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結婚するつもりはなかったのよ でも、あなたができたから

覚えている1番古い記憶は、母親からのこの言葉。
全身の血の気が引いたのを覚えている。
当時小学生の私にとっては、耐えきれない言葉の重みだった。

私のこと好きじゃないの?
後悔してる?
私なんか産まなきゃよかった?

聞きたい気持ちは、喉の奥の熱さで膨張し分からなくなり後頭部をシュクシュクとさせた。

「そうなんだ」

そう笑って見せた。
そこから私は親の期待に応えるために生きた。
生きた。
1位をとると、
「調子に乗るな」
1位以外を取ると、
「どうせお前は何もできない。」と罵られた。

私は、親の武器として
完璧でなければならなかった。
礼儀、作法、言葉遣い、
全て、親に愛されるために身につけた。
頑張って、頑張った。
一所懸命に生きた。耐えた。

現在25歳。
「私はあなたのために生きて、頑張ってきたんだよ」
そう伝えると、

「あら。そんなつもりはなかったわ。」
ネイルをしながら、この20年間を
片手間で片付けられた。

楽しいこともあった、
嬉しいこともたくさんあった。
決して不幸ではないかもしれない。

でも、
何もすることがなくなってしまった。

死のうと思った。

でも、
死ぬのは怖かった。

だから、
30歳まで。

とりあえず30歳までは
生きることにした。

それと同時に、
今まで私の中に溜めていた思いを
口下手な私が
代わりに文字で綴る。

ただそれだけの、
自分。

人間の本質、影と光
物語にして、
残していく。

そんなノートになる予定。
予定は未定。

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