「ウインクで乾杯」東野圭吾~「香子流ガランティン、ジャポネスクふう」ってどんな料理?
東野圭吾さんの本はだいぶ読みましたが、ミステリー自体ににのめり込んでしまうので、食に関しての記述はほとんど記憶がありません。
唯一印象に残ったのが「ウインクで乾杯」です。
この作品は1988年に単行本「香子の夢ーコンパニオン殺人事件」として出版され、1992年に文庫本で「ウインクに乾杯」とタイトルを変えたものです。
東野圭吾さんの初期の頃の作品ですよね。
「ウインクで乾杯」あらすじ
パーティーコンパニオンの小田香子の夢は玉の輿にのって、セレブな生活を送ることを実現させる相手を見つけること。
そんな格好の場が宝石店「華屋」の感謝パーティー。
そのパーティーにコンパニオンとして参加し、理想の相手、不動産会社の専務の高見俊介に近づきますが、そのパーティーの後に香子の同僚がホテルの一室で毒殺で亡くなっていた。
自殺か他殺か?
「華屋」と不動産会社高見俊介との関係は!?
偶然にも香子のマンションの部屋の隣に芝田刑事が引っ越ししてきてお互い不思議と何でも言い合える関係となり、2人で事件の謎を解いていきます。
密室での謎解き、またビートルズの「ペーパーバック・ライター」という曲を上手く使ったさすが東野圭吾と唸らせる展開です。
「ウインクで乾杯」感想
インターネットも携帯も一般化されていない時代のストーリーなので、若い方にはピンとこない部分もあるのかな。
また毛皮やブランドもの、ソアラなど当時のバブル期の時代が垣間見えて、当時を知る私には懐かしい感じです。
香子と芝田のやり取りもユーモアがあって、事件の謎ときと共になかなか面白く読めました。
犯人はちょっと意外な人物で、最後はさすが東野圭吾だと納得できる作品でした。
「香子流ガランティン。ジャパネスク風」とは?
さて料理の記述はというと、
香子は思いを寄せている高見俊介のために料理を作る事になります。
スパゲッティとサンドイッチ以外料理をしたことがないという香子がチャレンジする料理は「香子流ガランティン、ジャパネスク風」と「ほうれんそうのポタージュ」、「きゅうりのサラダ」
「ガランティン」はひき肉に野菜とレバーを混ぜ、薄切り肉で包んで蒸し焼きにしたもの。
練習で作っていたところ芝田刑事が訪ねてきて、味見役にされるが、さてお味のほどはいかがだったのでしょうか?
ちなみに実際香子が高見俊介に料理したものは「豚肉のフローレンス風」「地中海風サラダ」「コンソメ・ジュリアン」です。
こちらも香子的にはかなり頑張りましたよね。
私としては、この小説の最大の謎がほとんど料理をしたことがない香子が何故「ガランティン」という料理を選んだのかということ。
あまり馴染みがないし、初めて作るにはハードルが高すぎるのではと思うのですが・・・。
そんな香子に敬意を表し私も作ってみました。
ジャポネスク風ということで、ソースは醬油ベースにしてみましたが、バルサミコなどなんでも大丈夫です。
香子は牛レバーを使ったみたいですが、全て鶏で作ってみました。
蒸し焼きなのでしっとり柔らかく、レバーのコクがワインと合いますね。
見栄えもするので確かにうまく作れたらポイント高いでしょうね。
香子流ガランティン、ジャポネスクふう レシピ
材料
2人分
鶏もも肉 1枚
塩、こしょう 適量
鶏ひき肉 80g
鶏レバー 40g(粗みじん)
玉ねぎ 1/4個(みじん切り)
卵 1/2個
塩 小匙1/3
こしょう 適量
片栗粉 大匙1
パセリ 大匙2(みじん切り)
(ソース)
肉汁 大匙2
しょうゆ 大匙3
みりん 大匙2
レモン汁 小匙1
わさび 小匙2
こしょう 適量
1.鶏もも肉は皮目を下にして観音開きにし、更にラップをおいて叩いて厚みを均一にし、塩、こしょうする。
2.鶏ひき肉からパセリまでを合わせ、肉だねを作る。
3.鶏肉に肉だねをのせて巻いていく。
4.アルミホイルで巻く。もう1回巻く。
5.鍋にたっぷりの湯を沸かし、④を入れ、蓋をして弱火で25分蒸す。
取り出してそのまま冷ましておく。
6.肉汁大匙2を取り出し鍋に入れ、ソースの材料を加え中火でとろみがつくまで煮詰める。
7.ガランティンを食べやすい大きさにカットし、器に盛り、ソースをかける。
思ったより意外と簡単です。
肉だねはナッツやきのこを加えたりと色々楽しめますのでホムパなどにぴったりかと。
香子さん、お疲れさまでした。
まとめ
芝田刑事と香子の関係が結構楽しくてシリーズ化されたのかと思いきやこれ1作のみでした。
ファンとしては2人の今後の関係が気になるところでしたがちょっと残念。東野圭吾さんの初期の作品とはいえ、才能が垣間見え、楽しく読めるミステリーでした。