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お揃いのTシャツ

嬉しい事が、一つ起きた。
毎日の。1日2回の午前のリハビリの時であった。
3階にあるリハビリ室には多くの人が集う。
だから、「身だしなみには、気をつけて」との看護婦さんの一言。
私のいでたちは、洗いざらしのジャージに、白のTシャツ、その上に濃いブルーのシャツを着ている。
Tシャツの左胸には四つ葉のクローバー。そして小さく足し算。
そんなロゴを、あたかも見せびらかす如く、胸をはだけていると、
見るとは無しに、ロゴに気づき、
「ステキな、珍しいロゴですね?」と
私はおもわず、「妻と同じ手作りだ」と。
すると廻りから、「夫婦仲がいいですね」と、何か冷やかされているのかと想いつつ、まんざらでは無いのか1人、悦に入っている自分がいた。
さらによほど嬉しかったのか、いつもより多弁なもう1人の自分がいた。
本当はロゴの話なのに、いつの間にか夫婦仲の話に。
まんざらでは無いのか、尚更多弁になっていた、僅かな事でも誉められと嬉しい。
あらためて、気づかなかった、もう1人の自分に気づいた。
さらに多弁になっていた事を考えていると、話がしたかったのかな?
ならば他の年配の人達も話がしたいのか?
そう想いながら周りを見ていると隣の102歳になるオジイさんが看護師さんとの会話を身振り手振りで、端から見ていても愉しそうに楽しんでいる印象的であった。
皆、会話をしたいし、楽しみたい。
それとはなしに周りを見ていて感じた事は、皆会話をしたい。ということ。
自分が感じていた事が確信へと代わる一時であった。
これからの入院生活を楽しく会話をしながら、実社会でも会話をより多くしながら楽しく過ごそうと改めて肝に命じた1日であった。
病室に帰ってからも、ウキウキとしている自分が、そこにはいたのである。

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