TOEFL TP36 Reading "Early Ideas about Deep-sea Biology"【単語・背景知識】
TOEFL TPO36のReading"Early Ideas about Deep-sea Biology"を解いてみました。
馴染みがない内容で全く理解できず、半分しか正解できませんでした…
この記事では、Early Ideas about Deep-sea Biologyを解くのに必要な単語や背景知識を解説します!!
単語
naturalist - 博物学者
HMS beacon - HMSビーコン号(イギリス海軍の船)
survey - 調査、測量
aegean sea - エーゲ海
triangular dredge - 三角形の浚渫機
leather net - 革のネット
sea bottom - 海底
depth zones - 深度ゾーン
assemblage - 集合体、群れ
elevation zones - 標高ゾーン
distinct sets - 異なる集合体
diminishes - 減少する
zero in distribution - 分布のゼロ点
speculate - 推測する
graph of animal number versus depth - 動物の数と深さのグラフ
final zone - 最終ゾーン
azoic zone - 無生物ゾーン
plausible - もっともらしい
strangest idea - 最も奇妙な考え
entertained - 考えられた
temperature measurement - 温度測定
compressed water - 圧縮された水
incompressible - 圧縮できない
unmoving pool - 動かない水の池
disturbable - 乱される
misconception - 誤解
implication - 含意
abyss - 深海、深淵
postulate - 仮定、前提
sweeping postulate - 大胆な仮定
lifeless abyss - 生物がいない深海
springboard - 出発点、踏み台
Aegean - エーゲ海
birthplace of marine biology - 海洋生物学の発祥地
reeled in - 巻き上げた
wild extrapolation - 過激な推定
pioneering data - 先駆的なデータ
feeble data - 不十分なデータ
disproved - 反証された
long and influential life - 長く影響力のある存在
searching for the northwest passage - 北西航路の探求
lowered - 降ろされた
deep-sea clam - 深海用の貝状採取器
bivalved sediment scoop - 二枚貝状の堆積物採取器
Baffin bay - バフィン湾
inlet - 入り江
fathoms - ファゾム(深さの単位)
modern soundings - 現代の測深技術
overestimated - 過大評価した
sediment - 堆積物
laced with worms - ミミズが絡みついた
starfish - ヒトデ
entangled - 絡まった
contradicted - 矛盾した
boundary - 境界
proven false - 偽りであることが証明された
persistent myths - 根強い神話
interpreted evidence - 解釈された証拠
conventional wisdom - 常識
fundamental premise - 基本的な前提
scientific theory - 科学的理論
feasible explanation - 実現可能な説明
exploration - 探検
expeditions - 探検
interpreted evidence - 解釈された証拠
misinterpreted data - 誤解されたデータ
frigid temperatures - 凍えるような低温
uninhabitable - 住むことができない
abyssal plain - 深海平原
extinct volcanoes - 休火山
geological processes - 地質過程
ocean currents - 海流
thermohaline circulation - 熱塩循環
benthic organisms - 底生生物
pelagic zone - 外洋域
chemosynthesis - 化学合成
hydrothermal vents - 熱水噴出孔
methane seeps - メタン湧出域
biomass - 生物量
seamounts - 海山
azoic hypothesis - 無生物仮説
biogeography - 生物地理学
sensible - 賢明な、分別のある ★単語問題。reasonable
背景知識
1. 19世紀における科学的背景
19世紀は、自然現象を理解するために観察と理論を重視する「自然哲学 (Natural Philosophy)」が広く行われていた時代である。
自然哲学は、生物学、地質学、天文学など、現代でいうところの科学分野を包含していた。特に「博物学 (Natural History)」は、植物や動物、鉱物などを分類し、記録する学問であり、博物学者たちは世界中を探検し、多くの標本を収集していた。
深海については、その探査技術がまだ未発達であったため、科学者たちは多くの仮説を立てたが、その多くは現代から見れば誤解や誤った前提に基づいていた。
海底の生物分布や深海環境に関する理解は限られており、技術的な制約もあって、深海の生物多様性については十分に解明されていなかった。
2. 深海探査の技術と限界
19世紀において、海底から生物を採集するために「浚渫機 (Dredge)」という道具が使われていた。これは海底の泥や生物をすくい上げるための簡単な装置であったが、その性能には限界があった。深海の探索技術は発展途上にあり、特に深海における生物の存在を確認するには不十分なものであった。
