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蔵王に行ってきた




出発


 久しぶりに旅行に出かけた。目的地は蔵王山。蔵王山は山形県と宮城県にまたがり、蔵王連峰ともいい、活火山に分類されている。
 政府の旅行支援が始まったからという訳でもなく、コロナ禍でなかなか外出する機会に恵まれなかったため、家族で出かけようということになったのだ。
 
 自宅を夕方に出発し、東北自動車道をひた走る。
この日は、時間の都合で車内泊の予定で、私は那須高原サービスエリアに車を滑り込ませた。10月という季節柄、気温は暑くも寒くもなく、また適度の湿度のおかげで、車の中でも寝苦しいということはない。
車のソファーを倒し、簡易ベッドをつくり、足を伸ばした状態で休むことができた。
 
 翌朝5時頃に起き、食事は途中で摂ることにして、身支度を整え出発した。
車は栃木県を越え、福島県に入る。郡山を過ぎ、安達太良サービスエリアで休憩をとり、遅めの朝食を済ませることにする。
朝食後、サービスエリア内の広場を散策し、安達太良山を眺めながら、高村光太郎執筆の「智恵子抄」に描かれた智恵子の生涯に思いを馳せた。
 
 ここからは目的地の蔵王に向けて、一気に車を走らせることにした。
東北自動車道から山形自動車道に入り、10時前には山形蔵王インターを降り、一般道に入る。気温は17度でやや高め。くねくねした山道を進む。
 
 やがて車は蔵王エコーラインに入る。
しばらく走ると景色に変化が訪れた。木々の葉が緑から、次第に赤や黄に染まった紅葉が多く見られるようになってきた。外気温は11度。寒い。
 
 車内で寝ていた家族を起こし、車外に広がる紅葉を楽しむことにする。
車を刈田駐車場に入れエンジンを切った。
 ここからは頂上までリフトで登る。


リフトは一人乗り 見る見る間に景色が変わる

 リフトは一人乗り。発車起点を離れるにつれ、視界が広がってきた。麓付近から山頂にむけて、徐々に色付いてくる様子が見て取れる。7分間の空中散歩を楽しんだ。
 
 最高峰の熊野岳は高さ1800mを超える高山で森林限界を超えて頂上付近には高木はない。御釜付近で1670mと聞く。
 リフトを降りると景色が一変する。木々がないため、土色の迫力ある山肌が見え、広大な空間が広がっている。

森林限界点を越え高木はない

 サクサクした火山岩の小石を踏みしめながら歩いていると、「熊注意」の看板が立っている。

熊注意の看板

 こんな高所にも熊がいるのか、私は山登りの時にはリュックサックに熊よけの鈴をつけている。私が歩くたびにカランカランと大きな音が鳴る。これが役立つかもしれない。
 
 なんて考えていたら、突然、御釜が出現した。

御釜(火山口) 

 これが有名な蔵王山の御釜か、あまりの大きさと美しさに驚いた。
以前、写真では見たことがあったが、実物を見るとその迫力に圧倒された。
黒々とした切り立った山肌とエメラルドグリーンに染まった火山湖の対比が美しい。
地球は生きていると実感した。
 
来て良かった。正直な気持である。いつまで見ていても飽きない。
 
 景観を楽しんだ後、休憩所で一休みする。ここには食事はないが、軽食はある。名物の「玉こんにゃく」を食べることにした。


名物の玉こんにゃく

 美味しい、実に美味しい。熱々で、ダシが染み込んでいて、冷えきった体の芯まで暖まる。
繰り返すが、来て良かった。
熊に出会うことはなかったが、リフトで下りながら、この素晴らしい景観を脳裏に刻みつけた。

蔵王温泉

 さて、今晩の宿泊は蔵王温泉だ。宿に到着し、時間の都合で、風呂の前に食事を先にとることにした。大広間での食事だが、沢山の人が来ている。
全国旅行支援の影響かわからないが、大広間一杯の人を眺めながら、コロナが早く収束すればいいな、と思った。
 
