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僕の彼女は風俗嬢#蛇足編⑤

こちらは以下の続きです。
僕の彼女は風俗嬢#蛇足編④|K|note



自衛。

よくTwitterなんかで目にする。

見たくないものに蓋をするような行為。

僕はそれを紗耶香ちゃんに対して行うことにした。

最初は彼女のお店の情報が入ってこないように努めた。

これまではなんだかんだ気になって出勤予定や写メ日記をチラチラ見ていた。

でもとある投稿を見て見ないようにすることを心に決めた。

紗耶香ちゃんはあまりお客さん個人へ向けた内容の日記を書かない。

僕が客として通っていた頃はそれなりに書いていた気もする。

でも今の関係になってからは「○○さんありがとう」程度にしか書かれていなかった。

今思えば僕への配慮だったのかもしれない。

8月の最後。よく来てくれた方限定みたいな形で個人あての写メ日記が投稿されていた。

それを見てしまったのだ。

リアルな情景が浮かんで吐きそうになった。

会いたくてもなかなか会えない大好きな人が自分よりも多く会っているだけでその客が妬ましい。

仕事上当たり前のことと頭で分かっても心が追い付いてこない。

前の回でも綴ったことだがやはり自分は未熟だった。

耐えられないかも。

そう思った。

僕は紗耶香ちゃんへ告げる。


辞めるまでLINEを断とうと。


紗耶香ちゃんへの返信を考えてる間、返事を待っている間にどうしても彼女のことを考えてしまう。

今すぐ会いたいと何度も思った。

でも彼女は今知らない男の家で裸になっている。

知らない男の全身に唇を這わせている。

知らない男のモノを触っている。

どうしてもそんな光景をイメージしてしまう。

それが日々自分の中でエスカレートしていき、心が蝕まれていった。

だから僕は自衛することを決めた。

会っている間以外は極力紗耶香ちゃんのことを考えないようにしたい。

それが唯一の自衛だ。

紗耶香ちゃんの気持ちを無視して僕は一方的に自分の意見を言い放った。

彼女は二つ返事で受け入れてくれた。

でもきっと傷ついている。

僕は見て見ぬふりをした。

次に会えるのは僕の誕生日。

正直どんな顔をして会えばいいのか分からない。

自分から好きだと伝え、付き合い、連絡を断ちたいと告げる頭のおかしい男に成り果ててしまった。

まずは謝ろうと思う。

そして許されるのならば力いっぱい抱きしめたい。

大好きな気持ちに変わりはないから。

抑え込んだ気持ちを全てぶつけよう。

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