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洋酒入門

昨日の話に続くが、
小学生の頃に購入した小さな図鑑に、
「洋酒入門」という本があった。

小学生だから酒は飲めなかったし、買えなかった。

香水もそうだが、どうやら私は、
嗅覚とか視覚とか官能に訴えるアイテムで、数多くの種類があり、かつ其々に名前が付けられている…そういうものに
惹かれるようだ。  

つまり「言葉」も重要な要素なんだ
という事が、いまさら分かった。

数日前も日本橋三越の特設コーナーに陳列されていたインクに興奮した。

いろんなメーカーのインクが一堂に集められていた。
たくさんの色が並び、気の利いたパッケージに入れられて、其々に想像を掻き立てる名前がついている。

思わず買い込みそうになったが、自制した。
インクを使用するビジョンがない。
(お母さん、私のGペンどこにいったのでしょうね…)

さて小学生の私が
本「洋酒入門」のどこに強く惹かれたかというと、
カクテルのページである。

洒落たグラスが美しい色の液体で満たされ、其々に名前がついている。

マンハッタン、ピンクレディ、グラスホッパー…どんな味なんだろう?
またしても、切ない悶々とした気持ちを味わった。…ような気がする。

長じてからも、シェイカーとかマドラーとか欲しがっていたが、
そちらの道には進まず、
飲むほう専門になった。

しかし、カクテルからは次第に遠ざかり、
私が日本酒やワインやビールと仲良くしている間に、
日本のカクテルは深化を続け、海外から客が連日詰めかけるほど、世界に誇る個性とカリスマを持つ文化になっていた。

そのトップ付近を走り続けている
Bar BenFiddich。
毎月一度は行く事にした。

このnoteを毎日書く事と同じだ。
自分に課した素振りである。
決して呑兵衛の言い訳ではない。

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