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ニューヨーク市・子育て村#2 by あつこ

前回、ニューヨーク市・子育て村#1では、新米ママだった私が、異国で慣れない子育てにストレスや不安を感じる事もあったけれど、ある日米混合家族との出会いを経て、気持ちが和らいだ、という体験について書きました。

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わたしの子育て経験のなかでは、けっこう大切なエピソードなので、今日はその続きを書こうかと思います…。つらつらと書き連ねる思い出話なので、気軽に読んでいただければ嬉しいです。

息子が歩き始めた頃、引っ越しをしたことがきっかけで、我が家と同じような構成の家族との出会いがありました。ママが日本人で、パパがアメリカ人。お嬢さんが息子君と同い年です。

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この出会いは、今から考えても運命的なものを感じます。だって、さほど大きくない集合住宅に引っ越したら、同じフロアーに息子と同い年の子供がいて、そのお母さんが日本人という家族が住んでいる偶然、そんなに頻繁には起こらないですよね…。だから、最初は半信半疑だったんです。

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それというのも、私たちが引っ越したのは夏休み中だったので、その家族、Aちゃん一家は(確か)帰省していて、お家にいなかったんです。でも引っ越した当日、ヒスパニック系の管理人さんに「このフロアに日本人のお母さんがいるよ。子供の年齢は分かんないけど、見たところこの子と同い年くらいじゃないかなぁ…」と言われたんですね。

しかしこの時私、(アジア人は全部同じように見えるんだろう〜。実際に会ってみたら、絶対日本人じゃないよ。きっと。)と思っていました。ニューヨーク生活が長いせいか、スレてしまっていますね、考え方が。少々ひん曲がっております。ごめんね管理人さん、あの時疑って。今後、気をつけます。ハイ。(反省😓)

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その後、数日が過ぎ、家の中の片付けが一段落ついた頃、わたしの夫(巨人)と息子君が、聞いたことがない声の持ち主と、廊下で話している声がします。しばらくして帰ってきた巨人に「さっきは誰と話していたの?」と聞くと、「同じ階に住む人で、名前を教えてもらったよ。えーとなんだっけ。感じのいい人だった。」と言います。へぇ、どんな人?アメリカ人?と聞くと「多分そうだと思うけど、珍しい名前だった。」「奥さんは日本人なんだけど、まだ戻って来ていないらしい。」となんだかよく分からない答えが返って来ました。

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そして2週間くらい経った頃でしょうか…… 感じのいいご近所さん(Bさん)のお嬢さん(Aちゃん)と奥さん(Mちゃん)も帰ってこられて、初めて会うことができました。そこで息子君とAちゃんは誕生月も近いということが分かりました。しかも、こども達2人は初めて会った瞬間からエヘエヘエヘヘと笑いながら手を繋いだり、小さなワゴンに一緒に乗ったりと、とても気があう様子です。

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そこから、我が家とAちゃん一家との親戚のような、とても親しいお付き合いが始まりました。

Aちゃんパパは子供の扱いがとても上手で、我が息子君も可愛がってくれるし、Aちゃんママはサバサバしていて気の置けないお付き合いができます。巨人はAちゃんパパとビールが飲めて、みなハッピーです!

2歳になったばかりの息子は、同じフロアにあるAちゃん宅まで勝手に1人でお邪魔して、ご飯を食べさせてもらったり、その挙句「お風呂も入ってく〜?」とお風呂まで一緒に入れていただいたりするようになりました。

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子供が小さい頃には、出かけるまでの準備をするのが一苦労だったりしますが、同じフロアなので、準備も要らず、遊びに行くのも本当に簡単です。すぐに双方の家を行ったり来たりして、どちらかのおウチで、子供2人まとめて夕ご飯を食べさせたり、そのままの流れでお風呂に入れたりするようになりました。また、子供が寝静まった後で、親も集まってビールを飲んだりと、昭和のご近所さん付き合いかと思うような、楽しい時間を過ごさせてもらいました。

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また、Aちゃんが参加していた共同保育のグループを紹介していただいたことを機に、それまであまり日本人のママ友がいなかった私の、日本人ママネットワークが一気に広がりました。

ここで言う共同保育というのは、英語で言うとCoop Day Careでしょうか。一口に共同保育と言っても色々な運営方法があると思いますが、私が参加させてもらったグループの場合は、中心メンバーであるお母さんたち5、6人程が運営を担っていました。そのメンバーの中にはリーダー、会計、書記、などの役職を担当しているママがいたり、このメンバーが集まって共同保育グループの運営方針を決めたりしていました。

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先生は募集・面接して、可能な曜日を担当していただいていたと思います。先生は二、三人いらしたのかなぁ…。(ニューヨークで幼児教育の経験や才能がある先生を探すのって、とても大変なんですよね。素晴らしい先生がいても、転勤で日本へ帰ってしまわれたりするし…。幼児教育者って責任という意味でも、小さな子供を教育する技術や能力、体力的な面でも、本当に大変なお仕事ですしね…。)

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場所は参加している子供達の自宅を、持ち回りで開放して、そこへ先生が来てくださると言う形式で運営されていました。一回につき子供達の人数は確か5人くらいだったので、大抵は家を提供してくださるお宅のお母さんが、先生のアシスタントを兼ねていました。グループに参加している子供たちはみんな息子君と同年生まれで、我が家の息子君が参加したのは共同保育グループが発足してからしばらく経ってからで、2歳になった頃でした。

この共同保育と出会ったことで、私の育児生活はガラリと変わり、その経験を通して、(子育ては本当に1人ではできないようなぁ)と心底思うようになりました。私がIt takes a village to raise a childのことわざをしつこく唱える理由がここにはあるんですね。『どんなふうに私の育児生活が変わったか』や、このネットワークの『その後』についてはまた次回に書きたいと思います。

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最近どんどん秋めいてきて少し寒くなって来ましたが、食欲の秋、読書の秋、紅葉の秋を楽しんでください。それではまた!


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