
記憶の底に眠る映画
昨日は夜に歌の仕事があったので、
午後が進むに従って
そろそろ身支度を開始しないと…
と、思いつつBSをつけたら
映画をやっていた。
途中からなので何かは分からないが
斬新な映像で目が離せなくなる。
しばらく見ているうちに
この映画、昔見たことがある…
と、思い始めた。
ストーリーが進み、
ドミニク・サンダが登場した時点で
確信に変わった。
暗殺の森だ。
10代の終わりに、
その頃すでに伝説的な映画として知られていた同作を
岩波かどこかで観たのだ。
と、なると、
どうしても、あのダンスホールのシーンまでは観たい。
支度の間に合うギリまで粘る事にする。
女ふたりの痺れるタンゴのシーンを
何十年かぶりに観て、
それに続くダンスホールの渦巻きを
全く覚えていない事にも気づく。
そのシーンの終わり頃にホールに流れている曲が
待ちましょう、である事も
今ならわかる。
それに先立つシーンの
男二人の書斎での会話が、
洞窟の比喩である事も
今ならわかる。
なんとなく嬉しくなる。
自分が箪笥だとしたら、
造りはどんどん劣化していくが、
引き出しはまだ増え続けている。
いや、
空になった引き出しに
新しいモノを入れているだけかもしれないが。
昨日は、最後まで見れなかったので
こんど全編をゆっくり観たい。
まだまだ新発見がありそうで、
ワクワクする。
それにしても
相変わらずカッコよかったな、
ドミニク・サンダ。
昔、ベルサイユのばらが向こうで映画化された時、企画段階では
オスカルの候補は彼女だったと聞いた事がある。