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よちよちある記#564『ルーズヴェルト・ゲーム』

1月末から2月の頭にかけての
草津合宿のときに
師匠からプレゼントしてもらった本
『ルーズヴェルト・ゲーム』池井戸潤

大事に大事にとっておいて
たっぷりと味わおうとしまっておいたら
すっかりその存在を忘れてて
今頃になってようやく読了

さすが池井戸作品
存分に楽しみながら読み進められる

経営者としての苦悩
サラリーマンとしての苦悩
銀行や競合や関係する登場人物が
それぞれにいい感じに味付けされてて
ついついもうちょっと…
と止まらなくなってしまう

創業社長から抜擢されて
社長となった細川と
経営統合の話を仲立ちしようという
取引先の諸田社長とのやりとりの場面

ーーー以下引用ーーー

「経営が悪化する要因には様々なものがあると思うが、始末が悪いのは、それに不況が重なることで本当に解決すべき問題点が見えにくくなることだと思うね」
「解決すべき問題点、ですか」
諸田が果たしてなにをいいたいのかわからず、細川は戸惑う。
「経営者が唯一絶対に考えなければならないことがあるとすれば、それはどんな時代でも、またどんな景気でも、とにかく会社を存続させていくということでしょう。そして、ただ存続させるだけではなく、成長させていかなければならない。そのために先を見越してあらゆる手を打っておく必要があると思うが、経営というのはどんどん種明かしされていく推理小説みたいなものなんだ。はたしてどんな結末が待ち構えているか、それを推理して経営戦略を立てるところに意味があるのであって、ネタが割れてしまった後に立てる戦略になんの価値もない。そのときにはすでに手遅れになってますからな。まあこんなことを、優秀なコンサルタントであられた細川社長に申し上げるのは釈迦に説法でしょうが」

ーーー引用終わりーーー

経営というのは推理小説みたいなもの

なんとまぁスゴい喩えを出すものか!

読み物として楽しんでるけれど
実際の世の中は
ひとりひとりの経営者が
推理小説みたいな謎解きを
苦悩しながら味わっている

会社の経営をするだけが経営者ではなく
人生を経営するすべての人が経営者

この1冊の中に
多くの物語が詰め込まれてる
何度か読み直しても
十分に楽しめる1冊だろうな

上り調子の時だけではなく
下り調子の時もある
それが人生

止まない雨はない
ハッピーエンドで終わることが
約束された小説のように
いろいろあっても結末は笑顔

そう 笑顔で締めくくられる物語だ

 
今日もいい1日✨

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