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僕の彼女は風俗嬢#蛇足編⑧

こちらは以下の続きです。
僕の彼女は風俗嬢#蛇足編⑦|K|note



波はあるかもしれないけど嫉妬がおさまってきた。

連絡をあまり頻繁に返さないようになってからかもしれない。

それかとても多忙だから。

9月に入ってからは自主企画、誕生日、プライズをかけた配信のイベント、ゴルフコンペ、有観客ライブ、オーディション、その翌週はまたゴルフ、ボイトレとスケジュールが完全に埋まっている。

さらに仕事で大やらかしがあったりと頭の中が常に考え事でいっぱいだった。

そんな忙しい合間で紗耶香ちゃんからの愛を感じた瞬間はそれだけで最高に幸せだった。

これで暇になったら僕はまた嫉妬に狂うのかもしれない。

本音を言うと今の忙しいうちに辞めてほしいといったところだ。

しかし懸念点としては紗耶香ちゃんの気持ちが冷めているかもしれないということ。

僕からの返信は恐らくこれまでの半分以下に減った。

紗耶香ちゃんからの返信も同様にスパンが長くなっている。

やっぱり仕事は辞められないとか
頑張っている活動の邪魔になりたくないとか

そんな理由をつけて振られる予感が少しだけする。

僕は振られ慣れているから。

付き合っても大抵僕が振られる側。

悪い部分は分かっている。

だからいつも付き合う前に釘を刺す。

付き合ったら急に冷めるタイプ。

身内には口が悪くなるタイプ。

構ってほしい時に構ってくれないとへそ曲げるけど構ってちゃんには冷たいタイプ。

書いててどんだけ屑なんだろうって思ったけどこれが事実だ。

それでも良いって人とこれまでは付き合ってきた。

そして上のどれかが原因で別れてきた。


でも今回は違う。

僕はいつも伝えるこの3点を隠した。

いや、隠したというよりこうならない覚悟を決めたはずだった。

現状に至ってしまった理由は嫉妬からだが紗耶香ちゃんからすれば冷めたように映ってるかもしれない。

自分がどう思っていようと相手の受け取り方が全てだ。

でも一つだけ信じてほしい。

僕は付き合って2か月ほどになる今でももちろん冷めていない。

言葉遣いにも気を付けているし、構ってほしいって言われたいとさえ思っている。

少し気を引こうと先日出演したライブの映像を切り取って紗耶香ちゃんに送った。

喜んでくれた。

いつか必ず観に行きたいと言ってくれた。

でもどこかテンプレ的な返信で僕は不安を覚えた。

少し前はもっと大げさなくらい褒めてくれていた気がする。

こうやって相手の温度感を感じ取るとこれまでの僕は勝手に不貞腐れて冷めていった。

そしてこの点に関してはいつもと同じ匂いがする。

もう飽きたのかなって不安に思う。

何より9月は出勤を減らして辞める日を決めると言っていたのに全然減っていないようだし最後の日もまだ教えてもらってない。

いきなり辞めるわけにはいかないし事前にお客さんへも伝えたいと言っていた。

別に今後会うわけじゃないのにと思いつつも社会人としては当たり前だからそこは特に意見しなかった。

金輪際見たくなかった写メ日記もチラッと確認したが辞める案内はどこにも無かった。

10月で最後になることは無さそうだ。

やっぱり仕事続けたいのかな…。

心の内でどう思ってるかは分からないけどとても楽しんでいるように見えるしこんなに稼げる仕事は他に無い。

その上これまでに築き上げた地位もある。

世間的には良く映らないかもしれないが風俗だって立派な仕事で成り上がるには相応の努力が必要なんだ。

それを一時の感情で捨て去ることはなかなか出来ることじゃない。

そう思うと僕はまだ待てる気がした。


お互いに結婚の二文字がよぎる年頃。

流石に現状のまま結ばれたいとは思えない。

僕に偏見がなくとも周りの目があるから。

だから僕が将来を考え始めるのは色々片が付いた後。


それまでに何も起こらないことを願うばかりだ。

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