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統合失調症 注察妄想のストレス
注察妄想とは室内にいても誰かにいつも監視されていると思い込んでしまう妄想で被害妄想の一種です。
私は自宅の前に人が張り込んでいて監視しているように妄想が働いていました。それに加え幻聴もそれに連動して聞こえてきました。まるで頭の中を監視されているかのようでした。考えたことを外で見張っている人が話しているのです。明日の予定などを考えるとまるで筒抜けのように話されます。
幻聴がなくても表と裏にいつも人がいて自分のことを監視している、出入りを見張っていると考えていました。もちろん外に出ても誰もいません。出かける前にそっと外を確認したりしてみましたが表の道路に人はいませんでした。その時は裏を見に行っているのかもしれないと考えたりもしていました。それでも見張っていると考えると外に出るのが怖くなります。
また、幻聴が聞こえてくるので思い込みだけでなく私の耳には確かに外に人がいるように感じていました。
どんな人が張り込んでいるのかというと、いわゆる強面の人とその家族です。朝やってきてウロウロと監視しながら私の話したことや考えたことを誰かと話します。電話で誰かと確認のやり取りをしたりしています。やがて強面の男の奥さんらしき人がやってきて交代して見張りを始めます。午後になるとその二人の子どもらしき人までやってきて見張りを始めます。そして夜になると車で帰っていきます。
普通に考えればそんな暇な人はいないと思うのですが、声が聞こえてくるので私の中では真実になってしまいます。
家の中には流石に入ってこないのですが、まるで盗聴でもされているかのように今何をしているのか言い当てられます。
私の注察妄想に出てくる見張り役はそれだけではありません。上に住んでいるであろう子どもがいつも上から聞き耳をたてて自分を監視しているように感じていることもあります。それは確認のしようがありませんが、注察妄想の一種だったと思います。それも妄想に連動して幻聴が聞こえてきました。
今何をしている、今日は何をしていた、家にいなくてもまるで一日付きまとっていたようにその日の出来事をベラベラと話しているのが聞こえてきます。カメラでもついているのか、天井に穴でも空いているのかと考えてしまうこともありました。
また別の注察妄想もあります。
家のまわりに知らない人がやってきて理由のわからないことをずっと話しているというものです。理由のわからないことと言うのは例えば、
「あいつは医者だ。だからこんなことをしている」
という謎の言葉を延々と話している人達がやってきて、入れ替わり立ち代わり内容は少し違うのですが上記のようなことを言いながら私の周辺を監視してきます。自宅にいても外の声が聞こえてきます。私はその人達を見てもいないのにどこにどんな人がいるかを把握していました。あくまで妄想の出来事ですが。
注察妄想はどんなに健康的な生活を送ろうとなくなることはありませんでした。私の場合、毎年春から冬にかけて幻聴が悪化する時期に注察妄想も悪化し、見張られていると妄想するようになりました。
毎年見張ってくる人は違いますが、種類がいくつかありその4種類くらいの妄想が毎年入れ替わっていたように思います。
ストレスのかからない生活をしても家の中を見張られているように感じるので、家にいることができなくなります。しかし、外は外で別の注察妄想が働くのでどこにいても何をしていても逃れることはできませんでした。睡眠を長くとろうが、健康的な食生活を心がけようとも意味はありませんでした。
結局注察妄想に効果的だったのは薬でした。薬を飲むようになってから3ヶ月ほど経ったときに、いつも見られている、監視されている、盗聴されているといった妄想はほとんどなくなりました。またそれに連動していた幻聴もほとんど聞こえなくなりました。
薬を飲んでいなかったら今でもその妄想に苦しんでいたかもしれないと思うとぞっとします。
その頃はただ耐えるしかなかったからです。
どんな良い生活習慣を送ってもストレスのない生活を送ってもその妄想がなくなることはなかったので薬が効果的であることがよく分かります。
もし、似たような症状で苦しんでいて、薬をまだ飲んでいない人がいれば医師に相談してみることをおすすめします。
私の場合はドパミンに部分的に作用するアリピプラゾールを飲むようになってからドパミンの量が一定に保たれたのか、妄想がなくなっていきました。
注察妄想はどこにいても常に監視されているという悪夢を味わう妄想です。真実と思い込んでいるのですが、例えば盗聴器などを探しても見当たらず、解決の糸口がなくただ耐えるしかないと感じてしまいます。
個人差があると思いますが、連動して幻聴なども聞こえるようになってしまうのでストレスになります。人によってはそれで鬱状態になることもあるかもしれません。解決策は私の場合は薬を飲むことだけでした。
統合失調症はドパミンの分泌量が多すぎることが原因と考えられています。精神病とは言いますが脳の障害なので薬を飲むことでしか抑えられないのかもしれません。他の方のnoteを閲覧していても注察妄想で苦しんでいる方を見かけることが多々あります。
この経験が少しでも参考になれば幸いです。
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