 食事の後は、いよいよ入浴。
この蔵王温泉は硫黄温泉で、薄い乳白色のお湯から硫黄の匂いが漂う。気持ちいい。
暖まる。私は硫黄温泉が好きだ。草津温泉も硫黄温泉だが、それ以来となる。今晩はいい夢を見られそうだ。
 
 翌早朝、温泉に浸かった。朝5時と時間が早いためか、私一人だ。広い湯船に一人で浸かるのは実に気持ちいいものだ。
20分も浸かり、一人二人と増えてきたところで、風呂から上がることにした。
朝食はバイキング。風呂上がりでお腹が空いているせいか、少々欲張り、食べすぎたかもしれない。
私は重い体を引きずりながら、土産物を買いホテルを後にした。
 

ロープウェイに乘る

今日はロープウェイに乘る予定がある。
蔵王には二本のロープウェイがある。蔵王中央ロープウェイと蔵王スカイケーブルである。
私達は蔵王中央ロープウェイに乗ることにした。
 ロープウェイは温泉駅から鳥兜駅までの1787mの距離を7分半で登る。出発して、あっという間に眼下の蔵王温泉の街並みが小さくなっていく。

ケーブルカー内からの映像 蔵王温泉が小さくなる

 そして、高低差524mということで、エコーライン同様、登って行くにつれて紅葉の色付き具合が変化してくる。後1・2週間も経てば麓まで色付くのであろうが、現在は下と上では景色が異なるのが面白い。
 
 鳥兜駅に到着した。外に出てみると紅葉真っ盛りである。実に奇麗だ。

鳥兜駅からの眺望

 ここからは幾つかの観光コースがあるようだが、私達はリフトに乗ってドッコ沼に行くコースを選択した。

リフトは二人乗り

 ドッコ沼という名前は仏具の独鈷に似ていることに由来すると言われている。
沼底から水が湧き出ていて、竜神伝説に相応しい神秘的な雰囲気を漂わせている。

ドッコ沼入口 説明文がある


沼は静かで美しい

 静かな水面には周囲の紅葉が映し出され美しさも倍増する。
ここで、丸一日のんびりと過ごすのもいいかもしれない。
帰りもリフトに乗り、ロープウェイで下り、山形蔵王を後にした。
 

 

宮城蔵王キツネ村


 次の目的地は宮城蔵王キツネ村だ。
キツネ村には100頭を超えるキツネが放し飼いされている。入口で注意事項の説明を受けてから園内に入ると、歩いているキツネ、クッションのように眠っているキツネが目に入る。

クッションのようなキツネたち


キツネの種類も日本のキツネだけでなく、世界のキツネが数種類もいてキツネ好きにはたまらないに違いない。
どのキツネにも共通して言えることは尻尾の太さだ。
胴体がそのまま尻尾になったのではと思えるほどの太さだ。
私の田舎のキツネの尻尾も太いが、これほどまで太くない。
 

太い尻尾、まるで筆のよう


 キツネ村に2時間程いて、今日の宿泊地の裏磐梯に向けて車を走らせた。
途中、リンゴ園や桃園などの果樹園を眺めながら裏磐梯のホテルに到着。
翌朝、裏磐梯のホテルからの眺めは山に雲がかかり、とても美しいものだった。

ホテルからの眺望

今回の旅行は少々欲張り過ぎたかもしれない。コロナ禍で久しぶりの旅行だったため、スケジュールがかなり過密になってしまった。
次回は、ゆとりをもって、一か所に数日間滞在するような日程を組みたいと思う。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

私が書く文章は、自分の体験談だったり、完全な創作だったり、また、文章体も記事内容によって変わります。文法メチャメチャですので、読みづらいこともあると思いますが、お許し下さい。暇つぶし程度にお読み下さい。今後とも、よろしくお願いいたします。