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ジャズ雑記 〜ジャズメンへのインタビュー本〜
先日、図書館で「ジャズメン、ジャズを聴く」という本を見つけたので読んでみた。
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ジャズファンならお馴染み(?)の「ブラインドフォールド・テスト」という、レコードをかけて誰の演奏か当てるものを、名だたるジャズメンにしてもらうという企画だ。
ただし、当ててもらうのが目的ではなく、かけたレコードやその演奏、ミュージシャンなどについて語ってもらうというのが主旨だ。
これが中々おもしろく、一気に読んでしまった。
どこぞのよくわからない評論家の文章より、ジャズを作ってきた当の本人たちの生の声だから、そりゃあ得るもの多し、という感じ。
(最近の評論家に好きな人はいないが、文献を読む限り、昔は良い評論家が結構いた。
個人的には、演奏家、評論家、聴衆は三権分立であるべきだと思っている。皆それぞれのスタンスで、好き・嫌いをはっきり表明したらいいと思っている。大いに議論してぶつかればいい。その方が文化的に良いと思うんだけどな。)
ちと選盤に時代や、個人的な嗜好を感じるところはあったが、興味深い話が沢山載っていた。
全体を通じて印象的だったのは、皆、オリジナリティ、個性をすごく重視しているということ。
若手の没個性な演奏には痛烈に批判したり、日本人の演奏でも「らしさ」を感じるものは忖度なしに賞賛していたりと。
ホレス・シルヴァーは、「あの時代のピアニストは今のようにテクニックにこだわらず、どうしたらテイスティな演奏ができるかをいつも考えていた」、という旨の発言をしている。
今のミュージシャン全員に聞かせたい発言だ。
インタビュー本のおもしろさに開眼してしまったので、もう一冊、こちらはつい購入してしまった。
「カンバセーション・イン・ジャズ」
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/156058974/picture_pc_d9dcf8d8d82206cee0ae3947ef417b2c.jpg?width=1200)
表紙に記されているジャズジャイアント達の、なんと1960年前後、正に「その時代」に行われたインタビュー集だ。
訳が少し拙いように感じたが(あと解説は全くイラナイ)、貴重な資料。
当時、彼らが何を感じ、何に悩んでいたかまで記されている。
桁違いの天才達と思ってしまいがちだが、彼らも同じ人間なんだなぁと、感じることができる。
これまたミュージシャンにこそ読んでほしい本。
ソニー・ロリンズが、ピアノは非常に支配的な楽器で、良い伴奏ができる人が少ないと言っていたり、フィリー・ジョー・ジョーンズが、ベイビー・ドッズやシド・カトレットなどの時代のドラマーの重要性を説き、ドラムはバスドラム、スネア、シンバル1枚あればいい、シンバルがなかったらスネアだけでいい、と言っている。
弾きすぎ、叩きすぎの傾向は何も今だけでなく、昔からだったんだなぁと。
最近、ジャズというものが何なのか、自分の中で何となく固まってきたように思う。
それは、私がこうだと言っても、他の人にもそうだとは限らないものだと思うので、文字にはできない。
自分で見つけるしかないものだと思う。
ルイ・アームストロングの言葉で締め括るとしよう。
「ジャズとは自分が何者であるか、でしかない」
-ルイ・アームストロング-