見出し画像

花がつないでくれた幸せな話 令和元年12月21日 人とチームのハッピーファースト 18号

Brilliant Future Consulting代表石原孝尚です。

このnoteは、

高校、大学教員を経てサッカーコーチとして世界も経験し「人とチームが幸せに」という思いで2019年10月28日から毎日お届けするつもりが最近は休みがちな笑、みんなの未来を明るくするきっかけを提供するノートです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

12月、サッカーの天皇杯、皇后杯の季節です。

今日は男子の天皇杯の準決勝。明日は女子の皇后杯の準決勝。

自分のことを思い出しました。

僕は、2013年、INAC神戸の監督時代、自分の机に花を飾っていました。クラブにはお祝いで花が届くことが多かったのですが、ただ置いてあるだけで、もったいないなと思っていました。

スタッフの一人が「石原さん、花は悪い気をすってくれますよ」と言うので、その時から自分の机に花を飾るようになりました。

練習場のある六甲アイランドの花屋さんに毎週月曜日に通うようになりました。

おじちゃんとおばちゃんがやっている小さな花屋さんでしたが、最初は300円ぐらいで買える花のセットを選らんで机に飾っていました。

毎週行くようになっていたので、そのうち、おばちゃんが準備して花を渡してくれるようになりました。その頃から「お金は大丈夫」と言われちゃっていました。

リーグカップの決勝あたりから、おじちゃんが「監督、やっぱり勝負は赤いバラやで!!」と試合前日にも赤いバラをいただくようになりました。

毎週、月曜にその週の花をもらい、週末、試合前にバラをとりにいくというサイクルができました。

不思議なもので、その週ごとに、花の元気がなくなるペースが違っていました。

早いときは2日ぐらいで元気がなくなり、ある週は試合前日まで元気だったりしました。僕は「花が悪い気をすって僕の代わりに弱ってくれているんだ」と思っていました。

リーグカップ、リーグ戦、そしてチェルシーと決勝で戦った世界選手権を優勝し、残すは皇后杯だけになりました。

12月、準決勝、決勝を残す週、いつものように花屋さんにいきました。その時はコーチに送ってもらい、おばちゃんが用意してくれていたその日の花をもらって車に乗ろうとしました。

その時、花が折れて、地面に落ちてしまいました。

準決勝、決勝をひかえたトレーニングの週だったので、何か気になって、もう一度、おばちゃんのことろに戻り、「おばちゃん、花が折れちゃった」と、花をかえてもらいました。

その時の写真がこれです。

その週のトレーニングも終わり、いつもならバラをもらって帰るのですが、準決勝、決勝で遠征になるので、クラブハウスには戻れず、花瓶の花を交換できないので、自分が使っていた花瓶を花屋さんに持って行き、その花瓶に、花を飾ってもらうことにしました。

その日はおじちゃんがいなかったので、おばちゃんに「優勝してくるね!」と言って、準決勝に向けて移動しました。

準決勝を勝利し、いよいよ決勝。

決勝直前、花屋さんに電話して「おばちゃん、優勝するね」と伝え、

延長、そしてPKの末、優勝することができました。

優勝セレモニーが終わり、バスに乗って、携帯を確認しメールがはいっていました。

花屋でよくお会いしていた知り合いの方から

「花屋のおじちゃんが亡くなりました。おばちゃんは監督が心配するから試合が終わるまで伝えないで欲しいと言われました。」

次の日、すぐに神戸に戻り、優勝メダルを花屋さんに持っていきました。

おじちゃんに渡したかったメダルは今もおじちゃんが持ってくれています。

準決勝の前、車に乗ろうとして、花が折れた時、おじちゃんは、倒れて入院していました。

花が折れてしまったのは、何かのメッセージだったのかもしれません。おばちゃんは、そのことを僕には伝えず、心配かけないようにしてくれていたと思います。

決勝は延長、PKで苦しい試合でした。

おじちゃんが見守ってくれたおかげで僕も選手たちも頑張れたんだと思います。

僕が花屋さんにかけつけたときも花瓶には赤いバラでした。

あれから6年たった今も

僕の花瓶におばちゃんが毎週、花をかえてくれています。

花がつないでくれた幸せなお話です。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

★ 石原 孝尚(いしはらたかよし)
Happy First Achievement 「ひとりひとりの幸せの先に成果がある」
サッカーコーチ・グローバルディレクター・自治体スポーツ振興アドバイザー・サッカー解説・企業研修講師
1977年4月8日生まれ 愛知県春日井市出身

金沢大学卒業、筑波大学大学院に進学しサッカーU21男子日本代表や女子日本代表スタッフ。大学院ではコーチングとともに健康教育学を専攻、修士論文のテーマは「母親のメンタルヘルス」。

大学院修了後、前橋育英サッカー部コーチになり現在タイでプレーする元日本代表細貝萌やセレッソ大阪田中亜土夢を指導。帝京高校ではプロ野球ソフトバンク中村晃や日ハム杉谷拳士、阪神原口文仁を教員としても指導。清水エスパルスの大久保拓生やサンフレッチェ広島の稲垣祥など多くのプロ選手も育て、新宿歌舞伎町ホストで活躍中のROLANDも指導。

大学教員を経てINAC神戸監督として澤穂希、川澄奈穂美らと史上初の四冠。その後アメリカに拠点を移しアメリカ女子プロリーグSky Blue FCのコーチに就任。アメリカ代表キャプテンChristie Ramponeなどアメリカ、オーストラリアなど各国代表選手たちを指導。その後、浦和レッズレディース監督、オーストラリア女子プロリーグMelbourne City FC Ladiesコーチ。
現在、FCふじざくらグローバルディレクター、岡山県高梁市のスポーツ振興アドバイザー。自身の経験を生かしてHilton Tokyoなど企業研修も行う。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

いいなと思ったら応援しよう!