農薬と草刈りではなくて、雑草の成長と緑のカーペット
こんにちは、うみやまじょうろです。
朝からトラブルに見舞われました。オーナーの方と意思疎通できていなかったみたい。栽培に関しては、オーナーは熟練者だから、今までの方法と違うことをすると、困惑してしまうようだ。
農業の経験が浅い人が、いきなり、化学肥料や農薬を使わずに栽培しますと宣言しても、
化学肥料や農薬を使った栽培のプロは、果たしてそれでうまく行くのか判断できない。
彼らの土俵では、彼らの意見のほうが今のところ正しい。そうなると、彼らは自分の判断で別のやり方をやらずに彼らのやり方を貫いてしまう。
今回おきたことは、農薬の散布と草刈り。どちらも悪いことではない。でも、これからのことを考えた場合、農薬散布すると、影響は小さいかもしれないが、人体に少なからずダメージを与える。それは、化学肥料も散布するとそうなる。
そういった面倒事をなくすために、無農薬栽培かつ無化学肥料栽培をしようとしている。
もちろん、化学肥料にかわる肥料は時に必要だし、緑肥作物の栽培と土作りをする過程で化学肥料の成分に近い栄養素を作り出そうとしている。8月2日に植えたソルゴーがそうだし、10月あたりからヘアリーベッチを栽培しようと思う。これらは、空気中の窒素を土に送り込むし、植物自体がすきこんだときに炭素やミネラルを土に与える。畑にはすでに雑草が生えているから、これらをすきこむことで、栄養素を土に与えることができる。今の畑の状態でも、栄養素がある土を作れる可能性がある。
農薬は果実の品質を高めるために必要だとは思うけど、その品質がそこまで必要とされなかったり、柿が追熟したときに、栄養は皮の近くにあったりするから、柿を皮ごとかぶりつくためには、やっぱり、無農薬栽培をしたい。
農薬を使うなら、その用途に合わせた販売をすればいいし、それは農協に卸すことで叶うと思う。でも、それ以外の販路を見つけていたら、無農薬を売りにした販路があるから、それに合わせた栽培方法をとっていきたい。
農薬がないところは蜘蛛の巣が貼ってあったり、カナヘビとかバッタとか、蜂もいる。鳥が来て木の実を落としてくれる。そういった生物の動きを見れるのが、私にとっての畑にくる楽しみになっている。これを壊したくない。
私は、追熟したときに甘さとともに栄養を高めるために、そして、食べる楽しみの一つとして皮ごと食べられる柿を作りたいから、無農薬栽培に拘りたい。
さて、今回おきたことはこれらです。
農薬散布
夏の暑い時期に土をみせる草刈り
ただし、これらは悪いことではないのです。おそらく、求めるところが違うだけ。そして、栽培で起きたことは、観察して、記録として残しておきたい。
農薬のついた柿の木を発見!
畑を見てみると、どうも柿の葉に白の斑点がある。
これは、どうも、オーナーの方が農薬をかけたみたいだ。農薬がかかっているのは、7本の木。
無農薬で育てようと思っていたのだが、そうはさせてもらえなかったらしい。まだ、40本近く農薬の白い斑点がない木があるから、良しとするかと思い、雑草や柿の木の様子を見て回った。
今年の6月にオーナーと話し合った。そのときに、今期は農薬を使わずに柿の木を育てることをオーナーに伝えた。一応、オーナーから了承をもらっていた。
だから、まさか、オーナーか他の誰かに農薬をかけられるとは思ってもいなかった。
土地の契約は農協を介して、書面で交わしたから、土地に関しては問題なく使えているが、柿の木の栽培に関しては、きっちりとした契約を結んでいなかったことが問題らしい。栽培内容に関しても契約が必要なのか気になっている。
今後は、こういった栽培のすれ違いが起こらないことを祈るばかり。
夏の草刈りは必要?
畑を見渡すと、農薬散布されたところでは、土が見えるぐらいまで草刈りが行われていた。雑草を刈るのはいいことなんだけれど、8月のこの時期だと、和歌山は日中34~37度近く気温が上がる。太陽が土に当たると地表の温度がさらに上がってしまう。それに伴い、地中の温度も上がるから、根っこに高温障害が出るのではないかと思ってしまう。
草刈りが行われていないところがあるので、草が生い茂ったところと、土が見えているところで、夏の高温が柿の木に対して、今後どういう影響をあたえるのか観察してみようと思う。
さて、無農薬で栽培をしていこうと思っているから、やはり、まわりの柿農家さんの農薬が空中散布されて、私の所有している柿の木にかかるのは避けたい。だから、背丈が2~3mになるソルゴーを育てていこうと思う。ソルゴーを柿畑の周りに撒いて育て、防風林みたいに風をよけて、農薬も避けていきたい。
ソルゴーを育てるのは別の理由もあって、ソルゴーはイネ科で、肥料の吸収率がよかったり、空気中の窒素を土の中にためてくれる。植物の栄養として、窒素、リン、カリウムや、カルシウム、亜鉛、鉄、マグネシウムなどである。その中の窒素を土に蓄えてくれて、土中の微生物が増えて、カルシウムや亜鉛等のミネラル成分を作れるようになったら、他の作物の成長が、肥料がなくても、土の栄養で促せる。微生物は、ソルゴーをすきこんだり、雑草をすきこむことで、それらが分解されて炭素等の栄養がたまり、微生物が増えてくれる。だから、ソルゴーや雑草をはやして、夏のおわりぐらいに刈り取って、すきこもうと思っている。土を育てるのは、時間がかかるから、気長に時期を見て、緑肥を育てたり、雑草を育てていこうと思う。
草生栽培の様子
農場をまわることがあって、そこで、どんな雑草を育てているのかを見た。
土が見えないようにしていて、草の種類も多い。木に雑草が絡まっていても良いみたい。
イワダレソウとヘアリーベッチを育てているところもあった。イワダレソウは繁殖するから、自分の土地で使うと周りの農家に影響を与えてしまうから、使えないと思うけど、ヘアリーベッチなら、使えそう。
面白いのは、イワダレソウの草丈というのか厚みというのか、4月28日時点で、10cm ぐらいはあった。これが、先日、8月1日になると、20cmを超えてくる。この人のところでは蜜柑の木を育てているのだけれど、地表の温度も、地表から30cm ほど掘ったところの温度も同じぐらいで、夏の暑いときでも26度くらいになる。蜜柑栽培の温度域が28度以下らしく、果実の糖度が高くなる。この雑草が丁度良いらしい。
果実の栄養には、ミネラルも必要で、それらが甘みを引き出す。
甘みを感じるのは、私たちの舌だから、味蕾の膜タンパクがどの成分を通過させるのか、調べないといけないのだけれど、調べてもわかっているようで、わかっていないことなのかもしれない。膜タンパクのチャネルが開くのかどうかは、電位勾配が影響しているとか書いてあるのもあり、どれが正しいのか調べてみたい。
参考
https://www.alic.go.jp/joho-s/joho07_001042.html
https://www.nature.com/articles/nature11906
科学的なこともそうだが、雑草を育てることで、土の温度上昇を抑えて、夏の日差しから、木を守っているのだろう。
参考までに
農薬ありの柿
富有8,富有10,富有11,富有13
刀根早生3
平核無1,平核無2(奥手)
柿のナンバーリング
柿の木には種類に応じて、
極早生には1~5のナンバー
富有には1~22?のナンバー
刀根早生には1~25?のナンバー
平核無には1~5のナンバー
をそれぞれ振って管理している。