2024年度「子どもと地域社会をつなぐ事業」第5回お礼状作成
本講座も5回目を迎えました。
ブライトシフトの廣瀬です。
今回はお礼状の作成です。
講座担当は松谷と廣瀬です。
子どもたちの変化
まず、お仕事体験を終えた中学生高校生のみなさんの変貌ぶりに驚きました。
お部屋に入ってこられた時の表情が、初回とかなり違っていて、少し緊張感から解放されているようでした。しっかりと目を見てご挨拶してくださいました。
講座が始まる前には、全員が揃いました。勇気を出して「仕事体験」をしたことから、なんだか、以前より自分自身を誇らしく感じているようなものが伝わってきました。
伝わってきたのは、「やった感」です。
その思いがまだホットな間に「仕事体験」をさせてもらった事業所様へ「お礼状を書く」というのが、今回の講座の目的でした。
私たちブライトシフトは、体験学習をして振り返り内省を促して気づきを得ながら成長していくとこを大事にしています。
今回では、お仕事体験をして本人が、自己評価をする振り返りシートがありました。
前回の講座で練習したことが上手く活かせたか、どのくらい上手く行って、何が苦手に感じたのかなどをポイントチェックをしたり自由記述をしたりするシートがあります。
事業所様からは、それぞれがどんな頑張りだったのかを評価激励してくださるシートをいただき、今日のそれぞれの参加者にギフトとしてお渡しします。
自分のことが書かれてあって、読むのはちょっとドキドキしますものね。
子どもたちの緊張した顔は、事業所様からのレビューを読んで、すぐに微笑む柔らかい表情に変わりました。
さぁ、ここからいよいよ講座がスタートです。
自己紹介はチェックイン
毎回講座の初めには、とあるテーマに基づき自己紹介をしていただいています。
自己紹介は、いわゆる基本的な自己表現の一つですが、「自分についてどんなことを話せばよいのか」
と、自己紹介の時に迷ったことはありませんか?
それでなくても、自分のことを話すのが苦手な人(私がそうでした!)にとっては、何か共通の小さなテーマにフォーカスすると案外話しやすくなるものです。
テーマの小ネタのバリエーションを増やしておくと、場に応じて色々な切り口で、自分のことが語れるようになってきます。
そのような意図をもって、毎回の講座に必ず自己紹介を取り入れてきました。
お気づきでしょうか?
これ、ファシリテーションで言うところのチェックインなのです。
共通のテーマで自己紹介すると、お互いを分かりあうことが促進され、自然と場に安心感が生まれてきます。
前置きはこのくらいにして……
さて、自己紹介では、みなさんが、しっかりと元気に声が出せるようになっているのを拝見して、わ!凄い!とその変化に驚きました。
お礼状を書く仕組みづくり
ここから、今回のメインの内容です。
お礼状の文面の書き方、手紙の構造のレクチャーを受けて、文字を書いていきます。
ビジネス向きの手紙を書くにあたり、手紙文の要素ごとに何を書けば良いかについては、事前宿題として質問に答える様式で、あらかじめ書いて準備いただいいていました。
チラリと見せていただくと、みなさんシッカリ書かれていました。
嬉しい!!
もうこれを順序よく並べて清書すればオッケー!!
消しカスの山が語るもの
ところがです。ここからなかなか進まなかったのでした。なぜなら鉛筆で文字を書いては消し、書いては消しと言うことが、方々で繰り返されたのです。
折角書いたのに、なぜか突然消してしまうのです。
どうしたの?
と声をかけると、
「これで合ってますか?」
「おかしくないですか?」
と眉間に皺を寄せて不安そうな表情で尋ねてこられます。
どれどれ?と下書きを見ると、
全く問題ない!
具体的にしっかりと現象と自分の気持ちが書かれてありました。
「大丈夫ですよ」とお伝えしても、首を傾げたりして、どうも納得いかない様子です。
それぞれの方が、書いてはゴシゴシと消しゴムで消し、を繰り返されるので、消しカスの山がこんもりとでき、支援員の方は紙を塵取りのように受けて、机の上を綺麗にして回る姿を見て、私は、なんでこんなに消すの?と不思議な気持ちになりました。
自分の納得する言葉が出てくるまで、一所懸命に言葉を紡ごうとする姿は、まるで作家が文章を推敲し続けるようなことと同じなのかなぁと、思いました。
そして、ついに、終わりの時間はやってきました。
時間内に仕上げる、と言うことも「仕事をする」上では大切なことです。
なんとか清書し最後まで書けた人、もう少しで仕上がるのに、と言うところで時間が来てしまった人、まだまだ下書きで奮闘している人と、この日の完成度はそれぞれでしたが、お手紙を投函するまでには、まだ数日の余裕があるので、大丈夫!
骨組みの文章、伝えたい言葉は沢山出てきていました。
最後に、「ハーリーの気持ちと感情の言葉カード」を使って、今どんな気持ちなのかを自分に問うていただきました。
モヤモヤ
困った と言うカードだけでなく
達成感
楽しい と言うカードも選んでくれている人も多く
真摯に頑張ってくれていたことが
よくわかりました。
苦手なことを、最後まで頑張ったね!
一人では、これで合ってるのかどうかがわからず不安になって、途中で諦めてしまうことも、少人数でのグループワークだと、下記の三つの要素が「やり遂げる」成果へ導いたのではないでしょうか。
尋ねやすい安心な環境がある事。
否定されず励まされる状況にある事。
共に同じことを頑張っている自分と同じような仲間から受ける良い刺激。
どの子もお部屋を後にする時の顔には、「頑張った」という満足度が伺える微笑みがありました。
さぁ、次回は最終回。
お金と総まとめの時間になります。