杏仁豆腐が好きです。

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  • To 絆

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最近の記事

ファール・ゲーム

 「なにも悪いことしてませんよ」という顔をすると人生は得だと、初めて俺に教えた大人は超みっともなかったんだろうけど今となっては感謝している。不正に慣れていくのが悲しい時期もいまや懐かしく、暴力によって無理やり全てが解決していくことに妙な安心感を覚えている。やあこんにちは、と紳士みたいな挨拶をしてみたい。優しく誰かを見つめていたい。でもなにか資格が必要なのだとしたら、別にいいや。これ以上何かを求められても、何も差し出せないよ俺は。  武庫川が好きだという気持ちを、ペットボトルを

    • Sailing On The Second Moon.

       ワンス・アポン・ア・タイム、からこの話を始めよう。誰にとっても善い終わりを迎えられるように。二つ目の月が衛星軌道を泳ぎだした頃、月は夜を象徴しなくなった。明け方、太陽に先んじてクジラのように顔を出す二つ目の月は、円環の中で摩耗しながら光(あさ)と闇(よる)の継ぎ目をほどいていった。地球はひとつなぎの真球となった。  オレはバスタブから立ち上がるときの波紋のように、自制不能の攻撃を続けている。ミサイルが真っ白な虹のようにぶっ飛んでいくのを眺めていると、オレは例えようもなく悲し

      • サマー・ドランク・ドライビング

         酔わない。シラフでも強いからたくましいから弱くなりたいなんて全然思わないからもっと派手に行こう好きにやろうこれから始まるのがなにかわかってんの? 夏。  弱い。まだまだやれるのにもっといけんのにうおーうおーと叫んでいると妙に悲しい気持ちになったりする誰かと話している時いつも君なら君ならと乞うように。 夏。  齢。きらい恥ずかしいからじゃない恥ずかしがれと求めてくるからやめなさいやめなさいやめなさいって言われなくてもこびりついてるアレに中指立ててみる? 夏。  文字盤にはな

        • A grumpy gggun.

           今、耳を澄ませ、夜明けの鼓動を聴く者のみ波長に応えよ。それは毛gggun羽立つような形の、或いは壁のような、破壊。頭にくるほど美しく、勇ましそうで脆く、gg綻gunびながら産まれてきた。煌めく闇、コルタールの発する艶のような昏い光が両の目に染み込んで全てを覆い隠す時、ソレは来る。命ある限りガンマンのトgレーggunドマークを見ることができないのと同じように、否応なく、俺はその場から失くなってしまうだろう。そんな、宇宙のように恐ろしい予感がして、なくしてしまった足をgggu探

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        • To 絆
          7本

        記事

          モダン・カウボーイ

          1.   この先どんな大人になるかってそりゃあ、"化学調味料味のパスタ"以外にありえねーよ。ソレは隣合う世界との調和であり、あらゆる夜の底で囁かれた明日、学校で教えてくれないことを同じく教えてくれないテレビとか、なにか始まる予感で焦れったい夏のこと。有り触れていて、嘘くさいのに流行りがちなこと。認めがたくても恨みきれないもの。  "化学調味料味のパスタ"だから、俺は、妥協しないということが出来ないだろう。"化学調味料味のパスタ"だから、俺は、ありとあらゆることを受け止められら

          モダン・カウボーイ

          二重

           ダブる。  存在が。脳みそが。身体が。昨日と、今日で。  ダブル。  高校二年生、血迷って、四月、ダブる。外が好きで、出られなかった。生活の、ダブル。街を歩く俺、繭を作る俺。重ならない、ダブル。影と、影が、歩く。  夢があった、ガラスの街を歩く。映し出され、幾重にも屈る。俺とあなた、彼と俺。  ねえ俺どんな風に見える?  ねえ手前なに誰なの?   俺の中の俺オレの中のアンタ。  アンタの中のアンタ貴方の中のオレ。  屈る、オレマガル。  電光掲示板に映し出されて、記述が始

          日記04

           嫌だな、ダルいな、ってことばかり考えている方がいくらかマシ。素敵なジョークを聞かせてよっていつ言われても大丈夫なようにポケットの中を満杯にしてる。テルミー、キルミー、コールミー、フォロミー、みぃみぃみぃみぃ泣いてみた悲しくもないのに不完全に。  嘘の感情、嘘の顔、嘘の行動、嘘の生活、自分がもーワカンナイヨ。酔って寝て起きたあとみたいで、俺なにしてたっけなにしたかったんだっけどこ行くんだっけ? 靴履いて外出て日差し暑くてオレハドコヘイクンダッケ? でゅらはん、は、アタマがワル

