スマブラステージ【AD.1991.暴れ回転草】
タンブルウィード(tumbleweed:回転草)は、風に吹かれて転がる草の総称です。
このスマブラステージでは、巨大化したタンブルウィードが自動車を襲うギミックを搭載しています。
・回転草の生態
回転草は、他の植物と同様に、地面に根を張って成長しますが、夏の終わりから冬の時期に、枯れた枝が根元から折れて、風に吹かれて、他の枯草を巻き込みながらボール状になります。枯草は転がりながら、種子を広範囲にばら撒いて、生息範囲を拡大します。
(過去の植物の種のスマブラステージ↓)
このような風で転がる植物は、種類を問わずタンブルウィード(回転草)と呼ばれ、風が強く、乾燥した、起伏が少なく転がりやすい平地に生息し、世界中の乾燥地帯で見ることができます。
・西部劇の回転草
日本は、湿度が高く平地も少ないので、回転草はほとんど見られず、ハリウッド映画及びテレビドラマの西部劇に出てくる草と知られています。
西部劇は、1860〜1900年のアメリカ西部を舞台にした活劇映画で、初期のハリウッド映画(20世紀前半)で人気のジャンルで、家庭用テレビが普及すると、テレビドラマでも多数製作されました。
アメリカ西部にあるグレートベースン(大いなる盆地)は、乾燥した平地で、まさに回転草が生えるのに打ってつけの土地でした。
西部劇の背景で転がる回転草は、西部劇の象徴のひとつとなり、後年西部劇をモチーフとした作品に多く登場しています。
日本の1960年代初頭のテレビ番組は、アメリカから輸入したドラマが多く、その中でも西部劇は人気があるジャンルでした。
(当時、日本の映画会社が、台頭しつつあったテレビに、映画界のスター俳優を出演させない協定(五社協定)を結んでいたため、放送できるテレビ番組が不足し、輸入した海外ドラマで補っていました)
・回転草の脅威
日本においては、西部劇の背景でしか見られない回転草でしたが、世界の乾燥地帯では、たびたび大量発生を起こし、草が合体して自動車並みの大きさまで巨大化することがあります。
北アメリカ大陸では、1870年頃に、ロシア(シベリア)原産の外来種、ロシアアザミ(ヒユ科オカヒジキ属)が侵入し、その繁殖力の強さで急速に広まり、大量発生を起こすようになりました。
ロシアアザミは、一見柔らかい藁のように見えますが、トゲ状の葉が生えた枝が乾燥してボール型になっているので、固さがあります。これが大量に転がることで、道路が封鎖されたり、車や家を埋め尽くして、住民が閉じ込められる被害を起こしています。
さらに、乾燥しているため燃えやすく、風が強い土地の植物なので、発火した草が燃え広がり、山火事や火災旋風を引き起こす危険性を持っています。
他にも、花粉をまき散らしたり、春から夏の成長期に水を多量に吸い上げる等の問題を起こしていて、こうした厄介な回転草に対抗するべく、除草剤の開発や、元の生息地にいた天敵を利用する実験が国際間で進められています。
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