
ル・コルビュジエの精神的遺言
日曜日。朝起きていつものようにランニングして、シャワーを浴びて洗濯して、朝食を食べてコーヒーを淹れて、ラジオを聴きながら仕事を始めた。
メールチェックや各種読み物などを始めて本格的な作業に入る手前くらいの段階で、小川紗良さんの「J-WAVE ACROSS THE SKY」のゲストの方の本棚を紹介するコーナーが始まった。元々、本が好きということもあり毎週聴いている。番組のX(twitter)では、ラジオで流れるほぼ同じタイミングで本棚の写真が上がってくるのでそれもチェックしている。
人の本棚は並んでいる本の内容からその人自身がわかるみたいなところがあるけれど、それ以上に本の並べ方や本棚のつくり方(素材や寸法)で直接お話しする以上のことを感じることができる。そんなところが好きだ。
今日のゲストはバレエダンサー、俳優の首藤康之さんだった。
首藤さんが人生に影響を与えた1冊で紹介されていたのが、
「ル・コルビュジエ全作品集第8巻」だった。
建築関係者にはお馴染みの名著中の名著。建築家のバイブル。現在では高額古書で入手困難でもある。そんな本がまさか建築以外の方から語られるとは・・・。なんだかとても嬉しくなった。
ラジオでは首藤さんが影響を受けたという部分が語られていて、なんだかとても心に響いたので放送後、急いで手元の作品集を開き該当のページを確認した。
その部分はコルビュジエが死の一ヶ月前に書いた文の抜粋で、精神的遺言ともとれる内容といわれているものだった。
私は77歳だ。そして私の気持はこうだと言える。人生では何かをすることだと。いいかえれば、謙虚に、几帳面に、闡明に行為することだ。芸術的創作のためのあり方は規則正しく繰り返すこと、謙遜、持続性、辛抱強いことだ。
私は既にどこかに書いたと思うが、人生の定義は心変りしないことにある。心変りしないことは自然で実り多いからだ。いつも同じであるためには謙虚でなければならず、辛抱強くなければならない。それは勇気、自制力のあることの証拠だし、生存のあり方の呼称といえる。人生は人々の間を横切ってやって来るし、人々が人生に横から入って来る。こうしてさまざまな事件が生じる。水の表面を見て御覧・・・・・・・あるいは青い空の下、人間がつくったものでいっぱいな世界全体を見て御覧・・・・・・やがてはすべて海に戻るのだ。
これまでコルビュジエの作品集は建物の写真や図面をパラパラ眺める。ということが多かった。おそらく今まで、この文もなんとなく読んだことはあったが、改めて読んでみると色々な想いに駆られる。自分の心に刻み込み、しばらく考えてみたいと思う。
首藤康之さんに感謝。
ここまで読んでいただきありがとうございます!仕事のことや日常のこと等を書いていこうと思います。よろしくお願いいたします。
※表記をコルビュジェ→コルビュジエにしました