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定款への会社名の読みがな(カタカナ表記)の記載について
知人の会社の定款作成を手伝っているなかで、定款に会社名(商号)の読みがなを記載したいという相談があった。例えば商号がローマ字で「株式会社BOO」の場合、読み方が「カブシキガイシャブー」なのか「カブシキガイシャビーオーオー」なのかがわからないからだ。結論から言えば記載は可能であった。ネットで探してもなかなか事例が見つからなかったため、共有のために記録しておく。
定款には「絶対的記載事項」と「相対的記載事項」、「任意的記載事項」があり、商号は絶対的記載事項にあたる。
「絶対的記載事項」は記載が法令で義務付けられており、必ず記載しなくてはならない事項
「相対的記載事項」は記載が必須ではないが、記載がない場合効力が発生しない事項
「任意的記載事項」は定款に記載する必要はなく、他の方法で規定できる事項
商号に関する定款の条文は具体的には以下のようになる。
第○条 当会社は,ABC Business Service株式会社と称する。
英文表記を併記する場合は以下。
第○条 当会社は,ABC Business Service株式会社と称する。登記上は,エイビーシー・ビジネス・サービス株式会社と表示する。英文では,ABC Business Service Co.Ltd.と表示する。
当初、「当会社は,ABC Business Service株式会社(カタカナ表記ではエービーシー・ビジネス・サービスカブシキガイシャ)と称する。」にすればいいと思っていたのだが、調べてみるとこれが通るか微妙であることがわかった。
今回の件は、商号がローマ字である。このため、法務局に上記リンクのコメント欄にある、以下の内容を参考に法務局に問い合わせを行った。
第 1 条 当会社は、ABC株式会社と称する。
2 英文では、ABC CO,.LTD.と表示し、カタカナ表記では、エービーシーカブシキカイシャと表示する。
問い合わせの内容は、おおよそ以下の通りである。
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仮に「BOO株式会社」という登記を行いたい場合、定款に以下のように規定することは問題ないか。
「第1条 当社はBOO株式会社と称する。
2.カタカナ表記では、ビーオーオー株式会社と表示する。」
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法務局からの回答は以下であった。
【回答】
問題ないとは思われますが、商号の振り仮名は登記事項ではありませんので、最終的には御社で御判断をいただければと存じます。
なお、振り仮名は登記事項ではありませんが、登記申請書に記載いただいた振り仮名は、国税庁法人番号公表サイトを通じて公表されますので御了承ください。
(参考HP)https://www.moj.go.jp/MINJI/minji06_00109.html
このため、知人には先のカタカナ表記を記載した定款を法務局に提出してもらった。結果、無事登記が完了したため、カタカナ表記の記載に問題が無いことがわかった。
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