「測深技術 (Sounding Technology)」は、19世紀の間に発展したが、深度測定の精度には限界があった。これにより、深海生物に関する誤解が生じることもあった。エドワード・フォーブスのような科学者は、その技術的制約の中でデータを収集し、それに基づいて仮説を立てたが、これが誤った結論を導く原因ともなった。
3. 深海に関する初期の仮説
エドワード・フォーブスは、深海に関する「アゾイクゾーン (Azoic Zone)」仮説を提唱した。これは、深さ1800フィートを超えると生物は存在しないというものであった。この仮説は、彼の限られた調査結果に基づいており、当時の科学的理解としてはもっともらしいものであった。しかし、後の研究により、この仮説が誤りであることが明らかになった。
他にも、19世紀初頭にはフランソワ・ペロンの「海底が氷で覆われている」という仮説や、深海の水が圧縮されて何も沈むことができないという誤解が存在していた。これらの仮説は、深海を無生物の領域と考える共通の認識に基づいていた。
4. 19世紀の探検と発見
1818年のジョン・ロスの探検では、北西航路を探しながらバフィン湾で深海を調査し、深海でも生物が存在することが確認された。これはフォーブスのアゾイクゾーン仮説に反する発見であり、深海には豊かな生物多様性が存在する可能性を示唆するものであった。この発見は、後の深海生物学の発展に重要な影響を与えた。
5. 海洋生物学の発展
19世紀から20世紀にかけて、海洋生物学が急速に発展し、深海に関する理解が深まった。深海は過酷な環境であると同時に、独自の生態系を持つ場所であることが明らかになり、フォーブスの仮説は最終的に否定された。
深海生物学の研究は、生命の進化や適応に関する新たな知見を提供し、地球上の極限環境での生物の生存戦略を理解する上で重要な分野となっている。
6. エドワード・フォーブス
エドワード・フォーブス(Edward Forbes、1815年 - 1854年)は、19世紀イギリスの博物学者および海洋生物学者である。彼は海洋生物の分布に関する研究で特に著名であり、その理論は当時の生物学と地質学に多大な影響を与えた。
フォーブスは1815年にマン島ダグラスで生まれた。幼少期から自然に強い興味を持ち、特に海洋生物に魅了されていた。彼はエディンバラ大学で医学を学ぶが、最終的には自然史(博物学)に専念する道を選んだ。大学時代には、フィールドワークに参加し、自然史に関する広範な知識を身につけた。
1841年から1843年にかけて、フォーブスはイギリス海軍のHMSビーコン号に博物学者として乗船し、エーゲ海の調査を行った。この調査において、彼は浚渫機を用いて海底の生物を採集し、深海における生物の分布に関する貴重なデータを収集した。彼は、海洋の異なる深度に異なる生物群が存在することを発見し、これを「ゾーン」理論として提唱した。
フォーブスの理論の中でも特に有名なのが「アゾイクゾーン (Azoic Zone)」仮説である。この仮説は、深さ1800フィートを超えると生物は存在しないというものであり、当時の科学界で広く受け入れられた。しかし、後の研究により、この仮説は誤りであることが明らかとなった。深海には多くの生物が存在し、彼の調査結果は不十分なデータに基づいていたため、修正が必要であった。
フォーブスはまた、地質学と古生物学の分野でも重要な貢献を果たした。彼は化石を用いて古生物学的な研究を行い、地層の時代区分に関する知見を深めた。また、イギリス各地の地質調査にも積極的に参加し、地質学的な地図作成にも寄与した。
フォーブスの研究は、19世紀の生物学と地質学に多大な影響を与えた。彼の海洋生物学に関する理論は、後に修正されたが、自然界の理解を深める上で重要なステップとなった。彼はわずか39歳で亡くなったが、その短い生涯において多くの学術論文を発表し、後世の科学者に多大な影響を残した。
ジョン・ロス
ジョン・ロス(John Ross、1777年6月24日 - 1856年8月30日)は、スコットランド出身の探検家および海軍士官であり、特に北極探検で知られている人物である。彼は北西航路を発見するための複数の遠征を指揮し、北極地方の探査において重要な役割を果たした。
ジョン・ロスはスコットランドのウィグタウンシャーに生まれた。若い頃から海軍に従事し、18世紀末から19世紀初頭にかけてヨーロッパおよび北アメリカでの軍務を経験した。彼の名が広く知られるようになったのは、1818年にイギリス海軍の指揮官として北極探検に出発したときである。
ジョン・ロスは、北西航路(北極海を経由して大西洋と太平洋を結ぶ航路)を発見することを目的として、イギリス海軍による1818年の探検遠征を指揮した。この遠征には、エドワード・パリーやジョン・フランクリンなど、後に著名な北極探検家となる人物も参加していた。
1818年の探検では、ロスはバフィン湾(Baffin Bay)を探査し、ランカスター海峡に到達した。しかし、彼はその海峡を視覚的に確認したときに、氷山と混同して行き止まりと誤認し、探査を中断してイギリスへ帰還することを決定した。この判断は後に批判を受けることとなり、ロスの名声に傷がついた。
1829年、ジョン・ロスは再び北西航路探検の指揮を執る機会を得た。この探検では、彼の甥であるジェームズ・クラーク・ロスが同行した。この遠征で、ジョン・ロスはブースィア湾に到達し、北磁極の位置を正確に測定するという大きな成果を上げた。また、4年間にわたる探検中、極度の寒冷地で生き残るための適応技術を学び、最終的に救助されるまで過酷な条件の中で生き延びた。
ジョン・ロスは晩年に、彼の探検経験についての著作を執筆し、これが後の探検家たちにとって貴重な資料となった。彼の探検活動は、北極地方の地理的知識を大いに広げ、特に北磁極の正確な位置を明らかにするなど、後世の科学研究に大きな影響を与えた。
彼は1856年に亡くなったが、北極探検における彼の貢献は長く評価され続けている。ジョン・ロスの業績は、彼の名を冠した地名(例:ロス海など)に残されている。