団体球技の強化について
それにしても、今年はいろいろなスポーツイベントのたびに楽しませていただいた。まだ、ラグビーは終わってはいないけどね。
ホント、どの競技でも日本は強くなったもんだ…。イチ年寄りとしては実に感慨深いものがあるよ。
たとえば、サッカーは約30年前にJリーグができた。確か、その時に100年構想なるものをブチ上げたはず。
あの時点で、サッカー好きの間であっても、むしろその時の我が代表の世界的な立ち位置を知っていれば知っているほど「将来的に日本をワールドカップで優勝させる」なんて目標は「無理無理…」と失笑しつつ思っていたはず。
ところが、今や「3大会のうちに優勝を目指す」ともし誰かが明言しても、おそらく誰も笑わないし、あきれることもないでしょう。
団体球技の強化に必要なものは、まずは選手の育成。
そして、その前提として不可欠なものは母体となる国民のその競技に対する興味と認識、理解度。
チームプレイの必要な球技の戦術や分析、理論はデジタルの進化とともにまさに秒進分歩。
ちょっと前までのボール支配率であるところのポゼッションがどうのこうのなんて、今はあまり誰も気にしない。
明確な意図を持ってボールを持つのと、相手にボールを持たされているのは根本的に違うわけで、単に保持している時間だけを分析の俎上に載せても意味がないものね。
最近は、やれ3バックだ4だとかフォーメーションのシステムもテレビでもあまりやいのやいの言わなくなったでしょ?
かなり昔の、個人技の南米、組織の欧州と言われた時代、不思議なことに日本は戦術面の指導をドイツ系の欧州から、人材のつながりはブラジルなどの南米から呼び寄せるハイブリッドな態勢を取っていました。そして中田英寿以降の若い選手たちの海外進出によって、グローバルな経験と知識が国内にフィードバックされることが常態化されるようになりました。地域密着で各都道府県にチームも増え、これは現在バスケットボールでも踏襲されつつありますね。
一方、どこかのカリアゲくんが、国内に国際サッカー専門学校を作ってエリート教育してるらしいけど、彼らはおそらくリアルの国際的な試合を見て学ぶことは許されていないはず。
当然、多くの国民も統制された情報にしか触れられないから、国際的なマナーや常識など知るべくもなく。
そこで初めの話に戻りますが、オレはときどき「民度」なんて乱暴な言葉を使って各方面からよく怒られるのですが、代表選手を生む母体となる国民全体のその競技に対する認識や理解度が成熟しないと、有り体に言えば選手という仏を造っても魂入れずになるわけで。
代表選手が特権階級(同時にその分、結果次第で簡単に厳しい状況に追いこまれるキツい立場でもあるでしょうが)で、チームスタッフは単なる使用人という日常的な認識の延長が、先日のような、さっさと水をよこさないと食らわすぞコラ!事件みたいなことの背景にあると、オレは個人的には踏んでるんですがね…。
何はともあれ「可愛い子には旅をさせよ」で、保護者だけでなく周囲も、どんな分野であれ海外へ挑戦しようとする若者の後押しを積極的に継続する限り、今後も日本代表は進化しても退化はしないと思います。
そして、もし生きているうちにサッカーW杯で日本が優勝したら自分がどうなるか、我ながらちょっとまだ想像がつきません。
とりあえず、今日のアジア大会なでしこ決勝で日本選手を壊すような狼藉だけはお願いだからやめてね。少し頭下げれば水ぐらいナンボでも分けてあげるから。
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