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浜松の駅ピアノ
先日、数年ぶりに浜松を訪れたが、
新幹線エリアにはお楽しみがある。
駅ピアノだ。
広告スペースでもあるから
とてもゴージャスだ。
弾いてる人もゴージャスだ。
誰かは知らないが、
本息で弾いている。
リハか?
毎回そんな感じなので、
ここの駅ピアノはハードルが高いと感じる。
噂によると「楽器の街」浜松の子供は、
女はピアノ、男はギターを
ほぼ全員習うらしい。
すごいな。
でも、ほんとか?
話半分にしても、素晴らしい。
楽器を独学でものにした人の話をまれに聞くが、
そんなの稀も稀、稀の海だ。
辛抱が必要だから、一人では難しい。
指導者が必要になる。
幼稚園の時に父がオルガンを買ってくれたが、
あれは自分が欲しかったんだな、いま思うと。
習いに行かなかったので、弾けなかった。
高校生になってから、
ミシェル・ポルナレフの「バラ色の心」を弾き語りしたくてピアノを習い始めた。
当時、ポピュラーピアノというコースはなかったので
バイエル、ブルグミュラー、ハノン、ソナチネといった道程を歩んだ。
好きになれる曲もあってそれなりに楽しかったが、ソナチネに入ったあたりで、やめた。
いまなら、
すぐ弾きたい曲を教えます的な教室もあるような気がする。
結局、それきり弾かなくなったので
いまも弾けない。
でも楽譜の構造が理解できるようになっただけでも有り難い。
そして、今でも覚えているのは、
その時の先生が、
ドビュッシーのアラベスクのさわりを弾いてくれた時の感動だ。
先生が弾いている、そのピアノの横に立ち、
音の響きを浴びた。
あれはゴージャスなひと時だった。