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冷たい家|#読み切り小説
今日は雰囲気を変えて、夏に合わせた読み切り小説を綴ってみます。
スキマ時間にさらりと読めるお話です。
よろしければご高覧下さいませ!!
![](https://assets.st-note.com/img/1722993965601-DX2XrA6wPt.png)
隆也は最近、家にあまり寄り付かなくなった。帰宅すると、何とも言えず暗い雰囲気が漂っている。妻の美月と、顔を合わせたくなかった。
今日もわざと残業して、夜遅く帰った。
しんと静まり返るなか、冷蔵庫からラップした夕飯を取り出し、最小限の灯りでそれを食べる。テレビすらつけなかった。
携帯を手に浴室へ行き、洗面台に置いてシャワーを浴びた。
「何故、携帯がお風呂で必要なの!?」美月に鋭く訊かれたことがある。
多分もうかかってこないが、可南子から急に連絡があるかもしれないのだ。
―――
シャワーを浴びたあと、また冷蔵庫を開けて冷えた酒を続けざまに飲んだ。酔い潰れて、テーブルに突っ伏して少し眠った。
・・・階段から、人が降りてくる気配がした。隆也に近づいて来て、まだ醒めきらず朧げにかすむ彼の頭にそっと手を当てた。
「―――そんなに飲んだら、身体を壊すわよ」
耳もとで囁く美月の声。頭が重く、もう動けなかった。
![](https://assets.st-note.com/img/1722995354634-28xo5U6oCD.jpg?width=1200)
翌朝。隆也はネクタイを締めて出社準備をした。
リビングの棚には、まだ鮮やかな美月の写真のフォトフレーム・・
前に供えてある、小さなグラスの水を入れ替えた。
「―――行ってきます」
隆也の声がリビングに空しく響いた。
【fine】
▶Que Song
冷たい花/the brilliant green
たらはかに様の
#非情怪談
企画に参加します。拙作ですが、
ご査収よろしくお願いいたします。
![](https://assets.st-note.com/img/1722996535536-9KLa5QTAVl.png)
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🌟Iam a little noter.🌟
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