最新動画マーケティング手法「インセンティブ付オンラインライブ」とは?
コンテンツマーケティングを企業が行なう上で課題となるのは、「コンテンツ提供に見合った成果を得られるのか」という点です。
SNSやオウンドメディアなどでコンテンツを提供し、アクセスを集めることができたとしても、その後に集客できた人たちへのアプローチができなければ売上につなげることはできません。
コンテンツに触れた人たちを「見込み客」にするためには、「アプローチ可能な状態」にする必要があります。つまり、メールアドレスや氏名・企業名などの個人情報を取得しなければ、いつまでも「アノニマス(匿名)」な訪問者・視聴者のままとなってしまいます。
「リードの創出(リードジェネレーション)」はマーケティング活動の第一歩です。興味を引くコンテンツを用意し、その閲覧にはリードフォームから各種情報の入力が必須となる、という手法がよく用いられています。動画プレイヤーとリードフォームを組み合わせることで、動画コンテンツをもとにしたリード創出も可能になります。
動画マーケティングでメールアドレスを取得するには?
ここで、ウェブで動画を視聴する方法について考えてみましょう。
まずは、YouTubeやTikTokなど、SNSメディアを通じて視聴するパターンがあります。このようなメディアを利用する場合は無料で視聴が可能です。しかし配信サイドでは、視聴者の個人情報の取得が出来ないため、リードの獲得というよりもリーチの拡大のための方法と言えます。
リード獲得のために有効なのは、個人情報を事前登録した方のみに、動画を視聴出来るようにする方法です。特にウェビナーなどでは事前申込をした方のみに視聴URLがメールなどで通知される方法が多いと思います。この場合、配信サイドは予め視聴者の個人情報を取得し、誰がどの動画を見ているか紐付けされた形で動画を配信しています。
このように、「リーチの拡大」と「リードの獲得」というところでそれぞれ目的が違うため使い分けていくことが重要となります。
コンテンツマーケティングに話を戻しましょう。
ビジネスにおいて良く使われている手法は「登録すれば無料で視聴できる」というパターンです。このパターンで効果的なのが、オンラインライブイベントです。ライブイベントには通常の動画コンテンツと違ったプレミアム感があるため、その機会を逃さないようにユーザーが積極的に正確な氏名やメールアドレスを入力してくれます。視聴URLをメールで個別に配信すれば、必然的にメールアドレス情報が獲得できます。
オンラインライブを活用したマーケティングの成功事例
実際にオンラインライブをうまく活用した成功事例を紹介しましょう。
ある大手保険会社のA社では、コロナ禍によって顧客への対面アプローチの機会が低下し、新規のリード獲得も難しくなっていました。そこで、オンラインイベントを定期的に実施することで、顧客とのコミュニケーションをオンラインにシフトしようと考えました。
A社には、顧客データベースの更新という課題もありました。従来はセールスパーソンが顧客の個人情報を物理的に受け取り、社内の情報端末から顧客データベースを更新していました。しかし、リモートワークなどの影響により、一連の更新作業が難しくなったのです。
そこでA社では、顧客自身にウェブ上で個人情報を入力してもらうことにしました。そのきっかけとして、有名アーティストによるオンライン配信コンサートを企画したのです。
A社は、独自の動画配信プラットフォームを構築し、オンラインライブを複数回実施しています。集客キャンペーンや、セールスパーソンによる顧客への告知を行い、1イベントあたり10万超の申込を獲得しています。あるライブ時には、同時接続数で最大9万人を超えるほどの視聴者を集めました。
申し込みにあたり、視聴希望の顧客や見込み客はオンライン上で個人情報を入力することになります。結果的に、顧客データベースの精度が向上するという副次的効果も生まれました。
顧客データベースがリッチになったことで、マーケティング施策の効果検証の精度も向上します。誰にどんなメールを送ったのか、その後の保険加入率はどうだったのかを追跡・分析し、より効果的な施策を検討できるようになりました。A社ではオンラインイベントを運営する専門部署を立ち上げ、継続的な施策を行っています。
エンゲージメント向上施策としての事例も
また、従業員のエンゲージメント向上を狙ったオンラインライブの事例もあります。人材派遣会社のB社は、派遣登録をした人のみが視聴できるライブを開催しました。
このオンラインライブでは、B社の企業ミッションなどを紹介する企業説明パートも設けられており、教育研修の機能も兼ね備えているのが特徴的です。
マーケティング施策には、インターナルコミュニケーション(従業員に対する、社内コミュニケーション)の場にも応用できるケースがよくあります。コロナ禍によって従業員どうしのコミュニケーションが低下したままといった企業も多いかもしれません。参考にしてはいかがでしょうか。
動画配信プラットフォーム選びがポイント
オンラインイベントの特徴として、提供できる人数に制限がないことが挙げられます。希望する全員にコンテンツを提供可能ですし、ユーザーがどこに住んでいても距離の制限なく届けることができます。
高品質なオンラインイベントを実質無料で提供すれば、視聴者の満足度は総じて高くなります。単にリードを獲得するだけでなく、企業の好感度向上にもつながるでしょう。
オンラインライブを企画する際には、コンテンツの魅力を上げることに意識が向きやすいのですが、イベントの目的はあくまで売上につながる「リードの獲得」にあります。
Brightcoveの動画配信プラットフォーム「Video Cloud」を利用すれば、ユーザーごとの視聴データを取得し、MAツールとの連携が可能なため、獲得したリードを最大限活用することができます。
また、Brightcoveのプラットフォームは、セキュリティやアクセス制限の機能も充実していますし、配信時の安定性も優れています。
オンラインイベントは、オフラインでのイベントに比べて実用性の高いデータを収集できます。Brightcoveのソリューションとマーケティングテクノロジーの融合により、それらのデータを最大限に活用することができるでしょう。