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ついに悪夢から覚める方法を見つける

私が見る悪夢にはいくつかバリエーションがあり、そのひとつが
「出番が迫っているのにステージに遅れそう」という夢だ。

最近の傾向は、そのステージは「歌」である場合が多い。

昨夜の夢はキツかった。

ライブの現場に着いて荷物を下ろし、何かを確認しに行って戻ってきたら、
その荷物が無くなっていた。

ここから、夢の中で荷物を探す旅が始まる。
そして、荷物には辿り着かず、開演の時間だけが刻々と迫ってくるのだ。

だいたいはそんな内容だが、
毎回ディテールが違う。
私の中にある悪夢担当AIが
手を変え品を変え私を苦しめる。

今回は、夢の中で
ステージ関係者に連絡しようと思い
ポケットを探ると、
出てきたのはなぜかガラケー。
これは、私が持った初代の携帯電話だ。
これにMさんの情報は入っていない。
ああ…連絡もできないのか…
焦りは頂点に達する。

いつの間にか、
私は立派な寺院の渡り廊下のようなところを歩いていた。
そこを渡り切る前に、廊下の突端が
ガクンと崩落して、屋根に落ちた。
どうも、私が壊したようだ。

渡り廊下の下に屋根があるのが奇妙だが、
夢というのは、状況がどんどん後付けされるのだ。  

夢の中で私は苦悩する。
こんな歴史的建造物を壊して許されるのだろうか…と、少し迷ってから自首することにした。

屋根の遥か下には大きな池が見える。
そのほとりを、立派な袈裟を着た僧侶が歩いているではないか。

まずはあのお坊さんに自首だな、と思い、少し躊躇ったのち、
その池に飛び込んだ。

ところが、思いの外、水音も立たず、
しかも頭まで沈む事なく池に落ちた。
苦もなく岸まで泳ぎ着くと、
坊さんはいなくなっていた。

が、前に交番がある。
よし、これに自首だな。
と思い近づこうとするが、
なぜか混み合った交番で
順番を待つ人々が行くてをはばむ。

この時点で、さっきまで私を苦しめていた、
ライブをすっぽかし迷惑をかけて信用を無くす…という恐怖が、
なかなか自首ができないというもどかしさに変わっている。

そのうち
お巡りさんはどこかへ行ってしまう。
その後を追って、
私は、金属製の吊橋みたいな通路にいた。
人ひとり分しか横幅のない細い通路だ。手すりはしっかりある。

ここら辺で、(これ夢なんじゃないか?)と思い始めた。
そこで、夢かどうか試してみようと思った。

ここから飛び降りるのだ。

だが、下を覗き込んだら、
とんでもなく高い所だった。
しかも、いつの間にか通路の両側に沢山の人がいて、やめろやめろと言う。

迷った。やはり飛び降りるのは怖い。
夢でなかったらどうなるか。

迷っているうちに吊り橋状の通路が傾き、私は手すりを掴んだまま、
空に宙吊りになる。

焦ったが、
そこで気づいた。

全身の重さを手だけで支えた場合、
そのキツさはこんなもんじゃないと。

確信した。
これは夢だと。
そのうちに目が覚めた。

私にとっては画期的な事だ。

これからは、悪夢になったら
高所から飛び降りる前に
そこからぶら下がってみればいい。

我が家に
ぶら下がり健康器がある意味がやっと分かった。

↑これは本当

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