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シモキタの野田岩

昨夜、鰻をゴチになった。
実にいい年末だ。

久々の、十年ぶり以上の
野田岩は相変わらず美味かった。

そして、店内が綺麗。
アンティーク調のガラス製のランプシェードや、黒光りする梁には、
埃ひとつ見当たらない。

決して広くない空間だが、
居心地のよい濃密な世界だ。

仙台で小学生をやっていた頃、
私は好き嫌いが多くて
肉がダメ、刺身もダメ、
せっかくの三陸の幸を逃してきた。

しかし、ある日祖父に連れられて行った一番町の鰻屋。
美味かった。
好物になった。

普段は鰻の存在を忘れているが、
昨日は下北沢で「鰻でも」という流れになったので、
野田岩を思い出して行ってみた。

木枯らしの中、訪れたので
熱燗もおいしかった。
土曜で店内は予約客で満席だった。
一時間だけ座れてラッキーだった。

コースターをもらってきた。
歌舞伎の六代目菊五郎の言葉が記してある。
野田岩の当代は五代目。

今日やっと意味が分かった。

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