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映画「キングダム 運命の炎」レビュー(辛口、ネタバレありです)

IMAXレーザーで「キングダム 運命の炎」を観て来た
今回は嬴政に大きな影響を与えた紫夏のエピソードがあることが予告から察せられたし、その紫夏役が杏さんと言う発表もあったので、原作、アニメ、舞台に至る全てで大号泣して来た私にとって、それはそれは期待値MAX‼だった
絶対泣くと予想しタオルハンカチを握り締め、準備万端で席に着いた

でも、自分の中の期待値が高過ぎたようだ…
1ミリも泣けなかった…
逆に、それが悲しかった…

それぞれの役者さん達は好演してたけど、これじゃない感が強くて、作品に没入出来なかった

吉沢亮さんは演技の上手い俳優さんだと思う
その目力が半端ない
キングダムの第1作目、嬴政と漂の二役演じ分けは見事だった
キングダムの大ファンになったのも、あの1作目があったからだ

だから、嬴政にとってのターニングポイントを御自身で演じることに意味があったのかも知れない
確かに、月を見上げていた表情、陰に引っ張られていた暗部の表現、そこから目に光が宿る成長の瞬間は流石だったと思う

だけど、純度100%、いや、それ以上に見た目の情報が入る映画で9歳を演じるのは、やはり無理があると思った
どんなに中の人が上手くても、映画のスクリーンに映し出される映像の表現は、その見た目も大きい

紫夏の母とも姉とも言える愛情で抱き締めるシーンで、たくましい背中がスクリーンに大写しされた瞬間、感動的な場面のはずなのに興醒めした

あれが紫夏の幼少期を演じた子役さんと同じ年頃の子役さんであったなら、説明しなくても、紫夏が義父から受けた恩を嬴政に繋いだシーンになっただろうに…
どうして、それを生かさず放棄してしまったのだろう…
それならいっそ、紫夏の幼少期も杏さんで通せば、まだ整合性が取れたかも知れないが…やはり映像では無理があるように思う

今の子役さん達、とても演技力が高く、表現力も豊か
それを、今年3月、私は舞台版のキングダムを観て実感していた
最年少は小学三年生もいたと言う子役さん達が、どれほど素晴らしかったか…
あれを、何故、映像化してくれなかったのかと思ってしまう
いっそゲキシネにならないかしら…
あれこそ、もっと多くの人に観てもらいたい

本作品が大作であるだけに、未来に繋がる子役さんを観られたかも知れないと思うと、本当に惜しい
返す返すも映画の演出は、申し訳ないけど残念としか言いようがない

後半の戦闘シーンは映画的な迫力があり、IMAXで観て良かったと思う

でも、豪華な配役であるが為に、焦点がボヤケて、もはや誰が主役なのか、何を主点に描きたいのか分からなかった

説明台詞が多いのも気になった
動きの少ない漫画ならともかく、映像や音響の情報も存分に活かせる映画なのに…

色々大人の事情もあるのだろうな…とか余計な想像までしてしまい、続編へ盛大に引っ張ったラストだったけど、もう続編を観ることは無いだろう…

つくづく、解釈違いになってしまった映画版が残念でならない


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