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親の本音

この親というのは、僕の親ではなく見知らぬピンクニットママのことだ。
仕事で外回り中にすれ違ったママ友と子供達。
その中で、割と仕事に集中していたにも関わらず、右から左へ流れるはずのママ友の会話が右耳で急停止した。

さっきまではちょうど黄色パーカーママと水色ロンTママに挟まれいて"信号だ〜"と思ってた矢先、ピンクママが自ら抱えている子供に「ねぇ〜重いからゴミ箱に捨てていい?ねーいい?」
流石に二度見せずにはいられなかった。
二度見したのは、お釣りとして見知らぬお札を見て新札だと思ったのに二千円札だった時以来だ。

「進め」と「警告」も日常のように過ごしていてとんでもない街に生まれたなと小さい命に同情した。
どういう感性が宿っていくのか気になって仕方なかったが、切り替えて仕事に戻った。

微かに聞こえたそれを受けた子が「え〜臭いから嫌だぁ〜」と言った事に場が盛り上がっていて、劣悪な環境をあの歳でオトして乗り越える彼とならば、是非一度食卓を囲みたいと切実に思った。

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