美味しい描写No1小説!?「BUTTER」柚木麻子~たらこパスタ
もう皆さんご存じの柚木麻子さんの「BUTTER」。
柚木麻子さんの「BUTTER]は直木賞にノミネートされた作品です。
「ランチのアッコちゃん」から始まるアッコちゃんシリーズ3部作を読んだ後に手にした本です。
何の予備知識もなくただ「BUTTER」というタイトルに惹かれ、でもまさかこんなにバターを使った料理が出てくるなんて思いもせず、またアッコちゃんシリーズとはうって変わった手法や内容に初めはとまどい、でも最後まで引き込まれていった小説でした。
「BUTTER」あらすじ
週刊誌記者の町田里佳は、結婚詐欺の末男たちを殺害した容疑で拘留中の梶井真奈子から何とか話が聞きたいと面会を申し込むが断られてしまう。そんな時親友の玲子が「レシピを教えてほしいと聞いてみたら?」と助言を貰い、見事面会に成功。
梶井は里佳に「まずあなたの冷蔵庫に何が入っているか教えてくださらない?」と質問します。
「野菜ジュースと、栄養ドリンクとマーガリン」と答えると梶井はマーガリンに嫌悪を示し、エシレの有塩バターでバター醤油ご飯を作る事を命じ、その後も色々なことを命じていきます。
不思議な梶井の魅力に惹きつけられた里佳は瘦せていた体が太りだしながらも言われるままに命令に従います。
親友の玲子は梶井に近づきすぎる里佳を心配しながらも自分も夫婦生活や両親に対しての深い悩みを抱えており、里佳の梶井の故郷新潟取材に無理に同行し、梶井の秘密を暴こうと暴走を始めます。
里佳は梶井を掌握し、独占記事を発表するが、その後梶井は獄中結婚し、その相手の記者が更なる独占記事を発表し、里佳の記事を嘘つきだと罵倒。里佳は傷つくが最後は料理によって里佳の心も立ち直り始めていく・・・。
「BUTTER」感想
この小説は婚活殺人事件の木嶋佳苗被告がモデルと言われていますが、自身の公式ブログ「木嶋佳苗の拘置所日記」では不快感を露にしています。
まあ違いは多々あるでしょうが読んでいてすぐにモデルは木嶋佳苗被告だと推測出来ます。
まず柚木麻子さんの文章力の素晴らしさは言うまでもありません。
里佳、梶井、玲子の3人の心情の変化も見事。
でも一番は私にとっての一番はやはり登場する料理描写が美味しすぎるということ。
「バター醤油ご飯」から始まり、「たらこパスタ」、「カトルカール」、ジョエル・ロブションのフランス料理、「マカロニグラタン」、料理教室での数々のフランス料理、玲子が作る焼売・・・・
次から次に美味しい料理が登場します。
料理描写だけではなく、作り方も美味しそうなんです。
例えば「カトルカール」
作る過程、途中の状態が見事に表わされていて、この本で初心者でも「カトルカール」が作れてしまうのではないかしらと思う位見事な描き方です。
本当にどの料理も美味しそうなのですが、「たらこパスタ」の描写が余りにも見事なので書いてある通り、バターたっぷりで作ってみました。
刻んだ紫蘇をのせるのが梶井流。
・・・・だそうです。
「たらこパスタ」 レシピ
材料
(1人前)
スパゲッティ 100g
たらこ 50g
バター 30g
塩 適量
紫蘇 5枚
1.紫蘇は千切りにする。
2. たらこは中身を取り出し、バターと共にボウルに入れておく。
3.スパゲッティを茹で、②に入れ、茹で汁大匙1~2を加え、バターを溶かすように混ぜる。
4.器に盛り、紫蘇をのせる。
通常はバター10~15g程度ですが、いつもの倍量で加えてみました。
やはりたっぷりのバターはクリーミィーで美味しいです。
ちょっと海苔の香りも欲しいかなとは思いましたので、次回作るときは両方添えてみます。
バター醤油ご飯は試してないですが、バターを使った料理は確かに美味しすぎますね。
バターは魔物です。