【小説】約束した魂 #2 -出逢いと始まり2-
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運命なんて
本当にあるなんて信じてなかった
そして
運命ならば…
もっと普通で
綺麗な恋愛ができると思っていた
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*主人公 真紘(マヒロ)
*相手 悠祐(ユウスケ)
↑前回の内容
ユウくんと電話で話した直後は、あまりの情報の多さに混乱をしていました。
でも、混乱しながらも、目の前のユウくんとは楽しくメールでやり取りをします。
朝の"おはよう"から、寝るまでの"おやすみ"まで、一日に何十通も送り合う関係になっていました。
そんなある日、「見る?」と言って、ユウくんのブログを教えてくれました。
今は更新されていないブログ。
その内容は、一度目の結婚生活で大変だったことが綴られていました。
子供のいるシングルマザーの女性と結婚をしたこと。
実の子ではない子供を扱う難しさと、その中で荒れていく奥さん。
この頃の自分はまだ若く、"DVは男性が女性にするもの"だと思っていた私には、あまりに衝撃的過ぎる内容でした。
家で荒れる奥さんに堪えながら…
ユウくんは必死に結婚生活を送っていた。
このブログの様子だと、私が一度目の結婚生活で受けいたDV以上の、状況だったかもしれない。
だから。
SNSのコミュニティで
いつも真剣に話を聞こうとしてくれたの?
だから…
電話番号も教えてくれて…
「いつでも話を聞くから」って…
あれは冗談でも
ただの誘い文句でもなかった。
DVの辛さを理解出来る
当事者だからこその優しさだったんだ…
ユウくんのイメージが、良い方向に崩れていく。
ただ遊びまくっている軽い男に見えたし、それがまるでカッコイイことのように武勇伝のように話してしまうユウくんに、"この人大丈夫かな?"と思うところも沢山あるのに、心は優しくて繊細な人であるということが見えてしまう。
冗談しか言わない軽さの中にある傷が、私をくすぐる。
嫌いになりたいのに、なれない自分に気付いてる。
惹かれてく…
この冗談ばかりの明るさは、彼の傷みを隠す為に必要なものかもしれない。
ユウくんを知れば知る程に、惹かれていく心を止めることが出来なくなっていきました。
危険な香りしかしないのに、どうしてこんなにも惹かれてしまうのか。
そして噛み合う感覚が心地いい。
もちろん
私には旦那さんがいます。
今の旦那さんのことは、すごく好きで。
自分が好きになって追いかけて、頑張って結婚まで運んだ相手。
旦那さんは物静かで、あまり喋るほうではないけれど、とにかく優しくて。
この人となら、だらしない自分を出しても許してもらえそうで、恋愛だけではなく生活を感じられる相手で、家庭を築いても大丈夫だろうという感覚がありました。
恋愛以上に、安心感。
許してもらえそうな、安全感。
笑いが噛み合うとまではいかないから。
少しだけ気を遣いながら会話は運ぶけれど。
私をそのまま許してもらえそうな安全性は、私に大きな安心を与えて、私の頭に2度目の結婚を浮かばせたことに間違いありませんでした。
そういう点では…
ユウくんには今は、安心感というより危険性。
近付いたら大変な思いをしそうな香りがするから、出来ることなら深くはなりたくない。
でも…ユウくんとのメールでの噛み合いはあまりに心地よくて、楽しくて仕方ないという気持ちにさせられていきます。
メール上なのに、文章のやり取りなのに。
冗談もツッコミも、全部が伝わる。
メールなのに、すれ違いが少ない。
そして何よりも。
きっと、私とユウくんの趣味嗜好はかなり近いはず。
それが私のブレーキを壊そうとしていく。
冗談に乗せながら、俺様を出してくるユウくん。
それはDVのような俺様ではなくて。
従わせるという行為が好きな、性的嗜好だと思う。
それが、私は嫌じゃない。
私は、意地悪で俺様な人が、結構好きだ。
だからDVが平気だった?
ううん、それは違うけど。
"意地悪なのにめちゃくちゃ優しい"
所謂、ツンデレが好きなだけ(笑)。
"遊んでいて軽そう"
というところ以外は、正直、どストライク。
言葉の駆け引きが出来て、意地悪だけど意地悪過ぎなくて、たまに見せる優しさにキュンとする。
毎日のメールが数週間続き、時折、電話でも話すような仲になっていた時、私の心はユウくんに傾き始めていて、自分の中での葛藤が始まっていました。
つづく
この小説は投稿後も、手直しをする可能性があります。初投稿が仕上がった状態とは、限りません。
書き上げるのに時間がかかる為、投稿後も編集する形にし、少しでも足を運ぶ楽しみを増やしたいと考えています。
そうしないと、いつまでも投稿できないことに気付いたからです(汗)。
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