Brown Books Cafe

2007年に札幌で開店した喫茶とアンティーク雑貨の店。 毎年コーヒーの日である十月一日に、小冊子"brown book"を発行しています。コーヒーにまつわる日々のコラムを執筆しています。https://brownbookscafe.com

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2007年に札幌で開店した喫茶とアンティーク雑貨の店。 毎年コーヒーの日である十月一日に、小冊子"brown book"を発行しています。コーヒーにまつわる日々のコラムを執筆しています。https://brownbookscafe.com

最近の記事

コーヒーのはじまり

今日はコーヒーのはじまりの代表的なお話を二つ。 まず一つ目は、エチオピアの山羊飼いの少年、カルディのお話です。 高原の山羊飼いカルディはある時、野生の赤い木の実を食べて興奮し、日夜騒ぎ回っている山羊の群れを見つけました。貧しくいつも心の晴れなかったカルディ。真似して食べてみると、心の悩み全てが消え去り、最も幸福な山羊飼いとなりました。 後に、同じように山羊を見た修道僧が理由をカルディに尋ね、自らもその効力を実感すると、他の僧にもこの木の実を勧めました。修道院の夜の礼拝で

    • 本物

      久々に喫茶店にいきました。 運河のある街の老舗の喫茶店。 階段を登って2階へあがり、窓際の席に座るとアーケードをゆく人の往来が見えました。 注文して、まずきたのはアイスクリーム。冷えて白くなったガラスの器に盛られた、アイスクリームのあまりの美味しさにびっくりしてしまいました。バニラなのですが、すっきりしていてレモンのような爽やかな甘さ。シンプルなのに意表をつかれた。本当に美味しかったです。 そのあとにきたコーヒー。 華奢なカップからいい香り。湯気が脳みそまで届きそう

      • 飲みそこねたコーヒー

        ヤン・オーレ・ゲルスター監督の「コーヒーをめぐる冒険」という映画は、ある朝恋人の家でコーヒーを飲みそこねた青年ニコが、その日一日様々な人に出会いながらも、ことごとくコーヒーを飲めないというお話。モノクロの映像に、淡々とした時間の流れを感じます。 映画を観ながらついつい一人で「人がよすぎるんだよニコは」と呟いてしまいます。 お互いにとって通りすがりであろう相手の話も、ちゃんと聞いてしまうニコ。 相手を傷つけずに、それでいてわりと的確な返しをするニコ。 タバコの火をいつも

        • ある母ちゃんの珈琲記 vol.1 Kids in the park

          夕方の公園に響く子供達の声。 虫取りに熱中し、クマバチを虫カゴの中で溺れさせている子。泥水をぶちこみ、まだ死なないと言って、ゴミ箱から拾ってきたペットボトルに移し、フタをして遊具に叩きつける。 ポテトチップスの空き袋に水をためて何やらやっている子もいる。覗いてみると、たくさんアリを入れ、やはり溺れさせている。 バッタの足をもいでアリに食わせる子もいる。 以前、父に言われた言葉を思い出す。 「子供が虫を殺してても途中でやめさせないこと」 確か「やってやって、自分で可哀想だ

          月とコーヒーとムフフ

          吉田篤弘さんの「月とコーヒー」という本をご紹介します。 吉田さんは吉田浩美さんと、クラフト・エヴィング商會(しょうかい)という名前で執筆とデザインの仕事をされていて、お二人とも本がとても好きな方です。 と言っても本人から聞いたわけじゃないんですが、どの作品をみても、文章はもちろん、そのデザインや字の配置までも、本への愛情を感じます。 ものがたりの始まりの部分のような、読む人に続きをゆだねられているような短いお話が24篇。どのお話も食べ物やコーヒーが出てきます。 それもナポ

          月とコーヒーとムフフ

          コーヒーコラムはじめます

          「brown book」というコーヒーの本を年に一度発行しています。 コーヒーを片手にゆっくり読んでほしい コーヒーが飲みたくなるような本にしたい コーヒーと共にある日常を そんなコンセプトで、コーヒーの日である10月1日に発行しています。 手探りで作り始め、内容もその号によってまちまちですが近ごろはエッセイや短編小説などが中心です。 ゆっくり読んでほしいというわりに、この日が近づくと店業務のかたわら、かなりバタバタと準備をし、ひとつのイベントのようでした。 そこで、こ

          コーヒーコラムはじめます