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外国人一押しの熊野古道を歩いてみた その2(マイカー移動で始神峠編)


1時間で登れる始神峠


馬越峠を登り終えて午後2時ということで、二つ目にあまり遠くや高い峠を選ぶと日が暮れてしまいます。馬越峠の両隣は147mで1時間もかからない始神峠(はじかみとうげ)と、西国一の難所で5時間以上はかかる八鬼山越(やきやまごえ)。海も見えるらしい始神峠、一択です。

Google mapで簡単に行く方法

Google mapでナビしてもらう場合、鷲毛が馬越峠の登り口、熊野古道 始神峠(江戸道) 登り口(東側)が始神峠の登り口になります。車のカーナビだと道の駅海山以外はうまく検索できませんでした。

両者の間は車で移動すれば15分以内です。始神峠には世界文化遺産に登録されている江戸道と、荷車を通すために明治時代に作られた明治道があり、今回は前者で登って後者で下るので、同じ所に戻ってこれてマイカー利用者にはとても便利なコースです。

岩に打ち付ける波の音が凄い

14時25分、美しい海岸沿いを歩き始めました。恐ろしいほどに大きな波の音に包まれます。静かな渓流の音とは大きく違う音と景色に驚かされます。場所ごとのこの大きな雰囲気の変化もまた熊野古道の魅力なんだろうなあ、と実感します。

一日中人には会えないけど生き物達がお出迎え

足元の草むらを10cm弱の小さな生き物が次々と横切っていきます。最初、ネズミだろうか、と思ったのですがよく見ると蟹でした。さすが海沿いの道です。そういえば山の中では鹿の鳴く声がしていました。

少しこの峠の残念なところは登り口に水力発電所があり、これが近代的な雰囲気にしてしまっていることです。まあ、ここを通過すれば山の中はヒノキ林と渓流になるので関係ありません。

熊野古道伊勢路ならではの海が一望できる

14時51分、始神峠に到着です。標高も低いので僅か26分間で楽々登れる小さな峠です。でもこの峠は紀伊の松島と呼ばれる海の絶景が見下ろせることで熊野古道の中でもとても人気が高かったそうで、明治中頃までは峠の茶店が繁盛していたとのことです。今は少し手前に見える発電所が邪魔ですが、その先に目を移せば遠くは志摩まで見えるという絶景を楽しめます。

峠で一服した後、そこを少し通過して右手に現れる太い明治道を下ります。流石にこんな山奥を荷車が通っただけあって道幅も広く、手積みの石垣の石組みが立派で驚かされます。



意外な景色、超巨大パイプを真上から見る

ゴール近くで揚水式水力発電所の巨大なパイプを点検用梯子で超えるコースが設置されていて驚きました。発電施設に近づくだけでなく、上から見下ろすのは初めてです。凄い量の水が流れる音も大迫力です。

15時半、登り口に戻ってきました。大体、1時間くらいで海の絶景を楽しめる、とても手軽な熊野古道のコースでした。


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