるが、限りなくジャズなポップス、という印象ではある。
なので5選に入れるか迷ったが、何をもってジャズと言うか、となると、これまたややこしい話になってくるし、彼自身や参加ミュージシャン達は生粋のジャズメンなので良しとしよう。

ちなみにこれは、オリジナルのLPには未収録の曲も入ったコンプリート版。
コンプリート版というのは概して蛇足なものだが、これに関しては遜色ない出来なのでこちらを。

まず何と言ってもナット・キング・コールは声が良いよねぇ。本当、それに尽きる。もうそれだけで、いくらでも聴いていられる。
(同じように、楽器も、音色が1番大事だと思うな。)

そんな彼の歌声を、ストリングスや豪華ビッグバンドなしに、ジャズコンボのフォーマットで聴けるという、そりゃあ良いでしょう、なアルバム。

バックのミュージシャンも、スイング期の名手達で安心安全(?)だ。
(なんとドラムはレスター・ヤング(テナーサックス)の弟。この時代は兄弟でミュージシャンというのが本当に多い。ナット・キング・コールだって兄弟皆ミュージシャンだ。一体何がそうさせたのか。血筋だけでは説明できない気がする。良い指導者が多数いたのではと思っているが、そこら辺詳しい人がいたら教えてほしい。)

そして、ナット・キング・コールのピアノが素晴らしい。ぼーっとしていると、あれ、この良いピアニスト誰だっけな、ってなったりする。

彼のピアノについては1つ前の記事↑でも触れたので、そちらに貼ってある音源でレスター・ヤング、バディ・リッチ(ドラム)とやっている録音も是非聴いてほしい。

これは割と有名な話だが、ナット・キング・コールとオスカー・ピーターソン(ピアノ)は親友で、プレイスタイルも歌声も似ており、ある時お前はヴォーカルを、お前はピアノを、みたいな話しがなされたとか。真偽の程、詳細はちょっと忘れたが、その後の両者の躍進を見ると何だか凄い話。

ナット・キング・コールが亡くなった後、トリビュートアルバムとしてオスカー・ピーターソンが歌ったアルバムがある。
名盤ではないが、たしかに結構似ていておもしろいので載せておこう。

ちょっとポップな作りでナット・キング・コールの深い歌声を堪能できる「アフター・ミッドナイト」。

普段ジャズを聴かない人も是非聴いてみてほしいアルバムだ。

そこから1人でもジャズの沼にハマってくれる人がいたら嬉しい。

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