哈尔滨旅行记(ハルビン旅行記)①
8月11日~15日にかけて、哈尔滨に旅行に行ってきた。
はじめに
哈尔滨について
哈尔滨(ハルビン)は中国黒竜江省に位置する副省級市(※副省級市は中奥の地方行政単位(地級市)の一つ)で、豊かな自然やロシアの影響を受けた文化のある都市である。
歴史は古く、人類が暮らし始めたのは2万年以上前だという。中国最後の王朝・清王朝の発祥の地でもある。19世紀末から20世紀にかけて中東鉄道の建設に伴い発展、交易都市として栄えた(下記「ハルピンの歴史」参照)。日本の近代史においては、伊藤博文がハルビン駅で暗殺されたことで有名である(他にも日本との関連史があるが、現在の立場上ここでは触れない、お察しください)。
人口は1000万人をやや下回るが、日本の都道府県では2番めに人口の多い神奈川県よりも多い。ただ、かつて1000万人以上だった人口が、近年が減少しているようである。これは経済構造の問題により、就業のために人口が都市などに流出しているのが原因のようである(下記「人口減少が示す中国経済の近未来」参照)。
旅行の目的
今回の旅行の目的は、端的に言えば涼しい場所に行きたかったからである。先にリンクを貼ったウィキペディアの「ハルビン市」の項目によると、8月の日平均気温は21.9度と、上海の25.6度(上海市 - Wikipedia)に比べて低い。また、降水量も半分以下である。
哈尔滨という目的地は妻が決めた。
その他
表記については、文章等の引用の場合はその表記をそのまま用いるが、それ以外については「哈尔滨」を用いる。日本語では「ハルビン」と「ハルピン」が混在しており(見たことはないが「ハルヒン」もあるらしい)、ピンインの表記は“haerbin”(四声省略)なので「ハルビン」となるのだが、満州語では「Ha(魚)erhpin(干し場)」が語源らしい(以下のリンク参照)。どちらを使うかの決め手を書いたので、中国語のままとした。
1日目
上海(虹桥国际机场)→哈尔滨(哈尔滨太平国际机场)
午後から遊べるようにと朝早い便にした結果、5時起きで空港に行くことになった。上海には虹桥と浦东の2つの空港があって、前者は国内線、後者は国際線がメインらしいと聞いた。今回は行きは虹桥から乗って、帰りは浦东に帰ってくる予定。
なお、飛行機での国内移動については別途以下に書いたのでよろしければ。
ターミナルにあるレゴショップでかいパイロットと上海の名所・东方明珠塔がある。スペースの割に品揃えもよく、大型商品もそろっていた。
そんなこんなで上海から哈尔滨はおおよそ3時間半弱の飛行。午前の早い便ということで機内食が出た。ミートソースパスタ、パンそれからパックに入ったヨーグルト、煮た小豆(ぜんざいみたいな感じ)。どれも美味しい。特にミートソースはよかった。
到着した哈尔滨は雨だった。荷物が出てくるゲートには電子公告板があった。名物のソーセージの宣伝では、湯気が動く細かい演出(写真なのでわかりませんが)。
一旦ホテルにチェックイン。中心部から少し離れたところにある、ショッピングセンターと同じ建物の中にあるホテル。接客はとてもよかったのだが、後々部屋でちょっと困ったことが起こったがこれは後述する。
索非亚大教堂(聖ソフィア大聖堂)
ホテルで一休みしてからは「聖ソフィア大聖堂」に。入った時はピアノコンサートが行われていた。建物内自体はあまり広くはない。
哈尔滨博物馆
そのあと哈尔滨博物馆へ。雑多ないろいろな展示が見られて、しかも無料という素晴らしい博物館。入場時には中国の身分証を自動開閉のゲートにかざさなければならないが、外国人は手書きで来訪者リストに記入の上パスポートを提示すれば入れる様になっている。
が、私は妻が中国の身分証を持っているのがわかると、リストに記名することもなく後ろについて中に入っていいと言われた。切符を買わずに自動改札を前の人の背中にくっついて入っていくあの(?)感じである。履歴とか残らなくていいのかと思ったが、翌日もっとびっくりする事があった。それは次回。
(余談だが、中国生活では厳密さと適当さ臨機応変さに戸惑うことがたまにある。以前、高鉄で移動したとき、本来であれば改札で身分証の読み取りを行わなければ出られない(高鉄は事前予約すると身分証だけで乗り降りができる)のだが、混んでいたせいかゲートを素通りさせられたことがあった。データ管理上大丈夫なのか気になったが、多分どうにか処理されているのだろう……)
一階は骨董・芸術品。無料のためなのか(?)作品の解説が貼ってあったりなかったりだったのが大変よかったです。
四階は時計のコレクション。
三階は映像、版画等。
晩ご飯
閉館時間になったので、二階は翌日にして食事に向かった。中国の東北料理の、哈尔滨では有名なお店らしい。
味付けはややしょっぱめでご飯やお酒に合う。辛い料理もメニューにはあったが、四川のようにどれも辛いというわけではない(東北料理については写真の後に)。私の祖父母は秋田の人だったが、なんとなく懐かしい味だった。ただ、これも聞いていたとおりだったが分量が多い。最初に頼んだスープに入った肉団子は想定したサイズだったが、後は思った量の二倍くらいの量が出てきた。特に燻製の盛り合わせは、これだけでもお腹いっぱいになる。
东北菜(東北料理)は漢族の料理技術をベースに、満州やモンゴル、挑戦などの要素を取り入れたもので、多彩な食材や味付け、彩りなどが特徴とのこと。量が多く、豪快なのも特徴の一つらしい。有名なものとして、「东北菜的常见菜品有锅包肉、熘肉段、酱骨架、地三鲜、白肉血肠、雪衣豆沙、猪肉炖粉条、小鸡炖榛蘑、酸菜白肉、东北乱炖、扒三白、赛熊掌、杀猪菜等等。」等いろいろ挙げられていますが、全部食べようと思うと結構大変。ちなみに2日目の夜も東北料理を食べたが、これも量が多かった……(後述)。
「お腹いっぱいになる」と言いつつホテルに帰ってから、横にあるスーパーでビールを買って飲んでこの日は就寝。
小まとめ
雨が降っていたこともあって、哈尔滨はやはり涼しかった。車から眺める街の様子は、北京や上海のような大都市とは違うが整っていて美しかった(哈尔滨は計画的に都市づくりがなされていることを2日目に行った展覧館で知った)。
車の運転はみんなワイルドで、隙間があれば車線変更が繰り返される。クラクションもあちこちから聞こえる。普段、上海の運転は結構荒いなと思っていたのだが、哈尔滨に比べればおとなしいものだと感じた。あと、歩行者も平気で赤信号を渡るし、信号のないところを横断していた。昔、私を連れた祖父が赤信号なのに大通りを渡って、祖母にめちゃくちゃ怒られていたことを思い出した。
長くなるので二日目以降は別の記事へ。