15メートルはある大イチョウが、一気に黄色くなった

昨日の青空には紅葉が映えた。
今年いつまでも色付かなかったイチョウ。
この枝先まで15メートルはある大イチョウが、一気に黄色くなった。
しかも葉の一枚一枚に、艶も見え始めた。

今年は、はっきりした紅葉が無いままに、葉が散って終わりかと思っていた。
最後の最後に、粘りを見せてくれたイチョウが私を喜ばせてくれた。
 
そういえば愛知県の香嵐渓の紅葉も、例年より遅れてやってきたと新聞で見た。
しかも色づきは、昨年よりもいいらしい。
夏が暑かった分だけ、紅葉が開遅れている。

私自身も、3週間ほど前、紅葉を期待してせせらぎ街道を走った。
岐阜県のせせらぎ街道は、紅葉を見るためのライダーや、ドライバーが集まる場所。
この街道は、標高の低い所から高いところに移動していく。
そのおかげで紅葉や、桜前線など季節変化のあるものについて、どこかでぴったりの物を見ることができる。
桜であればどこかで満開の桜に出会うことができる。
紅葉もまた同じだ。
今年もそれを期待してドライブしてみたものの、どこのエリアで見ても鮮やかな紅葉はなかった。

一本、二本鮮やかに色づいている木はあっても、エリア全体での美しさに欠けた。
山全体が萌えているというところを見つけることができなかった。
今年はこんなものかとあきらめていた。
そんなところに来る紅葉は、格別なものがある。

 
先週、東京から、甲府方面に走った中央道からも、富士山を背景にしたきれいな紅葉を見ることができた。
山全体がきれいに色づき、秋の終わりを知らせていた。
私は運転を人に任せて、車窓からの風景を一生懸命写真に撮った。
今年は、いつまでも暑い日が続いて、その後急に冷え込んでしまった。
秋の夜長、ゆっくりと日が沈むのをベランダで楽しむ余裕がなかった。
秋がないねというのが、時候の挨拶のようになってしまった。

おそらく木々も、どのタイミングで紅葉したらいいのか決めかねていたに違いない。
気の早い木は、落葉を始めてしまっていたから、きちんと持ちこたえた木々が、秋の終わりを宣言してくれたのはうれしい。

そうかもう冬が来るのだ。

そういえば先週は、雪虫が舞うのを見た。
雪虫は、初雪の前に舞うという感覚がある。
タイヤ交換をしておかないと、後でひどい目に合う。
雪虫は、そんな合図をしてくれる。
合図を見逃さないようにしておけば、突然の積雪に慌てる必要はない。
そんな雪虫だが、大抵は紅葉が先に来て、雪虫が後に来る。
なんだか今年はそれが逆転してしまった気もする。

それにしても、真っ青で高い空に、黄色く色づいたイチョウ。
そして真っ赤に色づいたモミジ。

赤と黄と青がいろなす紅葉は、春先の薄いピンクと、ぼんやりしたカスミのかかった青空が作る花見とはまた違う良さがある。
いずれも少し肌寒さを感じながら、その木々の先端を見上げるとき、また一つ年をとるのだという覚悟が迫ってくる。
もう師走になってしまった。

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