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教頭選考対策 核心部①〜実は試験より重要? 教頭選考受験までの「隠れた評価ポイント」


教頭選考は、筆記試験や論文で高得点を取るだけでは合格が保証されません。
管理職としての適性、現場での実践力、そして学校運営に必要な広い視野が問われるため、隠れた評価ポイントに注目する必要があります。

また、教員は民間職と異なり、高い自己評価に陥りやすく、狭い価値観に固執しやすくなる傾向があるともいわれます。管理職を目指すとなれば、学校は文部科学省や各教育委員会の下部組織であることを理解し、広い視野とバランス感覚を持つことが求められます。

さらに、教諭から管理職を目指す場合、現在の校長や教頭の評価が大きな影響を与えることを理解する必要があります。管理職候補としての適性が現場で認められなければ、教育委員会に推薦されることは難しく、試験合格後の人事にも影響を及ぼします。

加えて、地方公務員法第32条では、**「職員は、その職務を遂行するに当たっては、上司の職務上の命令に従わなければならない」**と規定されています。
この法令を軽んじて、組織より自分の経験や自信、価値観を基準として行動する教員は、組織運営の観点から「管理職に不適格」と判断される可能性があります。
教諭は組織の一員だという自覚を持っているかどうか、管理職はその振る舞いから判断しています。

(学校は一つの組織であり、国の組織の一つでもあります。この認識が甘い教員が管理職になったら、どうなるでしょう。特に校長の権限は強いものです。)

以下、具体的な評価ポイントを解説します。

① 筆記や論文で高得点でも最終的に選考されない人の特徴

⚪ 知識偏重で実践力不足

 - 単に暗記しているだけでは、現場での判断力や問題解決能力が不足していると評価される。

⚪ 作成した文、回答が形式的・具体性に欠ける

 - 管理職としての視点や、改善策を示す具体性が不足していると、実際の学校運営に通用しないと見なされる。

⚪ 狭い価値観に固執する

 - 自分の生徒への熱意や実績に偏り、全体最適を意識しない場合、組織全体の視点からは「裸の王様」と評価される可能性がある。

⚪ バランス感覚の欠如

 - 個別の実績だけでなく、文部科学省や各教育委員会の方針に沿った全体運営の視点が不足していると、管理職としての適性が疑われる。

⚪ 上司の指示に従わない

 - 地方公務員法第32条に違反するような行動(例えば、校長の方針に意見具申ではなく公然と反発するような態度など)は、管理職にふさわしくないと判断される。

② 実際の選考で重視される「文章の書き方」と「受け答えのクセ」

⚪ 文章の書き方

 - 選考時の解答文章、論文等には論理的な構成と具体的な事例が読み取れることが求められる。
 - 選考試験では単なる知識の羅列ではなく、学校運営や現場での改善策を示す点が重要。日頃から磨いておきましょう。理想だけでは学校は動きません。

⚪ 受け答え、表情のクセ

 - 面接では「結論→理由→具体例→再結論」の流れが評価される。
 - また、自信のある話し方、柔らかな表情、そして適切なアイコンタクトが、管理職としての資質を印象付ける。また、どんな緊急事案、現場でも耐えられるかを試すため、圧迫面接が実施されるケースも多いようです。これまでの修羅場をくぐった経験の差が出るようです。負けないでください。

③ 校長・指導主事がチェックする「教頭としての適性」

校長や指導主事は、実際に学校運営を任せられるかどうか、以下の視点から総合的に評価しています。

⚪ 管理職としての判断力と柔軟性

 - 現場の課題を的確に把握し、改善策を提示できるか。
 - 突発的なトラブルにも冷静に対処できる柔軟性が求められる。

⚪ リーダーシップとチーム調整力

 - 校長や教育委員会との連携を踏まえ、学校全体をまとめる調整能力が必要。
 - 自己中心的な実績に固執せず、全体の最適化を図る視点が評価される。

⚪ 広い視野とバランス感覚

 - 文部科学省や各教育委員会の方針を踏まえた上で、学校運営に必要な全体最適を追求できる人物であることが必須。

⚪ 対外的コミュニケーション能力

 - PTA担当として保護者との信頼関係を構築する能力。
 - コミュニティスクールや地域連携を通じて、地域住民との折衝力。
 - 児童生徒のトラブル対応時に保護者、警察、福祉関係機関などと円滑に交渉する能力。

⚪ 校長・教頭からの評価と教育委員会への報告

 - 日常の勤務態度が管理職適性の評価に直結する。勤務のきまり、時間や提出期限が守れているか。服装、電話対応は教師として適切ですか?
 - 上司の指示を適切に理解し、それに基づいて行動できているかが重要。
 - 教育委員会に推薦されるかどうかは、校長・教頭の評価に大きく左右される。

④ まとめ:隠れた評価ポイントを理解して合格へ近づく

⚪ 筆記試験や論文で高得点を取るだけではなく、管理職としての適性と実践力が重視される。
⚪ 文章作成や面接での受け答えでは、論理性、具体性、前向きな姿勢が必須。
⚪ さらに、対外的なコミュニケーション能力(PTA担当、地域連携、保護者・関係機関との調整力)を備えていることが、管理職としての適性を大きく左右する。
⚪ また、現在の勤務校の校長や教頭からの評価が、教育委員会への推薦・選考に大きく影響を与えるため、日頃の勤務態度やリーダーシップが極めて重要。
⚪ 地方公務員法第32条「上司の職務上の命令に従う義務」を理解し、日々の職務を適切に遂行する姿勢が、管理職適性として評価される。

ここでは試験官や人事の視点に立ち、受験者が見落としがちな**「隠れた評価ポイント」** ―特に管理職としての全体最適の追求や対外交渉力、校長・教頭からの評価、法令遵守の意識― に着目してみました。

この内容を理解し実践することで、単なる知識対策を超え、管理職としての総合的な適性を磨くための具体的なアプローチが見えてくることでしょう。
試験対策にとどまらず、実際の学校運営で評価される管理職をイメージするのが大切だと思います。

※補足

教頭試験は選考試験です。
あくまで選考ですので、基準点をとって合格ではありません。

合格できる人数、ポストの数は校長の退官や退職によりますから変動します。
また、地方によっては学校の統廃合で採用人数が減り、倍率が上がり、勝ち抜くのが大変です。
さらに指導主事などの優先枠もあるでしょう。学閥、派閥、縁故の噂は昔から消えません。しかし、それを証明するものはありません。面接官が旧知かどうかで状況が変わった噂も聞きますが真偽不明です。
人事はどの業界もアンフェアな話はつきものです。受からない方の言い訳もあるでしょう。
他人は関係ありません。周りに左右されず、自分の能力を日々磨くことが一番であると思います。

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