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ティモシー・シャラメの才能に拍手



全米映画俳優組合賞 (SAG: Screen Actors Guild)とアカデミー

全米映画俳優組合賞は、アメリカの映画賞のひとつです。2013年から映画俳優組合、アメリカテレビ・ラジオ芸術家連盟が運営しています。アカデミー賞の評価メンバーと被る人物も多いのでアカデミー賞の前哨戦と言う人もいますが、同業者による審査の結果で政治的忖度もほぼありません。ただのお祭り(と私は思っています)であるアカデミーより作品や演技が真っ当に評価される場だと私は思っています。

そんなSAGの今回のBest male actorはティモシー・シャラメでした!

美少年である人生のほんの一瞬にしか撮れない素晴らしい一本call me by your nameでオスカーのbest actor にノミネートされ、少年の時期が終わったら彼は潰れてしまうのではないかと私は心配でした。

当時22歳の彼は17歳の役を演じました。この作品でラストに見せた表情は
若さと美しさゆえに表現可能な素晴らしいもので主演男優賞への
いきなりのノミネートも納得でした。


本当の才能を見せてくれたティモシー・シャラメ

call me by your nameで素晴らしい演技を見せた彼が、まだ生きている実在の有名な歌手、ボブ・ディランを演じてSAGのbest actorとなったのは心底嬉しいです。

予告
https://www.youtube.com/watch?v=ilkdlJ_Nh0A

あらすじ

1961年の冬、わずか10ドルだけをポケットにニューヨークへと降り立った青年ボブ・ディラン。恋人のシルヴィや音楽上のパートナーである女性フォーク歌手のジョーン・バエズ、そして彼の才能を認めるウディ・ガスリーやピート・シーガーら先輩ミュージシャンたちと出会ったディランは、時代の変化に呼応するフォークミュージックシーンの中で、次第にその魅了と歌声で世間の注目を集めていく。やがて「フォーク界のプリンス」「若者の代弁者」などと祭り上げられるようになるが、そのことに次第に違和感を抱くようになるディラン。高まる名声に反して自分の進む道に悩む彼は、1965年7月25日、ある決断をする。
ミネソタ出身の無名のミュージシャンだった19歳のボブ・ディランが、時代の寵児としてスターダムを駆け上がり、世界的なセンセーションを巻き起こしていく様子を描いていく。ボブ・ディラン役のティモシー・シャラメのほか、エドワード・ノートン、エル・ファニング、モニカ・バルバロ、ボイド・ホルブルックらが共演。第97回アカデミー賞で作品賞をはじめ計8部門でノミネートされた。

映画.conより



ティモシー・シャラメがボブ・ディランを演じた「名もなき者」
写真からもしっかり大人の男の奥行きが感じられます。


実在の人物を演じる難しさ


存命か否かを問わず実在の人物を演ずるのは多分一般人の私の想像など及ばない難しさでしょう。一から人物像を作り上げるなら自分の経験や自分の内にある感情を引っ張り出し脚本に則って、いわば新しい人物を作れば良いのです。
でも実在の人物を演ずるのはその人物になって世界を見て感じ、その上で実在の人物という器からはみ出さず表現するのです。簡単に言えば実在の人物を自分のうちに復元するためのステップが必要なのです。素人の私が考えても演技の方法論も表現の手段も全く異なるセオリーが必要なんだろうと思います。

ダニエル・デイ=ルイス(「マイ・レフトフット」「リンカーン」)やゲイリー・オールドマン(「ウィンストン・チャーチル」)といった一流の役者たちが力を出し尽くして実在の人物を演じていることからもその難しさは常人の想像を超えるものであるのは明白です。


今後に期待せざるを得ないティモシー・シャラメ

美しい物語の中の美少年から実在の人物までを演じるには演技力に大きな振り幅が求められます。多くの作品に出演しながらそれをやってのけたティモシー・シャラメはお見事だし、彼の素晴らしい才能はめちゃくちゃ嬉しいです!!
一映画フリークとして、彼のこれからに期待せずにはおれません。

最後までお読みいただきありがとうございました。
皆さんがどうか今日も人生の2時間を使う価値のある作品に出会えますように!

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