雨の日にて

小さな雨の日でした。
室内に浸食する水の雫に、僕はひっそりと貴方を重ねます。

行きずりの想いはこの雨の如く、するすると床へと伏していくのです。
一縷の望みすらもなく、貴方へと繋いだ想いを思い出します。

しかし、光を持った雨音に従って、僕は貴方を手にかけた。
残るには小さな寂寥感と、喪失感でした。

今から貴方の元へと、いくでしょう。

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