          日記 03

           新しい服を着るのは気持ちいい。自分が選んだシルエット、自分が選んだ柄、自分が選んだ色、妥協と計算で描いた近似値でも案外バシッと気に入っちゃう。それは、新しい自分の発見でもある、なんて大それたことまで言うつもりはないけど。  なぜか今日は殺人がいっぱいいっぱい起こっている気がする。その裏では、ちょっとした幸せなんかが積み立て式に少しづつ増えたりしているのだけれど、今この時からそれら全てが誰が振りまいたともつかない悪意の返済に費やされる気がする。  でっけー夢を打ち立てなきゃな

          日記 03

          俺は、そうだ、と言う。惨めで情けない人間だ。平気で人を騙すし約束を違えることに躊躇いもない。信念がない。軽薄で浅はかな人間だ。本気で人を好きになったことなどないくせに、人からまったく気にされないのも悲しいなんて、わがままを言っている。 そうだ、と答える度に変質する細胞。

          俺は、そうだ、と言う。惨めで情けない人間だ。平気で人を騙すし約束を違えることに躊躇いもない。信念がない。軽薄で浅はかな人間だ。本気で人を好きになったことなどないくせに、人からまったく気にされないのも悲しいなんて、わがままを言っている。 そうだ、と答える度に変質する細胞。

          ろくなことにならないのが分かってるのに、あのさ、とか、ごめん、から切り出してしまう性分のせいだったのだろうか。毎日が死ぬにはいい日だぜ、選んでいいんだ。

          ろくなことにならないのが分かってるのに、あのさ、とか、ごめん、から切り出してしまう性分のせいだったのだろうか。毎日が死ぬにはいい日だぜ、選んでいいんだ。

          日記 02

           好きな人がいて、とにかく好きで、好きで好きで、その人のことばかり考えていたら何も立ち行かなくなってしまうのに考えるのをやめられなくて、でもやっぱしそれじゃ立ち行かないから考えるのはやめた。その人は俺のことなんかちっとも気にしてないだろう。生活の端の端に追いやられた、ないよりはマシな人形と同じ程度に思われていれば良い方。そのことを思うと時たま身体がまるごとなくなってしまう。だからやめた。やめた、やめた、やめました。 (自分を子供だと思っている大人ほど悲惨な人はいないらしい。

          日記 02

          日記 01

           新年になって心がなくなった。アラーム音固定パターン1に感情まで支配されることさえなくなった。とにかく全部面倒くさくて、面倒くさいのに、全然怒っていない。溜め込んでいるような感じもない。不安や焦燥もあるようでない。あるはずのもの、感じているはずのものから、重さが失われているような······形骸だけが胸の内に投射されているような、透明な感覚。透明という感覚。  俺は、感情はあった方が良い派だ。そもそも感情無い方が良い派があるなんてこと、俺は高校二年生の時分まで知らなかったんだ

          日記 01

          日記 12/26-27  気が狂いそうだ。おわり。

          日記 12/26-27  気が狂いそうだ。おわり。

          日記 12/25

           明日······というか正確には今日だけど、妹のライブがあるので見に行くという話だったのだが、なんか体調が悪くてそれどころじゃないかもしれない。風邪気味なだけだと思うけど、悪化したら嫌だなぁ。  Twitterを眺めていたら妙に長ったらしい謝罪文が目について、気になって読んでみたら東京初期衝動のボーカルとCRYAMYのギターが揉めていたらしいことを知った。この2バンドはまったく熱心に追いかけている訳じゃないし曲もよく知らないが、周囲に両バンドをこよなく愛する人間が多くいるの

          日記 12/25

          日記 12/24

           配達のバイトをやっていたらあんまり風が寒すぎるから凍傷になりかけた。寒さに耐性がついてきた気がするので、今なら雪山で遭難しても二日くらいは生き残れそうだ。  ウテナを見終わった。めちゃくちゃおもろいアニメだったけど、メタファー的な演出が多すぎて胃もたれした。考察記事みたいなものを読んでふーんと思った。  いやでもさあ、ふーんって思うしかねーよ、他にどうしろって言うんだ? テーマがイマイチしっくり来なかったんだよ。バンクシステムを多用する演出と決闘という物語上の設定が噛み合

          日記 12/24

          日記 12/20-23

           どーせやるとは思ってたけど、日記に書くことがなさ過ぎて四日もサボってしまった。補填のために四日分の出来事をひとつの日記に纏めてしまおうとおもう。こんなことを続けていたら、纏める期間は一週間、一ヶ月と際限なく延びていき、しまいにゃ一年の総括にしか文章を書かなくなってしまうかもしれない。しかし、極力面白くないことは書きたくねーし、なんだかなぁ······日記向いてないかも。  なんか、今の俺は書くよりも喋る方が上手いかも。どっちも良いのが一番いいけど、喋りができる時は書くのが下

          日記 12/20-23